日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

テロ組織といわれる「ヒズボラ」との接近遭遇

2005年12月14日 20時15分50秒 | 中東ヘロヘロ紀行
ヒジュラ暦1426年ズー・ル・カアダ(11月)12日 ヤウム・ル・アルビアーィ(水曜日)

ヒズボラの劇場。「レバノンの自由への抵抗展」というイベントをやっていた。

 レバノンには、ヒズボラ(またはヘズボラ)という、イスラーム・シーア派の組織がある。世界的にはテロ組織として認識されているようだ。
 どんな見方をされているかは、私のもう一つのブログ「イスラム関係ニュースの倉庫」(一週間に一度程度まとめて更新)の検索機能で「ヒズボラ」を検索してもらうと、多少わかって頂けるのではないかと思う。具体的には次のような感じで記述されている(記事の一部)。
9/28イランの核技術がヒズボラ、ハマスなどの過激組織に渡る恐れがある
10/7米政府は、イスラエルの占領に対する武装闘争をしてきたレバノンのシーア派組織ヒズボラへの支援を「テロ支援」とみなしてきた。
10/7ブレア英首相は、イランか、レバノンで活動するイスラム原理主義組織ヒズボラが、イラクで使用されている高性能の路肩爆弾を供給していることを複数の根拠が示している、と述べた。
10/27(レバノンからの外国軍撤退に関する)報告書は、米国がテロ組織と認定し、安保理決議で武装解除が要求されているイスラム教シーア派組織ヒズボラについては、なお多数のロケット弾などを保有する現状を挙げて武装解除を重ねて要求した。
11/22レバノン国境でイスラエル軍とヒズボラ交戦、6人死亡‎


 そんでもって、アメリカの国務省からはテロ組織として認定されている。ちなみに、日本のオウム真理教も米国務省からテロ組織と認定されており、そう考えると、ヒズボラというのもとても危険な組織ということになる。


 平将門さんという方が作られている「叛乱on line」というサイトの、「合衆国国務省 海外テロ組織に関する背景情報」の中に、「ヘズボラ」として紹介されており、ありがたいことにリンク・引用自由ということなので、ここに「ヒズボラとは何か?」ということを転載させていただく。
名  称ヒズボラ(神の党)
別  名・イスラム・ジハード
・イスラム・ジハード組織
・革命的審判組織
・世界被圧制者組織
・パレスチナ解放のためのイスラム・ジハード
・悪に対する正義の組織
・アンサル・アッラー
・預言者ムハンマドの弟子
解  説レバノンで結成された急進的シーア派組織。イラン型イスラム共和国をレバノンに建国し、非イスラム的影響をその地域から除くことを中心とする。強く反西洋的・反イスラエル的。イランと密接に同盟し、しばしば指示を受けているが、テヘランが認めていない行動も行なってきたようだ。
活  動数々の反米テロ攻撃に関与したことが知られている、あるいは疑われている。1983年10月、ベイルートの米海兵隊兵舎、1984年9月のベイルートでの合衆国大使館別館への自殺トラック攻撃など。グループの一部は、レバノン国内における合衆国その他の西洋人の拉致監禁に関与していた。グループは1992年、アルゼンチンでイスラエル大使館も攻撃した。
勢  力数千人。
活動地域ベッカ渓谷、ベイルート南部郊外、南部レバノンで行動する。ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、北アメリカその他に支部を設立。
外部支援イランとシリアから財政、訓練、武器、爆発物、政治的、外交的、組織的支援を相当受けている。


 そのヒズボラが、バールベック遺跡の隣の建物で、展覧会&ショーをやっていた。


「ひぇ~っ! テロ組織が町中で堂々と活動している」


と思って驚いたが、ヒズボラはレバノン国内では政党を組織しており、国会議員まで出している、れっきとした合法組織なのだ。
 いったいどのような展示を行い、どのようなショーを繰り広げるのか興味は尽きなかったが、ツアーでそんなものを見るわけにはいかないようで、あっさりと通り過ぎた。そもそもコースに入っていなかったし。


 しかし、ヒズボラ直営の土産物屋があったので、店の親父と話し込み、ヒズボラのTシャツを買うことにした。下の写真のように、前面は左胸にヒズボラのマーク、背面は全面的にヒズボラのマークがあしらってある。
 このTシャツ、普段着ていて大丈夫なんだろうか?
  

 日本円で約800円程度で購入したのだが、なかなかおつりを持ってこない。「他の土産も見てみんか?」とか「茶を一杯どうだ?」という感じで、時間を引き延ばす。それがアラブのホスピタリティと言われりゃそれまでなんだが、こちらはツアーだし、バスの出発時間が迫っているので余裕が無い。
 「うむ、仕方ない。一発かますか」と思い、


「この野郎! さっさとつりを持ってこいと言ってるんだ! つりを持ってこないならTシャツはいらん。金を全額返せ! 金を返さないのなら、ただではおかん。私は日本のカラテ・マスターだ! おまえら全員地獄へ行きたいか!?」(と、カタコトの英語で啖呵を切った)


 すると、店員一同、おおいに驚き、すぐにおつりを持ってきた。しかも500円ほどにまけてくれた。
 そして年配の店員が小声でひとこと。「君、ヒズボラに入らないか?」
 外国人観光客を勧誘するんじゃない! 入ってどうするんだ!?


 急いでツアーのバスに戻り、添乗員さんにことの顛末を話すと


「良かったじゃないですか。Tシャツ売ったお金も銃弾代くらいにはなるからヒズボラも助かりますよ」


と淡々と言われた。
 この国も、添乗員もただ者ではないと改めて思い知った。
 私の払ったTシャツ代が銃弾なんぞに化けないように祈るばかりである。