散日拾遺

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おやしらず/愛労

2013-07-29 11:21:25 | 日記
2013年7月26日(金)

一週間前になるが、次男からメールがあって、おやしらずの抜歯を大過なく終えたという。
抜歯は小手術なので甘く見ないようにと言ってあったため、わざわざ知らせてきたのだ。

そこで一句、

 親しらず親も抜きたる昔かな

彼も負けずに返してきた。

 歯や去りぬわれも知らねば誰ぞ知る

???
それならこちらは、

 誰か知る知歯なき頬の片笑い

ここで途切れた。

僕は結局、おやしらず4本とも抜かれた。
1本めでけっこう難渋した時、

 知歯去って口もと寒き春二十歳

とひねったから、たぶん満20歳の時だったのだ。

日本語の「おやしらず」は、
「(生えてきた歯が)親の顔を知らない」という意味かな、それとも、
「(歯が生えてくることを)親が知らない」という意味かな。

同じことか。
確かに子どもの歯が生えてくるのを、親は一本一本確認する幸せをもっている。
というか、その機会をすべての歯についてもてる親は幸せだ。

知歯というのは、翻訳語かな。
英語で a wisdom tooth と言うようだから。
世間知がついてくる頃に生える歯と言う意味か。

*****

診療後、青山でCMCC前理事長・N先生に感謝の会。

席上、Fさんの想い出話。
「N先生はこまめにお便りを下さり、その中によく『御愛労に感謝します』とありました。
『愛労』という言葉は耳慣れないけれど、そのお心が伝わって感銘を受けたことでした。」

「愛労」・・・・・

「愛にもとづく労苦」ということか、
確かに他で聞かないけれど、なるほど良い言葉と思われる。

愛なき労苦の空しさよ

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