散日拾遺

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5月15日 ミッキーマウスが初めて映画館で上映される(1928年)

2024-05-15 03:49:30 | 日記
2024年5月15日(水)

> 1928年5月15日、ミッキーマウスを主人公にしたアニメ「飛行機狂」が初めて上映された。ハリウッドのサンセット通りにある映画館で試写会が行われたのだ。観客の反応はまあまあだったが、熱狂するほどではなかった。しかし、この新しいキャラクターに賭けていたウォルト・ディズニーは、すぐに第二作、第三作の制作を開始した。第三作は、アニメでは初めての試みとして、音声が付けられた。
 この第三作「蒸気船ウォーリー」は、同年の11月18日に封切され、大ヒットとなる。こうして、人気者ミッキーは世に知られるようになったのである。ディズニーが26歳の時のことだった。
 彼がミッキーマウスというキャラクターを思いついたのは、この年の三月、ニューヨークから帰る列車の中でだった。狡猾な配給会社に一番ヒットしていたキャラクターの使用権を奪われ、しかもスタジオのアニメーターを根こそぎ引き抜かれるという目に遭い、カリフォルニアに帰る途中だった。失意のどん底の中で、ディズニーは新しいネズミのキャラクターを思いつき、妻のリリーに見せた。「これ、モーティマーって名前はどうかな?」
 リリーはモーティマーと言う名が気に入らず、代わりにミッキーという名前を提案した。こうして、世界最大のアニメ・キャラクター、ミッキーマウスが誕生したのだった。
晴山陽一『365日物語』(創英社/三省堂書店)P.141

Walt Disney
1901年12月5日 - 1966年12月15日 

 ディズニーと共に育ち、金曜8時からの「ディズニーランド」を楽しみに見ていた世代ではあるが、ある時期からやや熱が冷めた。いちばんのきっかけは『クマのプーさん』で、ブラスバンドの行進みたいなディズニーのそれは、A.A. ミルン(1882-1956)の原作にE.H. シェパード(1879-1976)が最高の挿絵を付けた、オリジナルの "Winnie-the-Pooh" を台無しにしてしまった。個人の意見だけれど。


  

 シェパードはケネス・グレーアムの『たのしい川べ』にも挿絵を描いており、これがまた素晴らしい。いずれも石井桃子の名訳で読むことができる。



 イギリスの最良の要素がこれらの作品に結実し、ピーター・ラビットに受け継がれ、ハリー・ポッターに変化(へんげ)している。

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