散日拾遺

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2015年5月23日、ジョン・ナッシュ夫妻交通事故死

2015-05-25 08:30:50 | 日記

2015年5月25日(月)

 

 ジョン・ナッシュが亡くなった。

 この言い方だと、わかる人は少ない。僕自身、昨夜そのように聞かされても「誰だっけ?」と思っただろう。

 

~ Wikiからコピペ:

 ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニア(John Forbes Nash, Jr. 1928年6月13日 - 2015年5月23日[1])は、アメリカ人の数学者。専門分野は微分幾何学でありリーマン多様体の研究に関して大きな功績を残している。

 1994年、ラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニとともにゲーム理論に関して大きな功績を残したとしてノーベル経済学賞を受賞しており、彼の証明したナッシュ均衡の存在が非常に有名であるため、ゲーム理論がナッシュのライフワークと思われていることもあるが、ナッシュがゲーム理論の研究をしていたのは博士課程在学中とその後のわずか数年間だけである。2015年にはアーベル賞を受賞した。

 ハリウッド映画『ビューティフル・マインド』は、彼の天才数学者としての偉業と成功及び後の統合失調症に苦しむ人生を描いた作品であり、このため世間での彼の知名度は高い。

 

***

 

 Wiki の記載がたぶん正しい。朝日の記事は「統合失調症を長く患いながら研究実績を挙げ」と書いているが、これはおそらく不正確である。

 数学者のできあがりは早い。ナッシュはその天才的な働きを、20代半ばの発症前にほぼすべて成し遂げている。「統合失調症を抱えながら、それゆえに天才的な仕事を」というのは、ありがちのロマンティックな思い込みだが、そんな甘いものではない。苦しい、つらい病気なのだ。

 ただ、統合失調症を発症することになった彼の精神/脳の事情と、その天才的な業績との間に関係があるかと問うなら、これは熟慮を要するテーマである。

 関係はあるかもしれない。僕らの廻りにも数学頭をもった小天才達があり、どうやら彼らのモノの見え方は僕らとは違っているようだった。その種の違いを生む脳内事情が、ひょっとしたら統合失調症の発症背景と一脈通じているのかもしれない。今は何とも言えないことであるけれども。

 

 映画の中で、元教え子のアリシア夫人との絆は大切な横糸となっている。結婚を解消し、しかし妻ではない者としてナッシュを支えることを決意した彼女は、自分の決断に忠実だった。映画に描かれない後日の実生活の中で、2001年に再度結婚していたことを新聞記事で初めて知った。

 その二人がタクシーに同乗していて事故に遭い、車から投げ出されて二人とも死んだ。

 ジョン・ナッシュ86歳、アリシア夫人82歳。

 


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