最悪講談社このアイテムの詳細を見る |
今回は、奥田英朗『最悪』を紹介します。本書は、全650ページ中最初の500ページぐらいで、3人の主人公が別々に最悪の状況に転落していく様子を描いている。川谷鉄工所社長、川谷信次郎は、近隣との騒音トラブルや設備投資の融資トラブルや従業員松村との関係や不況などに悩む。かもめ銀行北川崎支店の行員、藤崎みどりは、妹のめぐみ(おいおい事件に関係することになる)の問題や支店長にセクハラを受けたことに悩む。チンピラの野村和也は、トルエンをめぐって、大金を稼ぐ必要に迫られた。この3人が、いつしか偶然に出会うことになる。
本書を読んで、いつこの3人が出会って事件がおきるのだろうかと言う気にさせた。話が進むにつれて、それぞれの人物同士がシンクロする部分も出てくる。事件がおきるまで、長いなあと思いながら、それぞれの人物で最悪な状況に転落していく。真綿で首を絞めるようにゆっくりと話がすすんでいく。やがて、かもめ銀行北川崎支店で3人が出会うことになる。同支店で、野村和也が銀行強盗を起こし、融資を断られむしゃむしゃしていた川谷信次郎が銀行強盗に幇助し、藤崎みどりが自分から人質になる。それから、逃亡することになる。最初は、野村和也は何でこいつらがいるのかがわからない様子だった。逃亡シーンなんかはもっとページを割いてもいいかなと思います。
登場人物の人物描写・心情描写は鮮やかで、『空中ブランコ』とは違った味わいを見せてくれる。こういう重々しいサスペンス小説も書くことができるんだなと思いました。奥田作品の中では、最高傑作に入るでしょうね。今度は、同じサスペンス小説の『邪魔』でも読んでみます。
邪魔〈上〉講談社このアイテムの詳細を見る | 邪魔〈下〉講談社このアイテムの詳細を見る |
一目で読了本が分かりづらくて申し訳ございません。また訪れてください。
>わたしのオススメの本は高野和明さんの『幽霊人命救助隊』です。
→最近話題になっている同著の『ジェノサイド』は購入しました。薦めて下さった本についても機会があれば読んでみたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
古い記事でもTBはOKとのことでしたのでさせていただきました。
読了した本がかぶっているものがまだまだありそうなので
またお邪魔させていただきます^^
わたしのオススメの本は高野和明さんの『幽霊人命救助隊』です。
検索しましたが未読のようでしたので。。。
ファンタジックなエンタメです。
お口に合うと良いのですが・・・ハンカチのご用意を!
笑って泣いて元気になれるお話です。
>この作家の柔軟性というか多様性は見事ですね。
→確かに、そうですね。ダメ人間を描かせるとうまいなあとおもいます。
これからもよろしくお願いします。
この後に伊良部シリーズや「サウスバウンド」
を書くことになるのですが、それを考えると
この作家の柔軟性というか多様性は見事ですね。
川谷さんって鉄工所の社長でしたね。人生の転落する様が描かれていましたね。一番人間模様が垣間見れたともいえるでしょうか。
それでは失礼します。
そんなことするな~とか、どうするのよ~とか、心臓ドキドキさせて読みました。
こちらこそ、TBさせていただきました。『邪魔』は、人生の転落劇みたいなものがうまく描かれています。
それでは失礼します。
次は「邪魔」を読まねば…。
『邪魔』のレビューはいつになるかわからないですが、余裕があるときには読みたいと思います。
それでは失礼します。
今日やっと気がついたので、お返しに来ましたっ♪
邪魔も面白かったですよん
レビュー楽しみにしてま~す
>それ以降、奥田さん小説にハマってしまいました。
私も、奥田氏の小説にはまっちゃいました。次は、『邪魔』か『空中ブランコ』か『マドンナ』か『東京物語』になりそうです。『邪魔』は、長編なので集中して読まないといけないですね。
>あらすじ、お上手ですね~!
>「邪魔」のレビューが仕上がったら、
>またトラバさせてくださいm(_ _)m
了解しました。こういうサスペンスものは、犯人につながるヒントみたいなものを言うわけにはいけないですからね。あらすじを書くのも苦労しています。
それでは失礼します。
それ以降、奥田さん小説にハマってしまいました。
私も「最悪」→「邪魔」と読み進めたんですけど、
正直いうと「最悪」の方がインパクトが強すぎて…(笑)
あらすじ、お上手ですね~!
「邪魔」のレビューが仕上がったら、
またトラバさせてくださいm(_ _)m
『邪魔』も面白いと言うことなので、期待しながら読んでみたいとおもいます。6月中にはレビューを書きます。
それえは失礼します。
「最悪」は奥田英朗さんを一躍有名にした作品だけあり、かなり面白く読めました。
「邪魔」も期待を裏切らないと思いますよ。
ではでは。
>3人の最悪ぶりは、読んでいてこちらまで気分悪くなるくらいリアルに書かれてましたよねぇ。
そうですね、人物描写が巧みですね。川谷信次郎の追い詰められた状況はリアルですね。
>「邪魔」も気になりますねぇ・・。
図書館で借りてきましたので、じっくり読んでみます。
それでは失礼します。
3人の最悪ぶりは、読んでいてこちらまで気分悪くなるくらいリアルに書かれてましたよねぇ。
おそるべし!奥田英朗!!
「邪魔」も気になりますねぇ・・。