2018年8月11日(土)
今年は例年に比べて蜂・虻や蚊が少ない、降雨がないのでボウフラの湧く場所ができにくいのは分かるとして、蜂が少ないのはどうしてかなどと話していたら、夕方こんなのを見つけた。それが合図になったかのように翌朝にかけて2つ3つと見つかり、決して少なくはなかったようである。
アシナガバチはアゲハチョウなどの幼虫を肉団子にして食べるのが主たる栄養源で、給餌を受けた幼虫が口から吐く糖分に富んだ液体が、逆にハタラキバチを養うという面白い方式をとっている。このことからしても、水不足の影響をダイレクトに受けることはあまりなさそうだ。庭の様子を見ていると巣はまだまだありそうに思われる。息子たちも次第にコツを覚え、「あの辺に巣があるのじゃないか」「この木が怪しい」などと庭歩き後の目撃情報を寄せてくるようになった。
音についていえば、日中の庭はもちろん蝉の天下である。名指すことができないのが悔しいが、種類はずいぶん多い。夕暮れとともにそれが鳴く虫系に交代し、これも多彩で情けないほど区別がつかない。ちょうどその移行帯、薄暮から夜になっていくあたりが蛙の時間帯である。この間、非常に神秘的な感じにつつまれるのは理由がある。
蝉やコオロギは自宅の庭で鳴くが、蛙は外の田んぼで鳴く。当然、声は外から聞こえ、しかも田んぼはの境を越えて海辺まで拡がっている。平野一帯に生息する数限りもない蛙の大合唱が、あたりの山々に反響しながら高大な黄昏の空に吸い込まれていくのである。
「無窮」という言葉の思い浮かぶ、宇宙的な時間帯である。
Ω