散日拾遺

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Let be...?

2016-08-30 09:16:57 | 日記

2016年8月30日(火)

"Be still" あるいは「ほたえな」の話の続き。勇を鼓してというか、怠け心にムチ打ってというか、ヘブライ語の原典を開いてみるが・・・

 הַרְפּוּ וּדְעוּ, כִּי-אָנֹכִי אֱלֹהִים;    אָרוּם בַּגּוֹיִם, אָרוּם בָּאָרֶץ

 何というか、まあ暗号だよね。だけどこういうのは慣れだけのもので、しばらく我慢して毎日眺めていると、ふと気づいたときにはそれが意味のあるまとまりに見えてくる・・・はずである。そういう感覚は一言語について一回しか味わえない。ポリグロットの中には、この感覚に味を占めて強迫的にこの作業を反復している人があるはずだ。強くもならない碁にふけるより、こっちのほうが生産的かな。

 厄介なのは右から左へ読み書きすることで、日本語だって昔はそうだったのだが欧米語とのつきあいの都合上、左から右にひらりと変身したのが、何でヘブライ語はできないかな。できないのじゃなくてしないのか、アラビア語(中東を中心に2億人以上が使用し、国連の公用語にもなっている大言語)も右から左だし、これを維持する方がトクなのかもしれない。こういう多様性は豊かさだと思うが、PC画面上で操作するには改行とかけっこう面倒なのね。

 ともかく、ポイントとなる部分を拡大すると、

 הַרְפּוּ וּדְעוּ

 たった8文字、2語なのに解読できない。辞書?辞書はでっかいのがあるんだが、引けないのですよ、活用が分からないから。引くはおろか、発音することもできない。ふと思いついて探したら、あったあった、ありました。ヘブライ語ー英語の旧約聖書対訳に、朗読音源を載せた公開サイトが!

 http://www.mechon-mamre.org/p/pt/pt0.htm

 詩編46を何度か通して聞いてみる。とりあえず耳にひっかかるのは「エロヒーム」と「アドナイ」、それぞれ「神」と「主」にあたる言葉で、ただそれだけである。肝心の部分(上記)は「ハルプ(フ)ー、ウドゥルー」という風に聞こえ、ああそのはずだとちょっと安心するが、それで理解が進むわけではない。

 ただ、この部分の英訳(どの版だかすぐには分からない)が、"Let be, and know that I am God." となっている。「静まれ」「力を捨てよ」に次いで、今度は「Let be」ですか。何でかくも多義的な・・・?Beatles の名曲など思い出され、ますます原語のカラクリが知りたくなってくる。

 ひょっとして、人生のキー・コンセプトがそこに隠れているかもしれない。

Ω


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