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BSE&食と感染症 つぶやきブログ

食品安全委員会などの傍聴&企業・学者・メディア他、の観察と危機管理を考えるブログ by Mariko

米消費者団体CUが20ヶ月以上全頭検査をUSDAに要求・専門調査会傍聴

2005年06月22日 15時08分35秒 | アメリカ牛は安全か?
■米消費者団体:コンシューマーズユニオンが20ヶ月以上の牛について全頭検査を要求

20カ月以上の牛、BSEの全頭検査を・米有力消費者団体(確定にはWB法も)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050622AT2M2200V22062005.html
全頭検査を要請=BSE対策への疑問裏付け-米有力消費者団体
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050622-00000048-jij-pol

June 21, 2005
Consumers Union calls on USDA to go the extra mile to protect consumers, cattle industry
http://www.consumersunion.org/pub/foodmad_cow/002417.html

■2005年6月21日 プリオン専門調査会(米国牛輸入再開問題など)傍聴感想

※最初に別件。米国牛輸入再開問題より先に、にかわかすの肥料使用についての議論が続いていたのですが、今回の資料では、「にかわかす」の文字が消えて「肉骨粉 焼却灰」などとなっていたのが気になりました。(というのは思い違いで、そもそも、世界に先駆けての牛の肉骨粉肥料使用解禁の話だったらしい。)

米国牛輸入審議について、耳がダンボの話題だけを少々ご報告いたします。
議事録や資料のUPサイトはこちら
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/index.html
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html

★日米飼料比較について
気になったのは、「日本と米国では育て方が違う」と主張された委員がいたことです。当然のことではありますが、今、日本で感染源として疑われている代用乳を意識されているのか?と、ちょと思いました。
※代用乳については以下。といえば19,20頭目もミルフードAを使用していたとか。
BSE感染源は肉骨粉ではなく「代用乳」説 &米国2頭目
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/23ab0dde4b4a2cdbbb3ec688de8e9bb8

山本茂貴委員の作成した論点メモから抜粋(資料2-5 P=6)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-5.pdf
■米・カナダの牛は若齢期までは主として母乳と牧草で飼育
■飼料(補助飼料を除く)は主として農家で配合 (略

農水省配布の資料から抜粋(資料2-2 P=52)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-2.pdf
米・カナダの肉用牛のライフサイクル(繁殖牛を除く)
■乳用種(約一割) 
代用乳→濃厚飼料・粗飼料
■肉用種
牧草・補助飼料→濃厚飼料・粗飼料
~~~~~~~~~~~~
私はここで【補助飼料】がすごく気になったんですが。血粉や牛の油脂、鶏糞などはいつから食べさせるのか、など。。

米国における飼料規制除外品目をSpeak Easyさんがわかりやすくまとめてくださいました。
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/26071694.html
↑資料2-3より
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-3.pdf
米国における飼料規制除外品目の項目別整理という表はぜひご覧ください。
牛由来の油脂と血液・血液製品については牛使用OKで、「使用方法(加熱処理条件等)は特に定めていない」とあります。※血液や油脂についてはレンダリング時の回収の際、「汚染なしに回収出来るのか」という点が疑問です。

先日の食健連の米国BSE調査報告会で伺ったことですが、米国の出荷は20ヶ月云々どころか、メイン月齢は14~16ヶ月、いって18ヶ月だそうです。日本で成長ホルモン剤を使わないで育てるには二十数ヶ月~30ヶ月、かかるであろうところを、あれだけの若齢で出荷するには成長ホルモン剤が必要で、その成長に、飼料を追いつかせるためにはそれなりの飼料を与えなければならないだろう、とのことでした。BSEも問題だけれど、日本はなぜ成長ホルモンのことを指摘しないのか?と米国の消費者団体の方などが言われていたようです。

また、成長ホルモンと、BSEのプリオンの体内での増殖は影響はないのか?などという質問が報告会で出ていました。

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★一時検査で疑陽性になった牛の数比較
 資料2-2 P=47
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-2.pdf
上記、印象に残ったので抜粋。

米国:1次検査陽性=3頭/37.5万頭(エライザ 2004年6月~
カナダ:1次検査陽性=8頭/5万3千頭強(エライザorプリオニクス社簡易WB 2004年~
日本:1次検査陽性=138頭/445万頭(2001年10月~2005年3月末 

米国が少ないことが話題になりました。
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★その他、印象に残ったご発言の要旨
小泉直子委員:
>(TBSなどで報道された他の委員らの要求、「国民への説明」義務についての)諮問文章訂正の件について、そんなことやってるより個々のデータを評価するほうがよっぽど大事
山本茂貴委員:
>食安委は米国の規制管理が100%出来ているとして評価するべき  
甲斐委員2名:
>項目ごとに細かく評価すべき、100%が無理なものもあるので+αが必要(交差汚染は起こらないはずなのに起こった) etc..

私としては、食安委において、コンプライアンスが100%出来ているとして評価するという提案が出る時点で、食安委としての危機管理意識が感じられず、行政側に全て責任を押し付けているのを感じました。国民として「なんじゃそれ?」って感じです。コンプライアンスがちゃんとできてないから問題が起こったんですよね~。偽装隠蔽など、犯罪心理学、人間行動科学の科学的問題はどこで指摘するのでしょう。仮定ばかりで現実を見ないでどうするんだろ?

関連ですが、行政側は、タイソン労組の告発やNJ競馬場のCJD集団発生、元USDA職員のカナダでの告発スキャンダルに対する食安委への回答として、「諸事万事問題ない」という趣旨の米国大使館の声明を持ち出しておられました。食安委で、このままスルーされないことを願います。NJの件も脳検査はしておりませんよね。

★北本先生の質問
北本哲之先生が質問(宿題)を出されておりました。ご発言要旨の抜粋ですので、議事録が出たら確認してください。
==========
>我々と国民が一番気にしてるのは、「本当の米国の汚染状況はどうなのか?彼らのサーベイランスで、それがあきらかにできるだろうか?」という点じゃないかなぁと思っています。
>わが国の検査方法を米国でやったらどうなるのか?
>逆に、米国がやっているサーベイランス体制を日本でやったら、わが国はいったい何例のBSE保有国となっただろうか?
>OIEのいっているサーベイランスによって、低リスク国だろうとされる米国とカナダ、我々日本の汚染度を把握?できるのか?
>(日本の20頭発見できた)有効なサーベイランスはこういうものである、これを主張すべきですよね。

========
なお、資料の日本語紹介の中に、今年4月末に出されたUSDAの報告がなかったように思いましたので、厚労省さんに追加をお願いしました。
米国北部に高度のBSE暴露リスク、米国農務省報告
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05050901.htm

米国で問題になっているCWD(狂鹿病)の汚染状況も検討資料に入れるということだったんですが、それもなかったかな?作る方は大変ですね。あっと、ミンク脳症のこともないです。

★今回の審議に関する報道をいくつか
牛肉輸入、安全食品委が再諮問求める(TBS リンク切れ)
http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news1211824.html
 政府の 食品安全委員会がBSE問題を話し合う 専門の会議を開きましたが、アメリカ産牛肉の 輸入再開条件を巡る 諮問を出し直すよう厚生労働省などに 求める極めて異例の 事態となりました。 この専門調査会は、 厚生労働省などの 諮問を受けてアメリカ産牛肉の 輸入再開条件を 話し合っていますが、会議では 複数の委員が「諮問の記述が不十分で 国民への説明責任を 果たしていない」と 批判しました。 このため、座長が諮問に至った 経緯や背景、趣旨を 詳しく書き直して 再提出するよう求める 異例の事態となりました。 背景には 一部の委員の間に「政府が 輸入再開の 露払い的な役割を 専門調査会に 押し付けようと している」という反発があるためと みられ、今後の曲折が 予想されます。(21日 20:28)

汚染評価後に安全性審議へ プリオン専門調査会(共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050621-00000211-kyodo-soci
20カ月超の安全性も検証へ=米産牛肉輸入再開ずれ込みも-専門調査会(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050621-00000153-jij-pol
米国とカナダの法令順守体制にも意見を 寺田雅昭食安委委員長(日本食糧新聞)
http://www.nissyoku.co.jp/bse/
米国のBSE/徹底的な危険性評価を (日本農業新聞論説)
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0506/21.html
「説明は政府の責任」 米・加産牛肉評価でプリオン専門調査会 疑問・批判相次ぐ(新聞赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-22/14_01_2.html
食品安全委プリオン専門調査会/米国の飼料規制も議論
[2005年06月22日付] (日本農業新聞)
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/
 米国・カナダ産牛肉の輸入再開問題で、食品安全委員会プリオン専門調査会は21日、両国の飼料規制の実態などから牛海綿状脳症(BSE)感染率を調べた上で、輸入対象の20カ月齢以下の牛肉の安全性を評価することを決めた。厚労・農水両省は食品安全委の審議の短縮化を念頭に20カ月齢以下の牛に評価対象を絞ったが、プリオン専門調査会が国全体の感染率を確かめる方針を明確化したことで、議論が長引く可能性も出てきた。 専門調査会の山本茂貴委員(国立医薬品食品衛生研究所)が、米国とカナダについてBSE汚染度を国ごとに判断した上で、安全対策を上乗せした20カ月齢以下の牛の肉の安全性を最終的に判断する案を示し、各委員が賛成した。 日本と米加両国の検査体制が大きく異なっていることから、北本哲之委員が「米加両国の検査方法・対象を日本に当てはめて感染牛頭数を試算すれば、汚染度を比べる指標になる」と提案。厚労・農水両省が試算に着手することになった。・・・

その後も追加予定

日本のBSE感染源は肉骨粉ではなく「代用乳材料の汚染」説 &米国2頭目

2005年06月14日 07時18分52秒 | アメリカ牛は安全か?
◆BSEの感染源としての代用乳材料の汚染

6月11日、日本獣医畜産大学で「BSEと飼料問題」についてのシンポジウムが行われました。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/yiwa/
http://home.hiroshima-u.ac.jp/yiwa/19APS.pdf
トピックは、日本で今まで「不明」とされていたBSE感染の原因を検証するもので、発生した多くの牛に共通する飼料を洗い直し、国の公的発表の計算の不備や間違いを学術的に指摘するものです。
先生方は、「犯人探し」をするのではなく、今後の感染防止、BSE撲滅のために、原因を究明されています。
その調査上で、代用乳や動物油脂などが浮上してきました。

シンポジウムに参加できなかった方で、詳細をお知りになりたい方は、当日の資料を配布(資料代1000円)されていますので、畜産システム研究会に直接お問い合わせを。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/yiwa/

日本の現在判明しているBSE牛において、肉骨粉や交差汚染だけが感染源ではなく、その他の代用乳などが共通した感染源であるという調査は、今後の対策においても重要な着眼点であります。他国のBSE対策や、輸入問題を考える上でも大きな問題となります。「肉骨粉は食べさせていないから安全です」なんてキャッチフレーズの裏に注意が必要です。

代用乳については、下記もぜひ。
どうして鹿追町でのBSE二頭発生を問題にしない?
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=288

2000年生まれのBSE患畜 3頭すべてに同一の代用乳 感染源再検討の必要性
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05062301.htm

■米国の状況
米国における飼料規制除外品目
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/26071694.html
血液・牛脂は牛の飼料として使用OK(加熱などの規制なし)
※食安委では、この表にチキンリッター(chiken litter)
~養鶏場の餌の食べこぼしや糞などのごみについての詳細が入っていない、という指摘も。
※牛の肉骨粉は鶏・豚には使用可。

ところでですが、会場から出た意見で、一つ、印象深く疑問に思われた点がありましたのでご紹介を。

「マスコミがともぐい、ともぐい、と、おどろおどろしく報道してしまうから覚えが悪くなった。しかし肉骨粉は飼料として貴重なリサイクル資源なんです。」

獣医学の先生からの、上記のような内容の熱いご意見だったんですけれども、私は「飼料」として使う場合に、上記に3つの疑問を持ちました。

==========================================

1. 同じ種のものを食べさせることについて→種の壁がないので、病気が感染しやすいのでは?

2. 大量の個体を混ぜるので、ひとたび汚染されたら病気が伝播しやすいのでは?
  (例・雪印牛乳食中毒事件・牛乳テロ論文不掲載事件・加熱しても駄目な毒素など)

3. 汚染物質の生体濃縮は?
 ※その他、家畜の糞の飼料もあるわけですが、糞はそもそも毒素を排泄する行為でもあり。。。


==========================================

「肉骨粉」と書くと「動物油脂など」が除かれる語弊があるので「動物再生飼料」の「ともぐい」についてですが、以下は別件、ちょっと思い出したことを。。。

日本でBSEが発生した2001年9月当時、某畜産県の指導的立場におられた学者が、「肉骨粉は貴重なリサイクル資源だ」という主張をずーっとHPに掲載されてました。それは発生した後もしばらく削除されなかったので、注目していたのですが、やがてそれは消えました。その方が、その後BSE対策についていろいろコメントをされているのを見て、よく農家の人は怒らないな、と思ったものです。まぁ、その学者は今も持論を変えていないのでしょうが、指導者たる者が、あれだけの甚大な被害を防ぐことが出来ず、その反省点を踏まえた上での持論なのか?上記の3つのような問題はどうクリアするのか?この点を教えていただきたいです。不勉強な私はこの点を知りたい。


◆米国2頭目疑いの情報について

笹山登生さんとSpeak Easyさんのサイトが詳しいのでそちらにお任せ(^^

二頭目のBSE発生で、問われるアメリカの検査体制
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=290
Speak EasyさんのアメリカBSE特集ページ
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/cat_924521.html
最新情報は笹山掲示板
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi


【もう絶句】行政による「科学」のねじまげ始まる。米国牛輸入問題:意見交換会に参加

2005年05月21日 08時58分35秒 | アメリカ牛は安全か?
「食品に関するリスクコミュニケーション(米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会)」の開催(5月20日)
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050427press_6.html
参加してきました。急ぎにつき雑文で申し訳ありませんが、いくつかトピックをご報告します。

■「厳密な国内飼料規制後に生まれた若牛限定の20ヶ月齢以下のリスク評価」を「飼料管理状況不明な米国牛」に曲解適用する方々

食品安全委員会が、20ヶ月以下は検査をしなくとも、リスクが変わらないといっているから、米国牛も20ヶ月以下はよいのだ」という「科学の曲解」、ねじまげを、早速、以下の方々が回答されてました。

農林水産省 島村宜伸 大臣
厚生労働省 西博義 副大臣
農水省 消費・安全局長 中川坦氏

ほかにも誰か答えていたと思いますが、少々頭に血が上って忘れました。

食安委の西郷リスクコミュニケーション事務官に、「結論部分だけ」を抜粋して、読み上げさせる念の入れ方です。

つまり、多くの食安委の専門委員が心配されていたことが現実になったのです。「この答申における大前提」を、さっそく行政が無視したということです。行政は、答申の「結論部分」だけ抜粋、振り回して、「おわりに」の部分はすっかり無視。国民をヴァカにするのも程がありますね。日本語読めないと思ってるんですかね?

==プリオン専門調査会の答申案「おわりに」より、答申の大前提==

本評価報告は、我が国における過去の集積データ及び評価を行うに足る関連データに基づき、基本的には背景に予想されるBSE の汚染度、と畜場における検査でのBSE 陽性牛の排除、安全なと畜解体法とSRM の除去などの効率について評価し、2005 年3 月の時点での若齢牛のリスク等を総合的に評価したものである。このような様々な背景リスクから切り離して年齢のみによる評価を行ったものではない。従って、今後諸外国におけるBSE感染リスクの評価を行う際には、総合的な評価を行うための多様なデータの存在が必須になるものと考える。
http://www.fsc.go.jp/bse_hyouka_kekka_170509.pdf

===============
(注)「結論」と「おわりに」の各委員の位置付けの経緯については、議事録を参照
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai22/170328_dai22kai_prion_gijiroku.pdf

この「科学」の曲解、ねじまげ、過ちを指摘しようと思って挙手しましたが、言わせてもらえませんでした。間違いも指摘できない「意見交換会」なんて、最高ですね。こんな風に「科学をねじまげられる」んではたまりませんね。あまりにもひどかったので、その後のご発言、こういっていたように私の耳には聞こえました。

「みなさまの食の暗然を守る」

実際米国牛は、飼料管理がどれだけきっちりなされているのかと、現行でどれだけBSEに汚染されているかを一番に確認すべきなのですが。若牛だろうとなんだろうと、怪しい飼料を食べている感染牛かも知れない牛を日本に入れるというのはヒトと家畜の防疫上、冗談じゃないです。


■SRM除去問題
国はSRM除去が完全にできないことをはっきり述べました。「検査、SRM、飼料」全部、「完全」なんて無理です。」と厚生労働省の外口崇氏がいわれました。誰かさんが主張してた「ゼロリスク信仰」なんかそもそもありっこないわけで。あとは「どうやってできる限りリスクを下げていくかということが大事」なわけだし、それを外口氏も述べていました。努力していないところの食品なんか食べられないということです。

参考:
農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/0a2e4459558beb8d921eb79753e6c8fa

なお、もう一点食肉処理場の現場からの重要な指摘がありました。農水・厚労省は「米国はSRMを厳正に処理している」という報告書を先日出したようですが、
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050519press_9.html
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050506press_2.html
その問題指摘はこちら。
「厚労・農水省 米・加のBSE対策調査結果を発表 安全性評価の資料にはなり得ない」
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05052001.htm

話戻って、リスコミで指摘されていたのは
背割り後に脊髄を吸引し、その後高圧洗浄をするとあるが、それだと汚染が広がるのでは?という意見です。

こういうことでしょうか? 参考までに以下の写真を。
内視鏡洗浄に関する「目に見える汚れ」「目に見えない汚れ」について
http://www.d1.dion.ne.jp/~jamec/photo1.html
http://www.d1.dion.ne.jp/~jamec/

さらにもう1つ。現場の方がご指摘くださったのですが、肉類の脳神経組織の混入・汚染チェックは、アズマックスという企業が、96セット(90頭分)8万円で簡易キットを販売しているそうです。これはその場でチェックできて、2時間後に判定ができ、やり方さえちゃんと確認すれば普通の消費者でもその場でできるとのことです。
http://www.azmax.co.jp/idx02_product/kensa/index_01.htm
http://www.azmax.co.jp/idx02_product/kensa/field_04_index.htm
枝肉に使用するのでしょうが、消費者団体や生協、その他流通でもどんどん活用いただきたいですね。バラ売りしてほしいなぁ。

危険部位除去はとても大事。食安委は全頭検査見直し評価をするなら、SRMの除去率のリスク評価も当然すべきでしょう。上記キットもありますしね。


■肉質での月齢判断について
目でみて、赤い、とか骨化が進んでいる、とかで月齢を判断する方法が述べられていましたが、その件について、「品質管理」「安全管理」に携われていた方のお怒りの指摘がありました。「そもそも根底のサンプルの集め方からして間違っている。統計以前の問題だ!こんなサンプルの集め方をうのみにしてそのまま信用するとは」ところどころ絶句。そう。絶句しちゃいますよねー。いやまじで。

この件で、月齢判定に関する検討会の座長をされていた沖谷教授のお言葉
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-21/02_02_0.html
>『米国式格付けと月齢とを結びつける問題点をめぐって、高橋議員は「米国ではさまざまな交配種があり、肉質も違うのにアメリカが示したサンプルのデータが、どの牛の種類でも成り立つのか」と質問。牛の月齢判別に関する検討会座長の沖谷明紘日本獣医畜産大学教授は、年間約三千五百万頭という「全部の母集団を完全に反映しているとはいえない。それは不可能だ」と答えました。』

議事録をお楽しみに。。

■どうする食品安全委員会?
食安委の品川森一先生も6ヶ月前から辞意を表明されていたことが判明しました。

米産牛肉の輸入審議難航も 食品安全委から内部批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000233-kyodo-bus_all

3年半前、プリオニクステストの感度について疑問が噴出したときに、私はその企業に電話して根掘り葉掘り伺ったのですが、そのとき親切に回答くださった方が「品川先生を知らないんですか?あなたモグリですよ何いってるの。品川先生はその世界の検査における第一人者のすごい方なんですよ!」といわれたことを記憶しています。その後品川先生にもお電話でBSEの一連の検査に関する疑問を消費者として伺って、とてもわかりやすく丁寧にご解説くださったことを思い出します。

食安委の傍聴中、品川先生や山内先生が、より検出度の高いWB検査法だけの結果でもBSEと認められている、と何度も否定しているのに、輸入再開に都合のいい「21ヵ月、23ヶ月はBSEではないのではないか」という話をを何度もしつこく投げつけた委員がいて、「ああ、本当にうんざりされてるだろうな」と思ったなぁ。そういえば。私は、食の安全に関して予防原則さえ考えていない人間が委員会に存在すること自体に疑問を持ちました。

そのことで、日本食糧新聞の小野寺節教授インタビュー記事に、面白い件があったのでご紹介まで。

「スイスでOIEのメンバーと議論していたときに、向こうは21ヵ月齢、23ヶ月齢はBSEではないと言い張るので、「では、その肉を持ってきて焼肉パーティーでも開こうか」と言ったら、「それは困る」と言っていました。(笑)」
http://www.nissyoku.co.jp/bse/

山内一也先生も遺憾の意

全頭検査緩和で利用された/食品安全委の山内専門委員
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050520000194
衆議院農林水産委員会は20日、牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しについて審議。参考人として出席した内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会委員の山内一也東大名誉教授は「(行政に)ある意味で利用された」と述べ、同調査会が全頭検査緩和にお墨付きを与える形になったことに遺憾の意を表明した。 山内委員は、全頭検査の緩和によってリスクは増えるが、増え方が極めて小さいという科学的な評価をしただけだとし、全頭検査の有効性を強調した。岡本充功議員(民主)の質問に答えた。 同委員会では、米国産牛肉の肉質や骨格形成で生後20カ月以下と判定する方法についても、与野党双方から「6秒程度の目視で確認できるのか」「サンプルが片寄っており無理がある」などと批判的な意見が出た。

東京のリスコミの場におられたら、山内先生はどういわれていたことやら。

BSE審議の座長代理が辞意表明 食安委に疑問

2005年05月18日 08時01分27秒 | アメリカ牛は安全か?
食安委は、税金の無駄遣いどころか国民の食の安全の害悪とならないように、「今後は、」ちゃんとやってほしいですね。というか、もうすでに、食安委が全然信用ならないのに、食の「安全・安心」などできるわけがない。良心を持った科学者として、あの場にいられないのは、傍聴者として本当に理解できますが、辞めるべき人間が間違っている。金子座長代理にはぜひお残りいただき、食安委を正していただきたい。私はなぜ大多数の・・殆どの専門委員の意見・見解を反映しない人間が座長なのか、さっぱり理解できない。

それから、削ったはずの文言が復活したり、あったはずの重要な語句が削られたり。←※注 末段参照
いや、すごいですよ。まじめに。

後世まで伝えたい一言
===============
「食品安全委員会と本委員会とプリオン専門調査会の間で意見の違いがあることも問題を複雑にしている。本委員会の一部の委員などはSRMさえ除去すれば牛肉の安全性は確保できると主張しているが、これは人の健康よりも貿易や経済性を重視した危険な考え方だ。それで危険は回避できるという科学的証拠はない。」 by 食品安全委員会 プリオン専門調査会座長代理
===============

■金子プリオン調査会座長代理 米国産牛肉リスク評価の諮問に辞意
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05051601.htm
座長代理辞意表明について抜粋(農業情報研究所↑全文をどうぞ。)

5月15日付の産経新聞(Sankei Web)が共同通信を情報源として伝えるところによると、食品安全委員会プリオン専門調査会座長代理の金子清俊東京医大教授が15日、東京農大で開かれたシンポジウムで「国内対策の見直しを利用された責任を痛感している」と述べ、専門委員を辞任する意向を示したという(http://www.sankei.co.jp/news/050515/sha080.htm)。16日付の日本農業新聞(一面)も同様なニュースを伝えている。
(略)
”両省がこれまで消費者らに「国内対策の見直しと米国産牛肉の輸入再開はまったく別の問題」と説明してきたにもかかわらず、国産の検査見直しに合わせ米国産について「リスクは国産と同等か」と諮問することを疑問視。

 「これまで表向き別の問題と言いながら、結局一体の議論だったことが明確になった」と指摘した上で、「私自身、国内の議論が米国産の輸入再開に利用されるのではないかとの消費者の懸念に対し、それは違うと説明して回った。結果的に虚偽の説明になったことの責任を取りたい」と辞意の理由を話した。”という。
(略)
 なお、金子座長代理は11日付の日本農業新聞のインタビュー記事(「BSE 今後の焦点 中」)で次のように述べている

 ・政府はBSE検査を最初は感染状況の把握と、牛肉の安全性確保を兼ねる「スクリーニング」と位置付けたが、最近のOIE基準見直しをめぐる専門家からの意見聴取では実態調査に絞る「サーベイランス」と説明した。「検査対する政府の方針はいつ変わったのか。国内外での説明がぶれるようでは、消費者の信頼を得るこはできない」。

 ・日本の専門家は、検査が万能でないことは全頭検査の導入時から認めているが、検査が感染状況の把握と安全性確保を兼ねるスクリーニング検査という立場は一貫している。検査へのスタンスが揺らいでいるのは厚労・農水両省だ。検査緩和に対する消費者の困惑は政府自らがまいた種で、専門家に押し付けるのではなく、きちんと対処すべき。

・食品安全委員会と本委員会とプリオン専門調査会の間で意見の違いがあることも問題を複雑にしている。本委員会の一部の委員などはSRMさえ除去すれば牛肉の安全性は確保できると主張しているが、これは人の健康よりも貿易や経済性を重視した危険な考え方だ。それで危険は回避できるという科学的証拠はない。

 ・米国はBSEの感染拡大を防ぐ飼料規制に抜け穴がある。課題は山積み。
それでも政府が「特定部位さえ除去すれば検査をしなくても生後20ヵ月齢以下の牛の牛肉は日本と同等の安全性といえるか」と諮問するなら、「この前提がそもそも成り立つのかを審議する必要があるだろう」。


■食品安全委員会のトリックはちょっとひどすぎますよ(神保哲生さんのブログから)
http://www.jimbo.tv/commentary/000092.php
「(山内)教授ははっきりとこう言っています。「官僚たちに騙された」と。」

===============
なお、米国牛の安全性についての情報を次回またUPしますが、取り急ぎ。。
「米国北部に高度のBSE暴露リスク、米国農務省報告」
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05050901.htm
USDA自らアメリカ北西部でのBSEの危険性を報告
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=277
回収された汚染肉を販売、「もう食べちゃった?」=米消費者団体、規則遵守を要請
http://www.jc-press.com/kaigai/200505/051602.htm

USDA needs to pursue meat disclosure ruleMost recalled meat and poultry
isactually sold and eaten 5-13-05
http://www.consumersunion.org/pub/campaignnotinmyfood/002224.html

Support end to USDA meat recall secrecy!
https://secure2.convio.net/cu/site/Advocacy?JServSessionIdr003=5bdil1d3f1.app14b&page=UserAction&cmd=display&id=521

笹山登生さんの掲示板にその他サイトの紹介をいただいています。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
[1361] Re:[1357] リコールされた汚染肉を売ってもいいとの契約を、
USDAとしている秘密の小売店があるという話ですね
http://www.commondreams.org/cgi-bin/newsprint.cgi?file=/news2004/0331-09.htm
いったい、どういうことでしょうか?

=============
(注)
○山内専門委員 今のイギリスの例に関して、20ケ月齢の牛の場合に、ここでは3か月前だったら、検査で見つかるだろうというふうにEUの報告書は述べてあると書いてありますが、EUの報告書は17か月、もしくは最悪のシナリオでいけば13か月で見つかると書いてあるわけです。私はそのこともこの前の委員会で申し上げましたけれども、なぜか削られてしまっているんです。EUのレポートにはっきり書いてあります。レー・ブラッドレーとオーストリアの神経病理のブドウカ教授2人が書いた報告です。

○金子座長代理 今の2ページの関連の知見のところですけれども、1つは、そこの最後のところですね。「直ちにこの推測が」という、今の先生方がお話された点、私、座長代理などという名前が付いていますので、これは私が全部承認したと思われると誤解を招くと思いますので、一言申し上げますけれども 、これについては私も一度削った文言なんです。ですから、ここで先生方の前でもう一度ディスカッションしていただきたいと私も思っておりますし、その上の20ケ月以下でも検出可能かもしれないというのは、今の北本先生の御意見もそうですし、山内先生もそうですけれども、これはもっと早くてもいいわけです
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai18/161222_dai18kai_prion_gijiroku.pdf

■ちなみに当時報道されなかった専門家の大勢の見解より
2005年1月21日 プリオン調査委員会傍聴記 その1 「20ヶ月齢記載は削除しろ」と委員
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/231654948ea4804c86cc0fd488153063

5月19日貴重な意見が反映されていないということで追加。
○北本専門委員 質問があるんですけれども、その前に1点確認したいことがあります。それは、いつもこの会議に出ていて思うんですけれども、貴重な意見があって、貴重な意見に対してどういうレスポンスがされただろうかと。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai15/161026_dai15kai_prion_gijiroku.pdf

======================
■品川先生も辞意を表明していた。山内先生も遺憾の意。どうする食品安全委員会?
食安委の品川森一先生も6ヶ月前から辞意を表明されていたことが判明しました。

米産牛肉の輸入審議難航も 食品安全委から内部批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000233-kyodo-bus_all

3年半前、プリオニクステストの感度について疑問が噴出したときに、私はその企業に電話して根掘り葉掘り伺ったのですが、そのとき親切に回答くださった方が「品川先生を知らないんですか?あなたモグリですよ何いってるの。品川先生はその世界の検査における第一人者のすごい方なんですよ!」といわれたことを記憶しています。その後品川先生にもお電話でBSEの一連の検査に関する疑問を消費者として伺って、とてもわかりやすく丁寧にご解説くださったことを思い出します。

食安委の傍聴中、品川先生や山内先生が、より検出度の高いWB検査法だけの結果でもBSEと認められている、と何度も否定しているのに、輸入再開に都合のいい「21ヵ月、23ヶ月はBSEではないのではないか」という話をを何度もしつこく投げつけた委員がいて、「ああ、本当にうんざりされてるだろうな」と思ったなぁ。そういえば。私は、食の安全に関して予防原則さえ考えていない人間が委員会に存在すること自体に疑問を持ちました。

そのことで、日本食糧新聞の小野寺節教授インタビュー記事に、面白い件があったのでご紹介まで。

「スイスでOIEのメンバーと議論していたときに、向こうは21ヵ月齢、23ヶ月齢はBSEではないと言い張るので、「では、その肉を持ってきて焼肉パーティーでも開こうか」と言ったら、「それは困る」と言っていました。(笑)」
http://www.nissyoku.co.jp/bse/

山内一也先生も遺憾の意

全頭検査緩和で利用された/食品安全委の山内専門委員
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050520000194
衆議院農林水産委員会は20日、牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しについて審議。参考人として出席した内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会委員の山内一也東大名誉教授は「(行政に)ある意味で利用された」と述べ、同調査会が全頭検査緩和にお墨付きを与える形になったことに遺憾の意を表明した。 山内委員は、全頭検査の緩和によってリスクは増えるが、増え方が極めて小さいという科学的な評価をしただけだとし、全頭検査の有効性を強調した。岡本充功議員(民主)の質問に答えた。 同委員会では、米国産牛肉の肉質や骨格形成で生後20カ月以下と判定する方法についても、与野党双方から「6秒程度の目視で確認できるのか」「サンプルが片寄っており無理がある」などと批判的な意見が出た。


農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」

2005年05月12日 14時59分04秒 | アメリカ牛は安全か?
結局、「危険部位除去」だけでは、BSE対策の要にはなり得ないことがよくわかる記事をUPします。飼料管理がなっていない牛など食べられませんね。20ヶ月以下なら輸入OK、などと適当な回答を作成した「日米実務者会合?」のメンバー個人個人が責任を持って尻拭いをしていただきたいものです。罷免請求とかできないのかな?

■農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」

農水省、OIEに牛肉輸入条件緩和改正案について反対する意見書提出
http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00069841.html
 OIE(国際獣疫事務局)が牛肉の輸入条件を緩和しようとしていることに対し、農水省は反対する意見書をOIEに提出した。OIEはこれまで、BSE(牛海綿状脳症)の発生状況などに応じて、牛肉の貿易に条件をつけていた。しかし、22日から開かれるOIEの総会では、適切な処理をされた骨のついていない牛肉については、無条件で貿易できるとする改正案が提出されることになっている。これに対し、農水省は「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」などとして、この改正案に反対する意見書をOIEに提出した。

ほんとだ、書いてありますよ。
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050511press_1b.pdf
BSE感染牛に由来する骨格筋肉については、脱骨されていても、とさつ及び食肉、処理の工程において蓄積した異常プリオンたん白質に汚染される可能性があるためフードチェーン及びフィードチェーンから排除すべきである。この改正案は、BSE感染牛は完全に処分すべきとの規定を他の部分( 第3 条及び第4 条) で含んでいるBSEコード改正案そのもの及び同様の勧告を含む96年のWHO勧告との整合性がない。
(略)
これに関連して、最近我が国において、と畜場における緊急とさつ牛及び農場における死亡牛のBSE感染牛から、SRM以外の組織( 腰神経等の末梢神経) に微量の異常プリオンたん白質の蓄積が確認されたことに留意願いたい。動物衛生研究所がこれらの組織の感染性を確認するための試験を現在継続しているところである。この試験は2年以内に終了する見込みである。極く限られた科学的根拠が利用可能な状況においては、人と動物の安全を確保するため、より慎重なアプローチが採用されるべきである。(抜粋)

■農水省&厚労省:「①日本側の同じ定義のSRMの除去 ②20ヵ月齢以下の牛肉、内臓③成熟度による月齢証明などを食品安全委員会に諮問

自民党小委員会、米国産牛肉再開の諮問の考え方を了承
http://www.nissyoku.co.jp/
 厚労省と農水省は12日、自民党の動植物検疫及び消費安全に関する小委員会(委員長=宮路和明衆院議員)に米国産牛肉の輸入再開について食品安全委員会への諮問の考え方を説明、了承を得た。昨年10月の日米局長会合の結果にそって、①日本側の同じ定義のSRMの除去 ②20ヵ月齢以下の牛肉、内臓 ③成熟度による月齢証明などで米国農務省(USDA)が認証する仕組み。この仕組みに則した牛肉と内臓について国産のリスクと同じかどうかで諮問する。飼料規制など直接的な諮問事項ではないものについても、食安委に提出する。諮問案は早ければ5月中にも食安委に提出。輸入再開の時期について、宮路委員長は輸入再開時期を明確にしていない。(5月12日11:02)

注:
「消費者団体の担当は、「BSEの原因物質が末梢神経にさえ検出された上に、しかも危険部位を”完全に”取り除くなんてことは不可能だ」と指摘
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c9037118b6ff953ec23f7963de33d244

NHKは「牛の脳やせき髄などの危険部位を完全に除いたり」なんて報道しちゃってますが。
米 牛肉輸入再開案まとめる
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/05/12/d20050512000082.html
これは、12日、開かれた自民党の消費安全小委員会に諮られ、了承されたものです。それによりますと、日米両政府は、日本にアメリカ産の牛肉を供給するアメリカの生産者や食肉処理業者などは、▽アメリカ農務省の認証を受けた上で、▽牛の脳やせき髄などの危険部位を完全に除いたり、生後20か月以下の牛を確実に証明する。▽こうした基本的な規定に違反した事業者については、認証を取り消したり罰則を適用したりすることで、安全性を確保するなどとした具体的な輸入再開の条件をまとめました。その上で、政府は、こうした条件の下で輸入されるアメリカ産の牛肉と内臓が国産牛肉と同じ様に安全かどうかを、今月末にも内閣府の食品安全委員会に諮問することにしています。これと並行して政府は、こうした方針について、13日から今月20日までの日程で全国9か所で国民に説明するとともに、意見を求めることにしています。


■ちなみに当時報道されなかった専門家の大勢の見解
2005年1月21日 プリオン調査委員会傍聴記 その1 「20ヶ月齢記載は削除しろ」と委員
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/231654948ea4804c86cc0fd488153063
なぜ年齢(月齢)にこんなに拘るのか?汚染飼料の性格から多くの場合、生後まもなく感染すると推定され、見かけ上年齢に関連して見えるに過ぎない。厳密には年齢とは無関係で、感染量と感染時期によって検出量に達する時期が決まるのである故にこんな指摘は不見識である(略)

もはや、国をあげての茶番にしか見えなかったりする。

農水省と厚労省が「飼料規制など直接的な諮問事項ではないものについても、食安委に提出する。」というところが、”最終責任”のなすりつけ合い、ってことですかね。

関連
アメリカ牛は本当に安全か? その2 鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/462f08e8cc6a6919618c3b8acbedde00
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb
アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/89c21679c9a1a74908daa94270800649
「アメリカの検査方法に不備」の件
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/7034c7f696e9e525713f729103c2d7ec
昨年2月の食安委の議事録「1993年から米国はBSEに汚染されている」という報告
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/75a1947dbfa842f53eaa2d03873403c4

OIEコード改正:日本が意見提出したものの、専門家指摘と違いがある。なんかおかしいぞ。

2005年05月11日 22時04分01秒 | アメリカ牛は安全か?
4月8日:OIEのコード改正に関する会議・委員の意見をPick UP
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/908c7deb10e4ca1f6f086f7208273d2f
その後、消費者や業界との意見交換会を経て、
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050330press_11.htm
農水省がOIEに意見を提出しました。

OIE/BSEコード改正案に対するコメントについてhttp://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050511press_1.html
しかし、なんかおかしい。。
4月8日、専門家から指摘された「科学」が反映されていない部分があります。

ちなみに行政からは確か「中川さん」「釣田さん」がご出席されてましたが。。
(上記仮訳から抜粋)
==================
特に、(日本は)
① S R Mとして腸全体ではなく回腸遠位部のみを指定する提案を支持する。
( 理由)
提案は、感染性が回腸遠位部のみで確認されており、それ以外の腸では確認されていないという科学的根拠を踏まえたものである
==================

あれーーーーーーーー????、OIEの専門家会議ではこんな意見↓を聞いたはずなんだけどなぁ。。。???どういうことだろう?

★「腸のSRM指定については、”科学的にはリンパ組織があり全腸が危ない”、ということなのに、SRM除去の方法の違いやら、EUが食べない云々などの問題によりコードが改定されることが、大きな問題だ。」
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/908c7deb10e4ca1f6f086f7208273d2f
2005年6月21日追記訂正:この指摘はどうも意味が違うようでした。詳しくは↑に議事録URLをリンクしましたのでご参照。

ご参考までに。農業情報研究所のサイトから腸の安全性についての情報を。
ぜひ、URL全文をどうぞ。
■OIE、腸全体をBSE特定危険部位に 問われるわが国の対応
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04062101.htm
(抜粋)
>これまでにも何回か述べてきたが、ここでもう一度繰り返しておけば、フランス、続いてEUは、回腸遠位部以外の腸にも一定のリスクを認め、腸全体を特定危険部位に指定してきた。EUでも、従来はBSE高リスク国の英国、ポルトガルにのみ腸全体の排除を義務づけてきた。感染性は回腸遠位部にしか確認されていないとしながらも、屠畜の現場でそれだけを的確に摘出できないことを恐れたからである。

 ところが、フランス食品衛生安全庁(AFSSA)が2000年、回腸遠位部以外の感染性も否定はできないとする意見書を出した。①子牛の回腸の感染性は証明されている、②回腸遠位部以外の腸の諸部位も、程度はより低いが、プリオンの増殖が可能なリンパ組織、神経組織を含む。腸のクリーニングも、すべてのこれら組織を除去するには十分でないことが、顕微鏡分析で確認された。③これらの部位がマウスに病気を引き起こさなかったという若干の実験的証拠はあるが、マウスでの実験は牛から牛への実験よりも敏感ではない、というのがその根拠であった。

 EUの科学運営委員会(SSC)は2000年11月、このAFSSAの意見を認める意見書を出した。それは、「腸から作られたケーシング(ソーセージ等の皮)の組織学的分析が回腸以外の部位に神経・リンパ細胞を発見した(しかもケーシングの調整後にも)というAFSSAの新たな情報に鑑み、SSCは腸全体(及びそれから作られるケーシング)が、される動物が感染していることは高度にありそうもない場合でも、特定危険部位と見なされるべきである」と結論した。こうして、フランスに端を発したBSE危機が深まるなか、EU全体で腸全体が特定危険部位とされることになった。

 食品安全委員会は、少なくともこのような意見の正否だけは、しっかりと検討しなければならないはずだ。腸の感染性に関するわが国独自の研究があるとは聞いていない。

 ついでながら、特定危険部位を腸全体に拡大することは、ヨーロッパに大きな負担を課したことも指摘しておきたい。「腸を食する習慣」がないというのは、少なくともヨーロッパについては言いがかりだ。そういう習慣があるからこそ、特定危険部位に指定する必要があった。(略)

=============

なんだかなぁ。。みなさん、どうお感じになります?

5月13日追伸:
昨年4月のOIEコード改正専門家会議での、山内一也委員のご発言です。
「そして消化器系で回腸遠位部のところでプラスでこれは見つかったということです。ただこれで見ていただければおわかりになるとおり十二指腸では調べていますが、回腸近位部は調べていない。」
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/gijiroku.htm
調べていない部位が結構あるみたいですね。調べていないor(昔の)感度の低いテストで陰性=安全とされるのは困りますね。日本の研究者のテスト方法は世界でも進んでいるようですから、ぜひ最新の感度のよいテスト方法で再検査いただき、それら結果を公表いただきたいものです。なお、「パイエル板」についても討論されておりますので、ぜひ全文をお読みください。

===============
余談。これらに関係した、海外報道と日本の報道を比較してみますね。
日本は報道する気あるのかな~と思う今日この頃です。

翻訳ソフトはこちらをどうぞ。
http://www.infoseek.co.jp/Honyaku?pg=honyaku_top.html&svx=100302&svp=SEEK

4月18日の意見交換会のニュース(両方とも共同)
Consumers oppose proposed int'l standard on beef safety
http://asia.news.yahoo.com/050418/kyodo/d89hru9g0.html
BSE対策緩和に批判続出 消費者らが意見交換会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000159-kyodo-bus_all

「Consumer group representatives point out that a causative agent of the disease, formally known as bovine spongiform encephalopathy, was detected even in peripheral nerves and that it is impossible to remove specified risk materials completely. 」
適当訳すると、「消費者団体の担当は、”BSEの原因物質が末梢神経にさえ検出された上に、しかも危険部位を”完全に”取り除くことなんてことは不可能だ」と指摘した。、ということなのですが、この、大事な意見は日本の共同通信の記事では報道されませんでしたね。

さらに頑張れる方はこちらの翻訳もどうぞ。。海外版のほうが詳しいです。
4月8日の専門家会合のニュース
Japan experts concerned about mad cow rule change
http://www.krvn.com/news/agricultural/index.cfm?ID=9187
BSE国際基準で専門会合 OIE総会へ日本案検討(共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050408-00000099-kyodo-bus_all

消費者としての感想を述べれば、どっちにしろ、飼料があやしくて感染の可能性がある牛など、どこの国の牛でも食べたくはありませんね。

昨年2月の食安委の議事録「1993年から米国はBSEに汚染されている」という報告

2005年05月06日 11時57分54秒 | アメリカ牛は安全か?
月刊現代、という雑誌を立ち読みしていたら、
http://moura.jp/scoop-e/mgendai/mokuji/200506/index.html
食安委の中村雅彦委員と、勝谷誠彦さんという方との、”米国産「汚れた牛肉」輸入再開を阻止せよ”というBSE問題の対談があったのですが、その中に、「93年には米国はBSEに汚染されていた、という報告が食安委にされている」と書いてあったので、議事録を調べてみました。

プリオン専門調査会の中間とりまとめ案に引き続くまとめ案ですが、北米からの肉骨粉からの曝露問題など、吉川教授の計算には、まったく入っていなかったですね。これら報告は「なかったこと」になっているんですかね。


==============
平成16年2月20日(金)第5回プリオン専門調査会(抜粋)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai5/prion5-gijiroku.pdf 

○甲斐(諭)専門委員 今のお話とかレポートに、既に何年も前からアメリカはBSEに汚染されたと書いてあるんですけど、何年前ぐらいから汚染されたというふうに考えたらよろしいですか。

○Kihm博士 私どものグループとしては、遅くとも北米大陸は1993年には汚染されていたと思っています。といいますのは、1993年に輸入されたケースがカナダにありました。英国から輸入された牛があって、その牛がBSE陽性でした。現在、私たちのヨーロッパでの経験でははっきりとした信号だと思っておりまして、もう一つの例を挙げますと、ドイツでは1990年から2000年まで6頭から7頭の輸入牛のケースがありまして、ですから1件だけではなくて、ある国に入ってきて、検出されずに、気づかれずに入ってきているわけです。ほとんどは病気が発症する前に屠畜されているのですけど、その後こういったサイクルが始まってしまいます。いい対策をとらない限り、つまり感染のサイクルをどこかでとめるという予防措置が必要です。これはどの程度うまくいくかはわかりませんけど、ほとんどの国ではそういった措置がありません。まず給餌禁止が必要でありますし、しかも効果的な方法が必要です。それも除去する必要があります。世界で、第1例目が発症する前にこういうことをやっている国というのはほかにはありません。私が間違っているかもしれませんですけれども、そういったケースが起こる前に、SRMを除去して国はないのではないですか。あなたの国はどうですか。違いますね。

○甲斐(諭)専門委員 93年から汚染されたとすると、日本でBSEが発生したのは2001年だったのですから、その後は、ミートボーンミールは輸入をストップしていますけど、その前まではアメリカから輸入しているわけですから、93年に汚染されたミートボーンミールが日本にもたくさん輸入されたというふうに考えてもいいのでしょうか。

○Kihm博士 おっしゃるとおりです。除外することはできません、非常に可能性は高いと思います。その可能性を否定することはできません。アメリカにおいての発生率が低かったとしても、その可能性を完全に排除することはできない。そのような部位が日本に輸入されていた可能性を否定することはできません。おっしゃるとおりです。

===============
関連情報は笹山登生さんの掲示板 発言[1254]以降に頂戴しています。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi

4月8日:OIEのコード改正に関する会議・委員の意見をPick UP

2005年04月15日 22時29分53秒 | アメリカ牛は安全か?
4月8日に行われたOIEの会議にて、
先日お知らせした、生きた牛の末梢神経からもプリオンの情報のほか、もう一点重要な点がありましたので、報告を。。(農水省のHPには、まだ資料UPされませんね)
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/bse_j.htm

先生方が質問して、官庁が回答していたのですが、OIEの「侵入リスク」には、鹿のプリオン病のCWDや羊のスクレイピーも含まれるとのことです。とすると、北米はCWDがかなり発生しておりますので、評価上かなり影響があるように私は思いましたがどうなのでしょう。

他にも、こんな内容の意見が出ていました。
★「ピッシングやスタニングの汚染ばかりが触れられているが、背割りや脊髄除去時の汚染も無視できるリスクではない。それらに触れないのは科学的とは思えない」
★「骨付きと骨なしで分かれているが、骨だけに重点を合わせるのがおかしい。骨だけが感染源ではない。末梢神経、副腎など、わからないSRMが見逃されてしまう。昔のままの古い知見による考えが続いているように思う」
★「【輸入国が要求できる】という点は、コードの中に”明記”文面化されているのか?」
★「”アクティブサーベイランス”は、ある程度しっかり汚染状況を調べたり対策を取ってから行われたこと。リスク不明な国でアクティブサーベイランスが機能するか疑問」
★「OIEの提言のポイント制によるサーベイランスだと、例えば米国の場合、ポイントの高い「症状牛」2~3000頭程度の(自己申告)検査でOKとされてしまう。ポイント制は意味をなさない」
★「効果的なフィードバン、の記載について、抽象的すぎる。具体的にどういうことかを記載すべき。自己申告では困る」
★「客観的に評価する機関?が必要」
★「食肉検査に「BSE検査」が入っていない」
★「発症牛と感染牛の扱いの違いがわからない。OIEの理論でいうと、日本の感染牛はすべて発症前なのだが。」
★「症状のない牛を真面目に検査している国のほうが、検査頭数が少ない国より不利になるのはおかしい」
★「健康牛の有病率こそが大事になってくる。日本の蓄積したデータを出すことが大切」
★「30ヶ月区切りには科学的根拠はない」
★「OIEのサーベイランスの診断方法は診断マニュアルがあるが、IHC,WBなど、検査方法に何の方法を使うかがはっきりしておらず、各国だのみ」
★「SRM除去については、評価の異なる国によってSRM除去要求の有無を分けるのはやめるべき。プリオンが肉骨粉になり、グローバルな輸出入で、世界中にBSEが広まる可能性がある。米国はアジアにかなり肉骨粉を輸出している。SRMは30ヶ月以上は全頭取るようにしたほうがいい。」
★「腸のSRM指定については、”科学的にはリンパ組織があり全腸が危ない”、ということなのに、SRM除去の方法の違いやら、EUが食べない云々などの問題によりコードが改定されることが、大きな問題だ。」

2005年6月21日訂正。この腸の話は、ちょっと違うニュアンスで言われていたみたいです?議事録が出たのでご覧ください。
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/h170408gijiroku.pdf
しかしながら「回腸近位部」なんかは「調べたことがない」んだそうです。それじゃ「感染性不明」が正解ですよねぇ。
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c9037118b6ff953ec23f7963de33d244

なお、委員会の中には消費者代表の方もおられましたが、ぜひ消費者の代表として、がつん、と言っていただきたかったのですが、今回発言がございませんでした。

OIEのコードの位置づけについての政治的な側面からは、
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
[1046] Re: OIEのコードの位置づけについて
[1049] もっと娑婆臭くOIE基準をみてみると
掲示板のご投稿をご参照。。。

アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている

2005年04月12日 14時53分16秒 | アメリカ牛は安全か?
昨年の、米国最大食肉加工企業のタイソン社労組の内部告発や農水省への陳情書提出、米国食肉検査官組合の告発などに引き続き、米国は内部告発が続いているようです。


■(4/9)「米農務省はBSE秘匿の疑い」元食肉検査官が告発
http://health.nikkei.co.jp/bse/child.cfm?i=2005040904373bs&c=0
現地時間の4月12日に、カナダで公聴会と、プレスカンファレンスがあるそうです。
詳細は【笹山登生の掲示板】の発言[1022]に翻訳や情報をいただいております。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi


■BSE問題 米・現役食肉検査官が「ずさんな実態」を初証言 
4/11 NNNニュース
http://www.nnn24.com/33932.html
NNNニュースさんのスクープのようですね。記事を抜粋。

 BSE問題に関連して、アメリカ農務省の現役食肉検査官がNNNのインタビューに対し、「食肉処理場の検査体制はずさんである」と具体的に証言をした。現役の検査官がテレビカメラの前で、このような証言をしたのは初めて。 食肉処理現場のずさんな実態を証言したのは、牛の月齢判別や危険部位の除去などが適正に行われているかを監視する農務省・食品安全検査局の現役の食肉検査官。検査官は「米国内で本来、食肉として処理されてはいけない、月齢30か月以上の牛の危険部位が処理される場面をこの2日間だけでも2度目撃した」と述べた。また、処理場の従業員の多くが、まともな訓練も受けないまま、月齢判別などの現場を任されているため、間違いや見過ごしが日常的に起きていると述べている。さらに、間違いや見過ごしを指摘した場合にも、処理場や農務省の幹部にはとりあってもらえず、現場の検査官の権限がほとんど生かされていないと訴えている。その上で検査官は「処理業者が、農務省に指図をするという構図にはもううんざりだ。結局、業者は検査官をなるべく排除しようとしているんだから」と述べた。 今回の取材に応じた検査官以外にも、農務省の基準が守られていないと主張する現場の担当者は全米で声を上げ始めている。(以下略・原文をどうぞ)

関連
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb
アメリカ牛は本当に安全か? その2 鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/462f08e8cc6a6919618c3b8acbedde00

複数の生きた牛の末梢神経からもプリオンが検出されていた

2005年04月11日 18時12分35秒 | アメリカ牛は安全か?
■「OIE/BSEコード改正に関する専門家会合」を傍聴しての情報

4月8日、金曜日に傍聴してきました。まとめる時間がなく、一つだけトピックを。。(私は聞いて仰天しましたが)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/03/h0330-3.html

向かって、横山先生の左隣におられた先生(お名前未確認、食安委委員ではない方)の発言です。品川先生が、死亡牛の末梢神経からプリオンの話をされたときに以下のような主旨のご発言をされました。

「末梢神経からプリオンが出たのは、死亡牛だけではない。複数いるのだ。他に、神奈川で発見された2頭の健康牛の末梢神経からも検出されている。」(官庁側が確認したら「起立困難」でしたが、いわゆるBSEの症状、とされているものではない生きた牛からも検出)

つまり、厚労省が以下Q&Aを作成している死亡牛
http://www.mhlw.go.jp/qa/syokuhin/bse/041101.html
以外で、検査を通れば食肉の対象となる牛?(起立不能も検査でOKだったら食用となるのでしょうか?)の陽性牛の末梢神経からも検出された、ということです。
===============
http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0308-1.html#22q2
■5頭目 平成14年8月23日確定
出生日 平成7年12月5日(80ヶ月齢) ホルスタイン種(雌)
神奈川県伊勢原市(神奈川県伊勢原市) 神奈川県食肉衛生検査所
(国立感染症研究所) 起立不能・股関節脱臼・両側前肢関節炎・乳房炎・熱射病
WB法 + 免疫組織化学検査 + 病理組織検査 -

■10頭目 平成16年2月22日確定
出生日 平成8年3月17日(95ヶ月齢) ホルスタイン(雌)
神奈川県秦野市(神奈川県平塚市) 神奈川県食肉衛生検査所
(国立感染症研究所) 起立困難・股関節脱臼
WB法 +  免疫組織化学検査 +  病理組織検査 +
===============

この話を聞いて、私は先日、某プリオン調査会委員から伺った、「体の極々一部、脳幹をちょっとしか調べていない検出限界ギリギリの高齢牛を食べるなら17ヶ月などの若牛を未検査で食べるほうがまだまし」という話が現実的に感じました。(少なくとも、高齢の、飼料対策実施前の牛の食用はやめるべきではないか?)なお、品川先生が、「若い牛の筋肉などの組織を調べたくとも、検体が手に入らないのです」、といわれてましたが、厚労省の発表を見ても「この牛の食肉、内臓等、当該牛に由来するものは、焼却処分とするため、市場には流通しません」だし、そんなことを言っている場合じゃないだろう、全部研究機関に回すことにすべきだろう、とつくづく思いました。

これに対して、厚労か農水の担当者が「その検出されたプリオンに感染性があるのか?そこがOIEで問われる問題」といわれていましたが、感染の有無の確認はマウスを使ってあと2年はかかる、と品川先生が言われていました。

私としては、50mgでサルが感染した以上、感染の有無も何も、WHOの「全ての感染牛の組織を食物連鎖から排除すべき」と考えるのが「普通の考え方」だと思いましたが。。

しかし、この情報、公式にはない、他のメディアにも出ていない最新情報ですよね。(^^; 先日の会議報告でどこかのメディアさん、報道されましたでしょうか?



昨日28日プリオン調査会の感想と、「アメリカの検査方法に不備」の件

2005年03月29日 08時51分16秒 | アメリカ牛は安全か?
■昨日28日の、注目のプリオン専門調査会の感想
傍聴感想は、笹山登生さんの掲示板の発言[884] 以降にご報告をさせていただきましたのでそちらをご覧ください。(本日以降にこのページにも抜粋UPいたします)
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
調査会:資料と議事録掲載のページ
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html


■「アメリカの検査方法に不備」の件
米国の消費者団体:コンシューマーズ・ユニオンが、米国で行われている検査方法の不備について、農務長官にクレームの手紙を出したようです。
http://www.consumersunion.org/pub/campaignnotinmyfood/001931.html
それによると、米国は、BSE牛の確定検査において、EUと日本で行われている「ウエスタンブロット」法を行わないで、最近ベルギーと日本が指摘した、BSEを見逃す可能性があるという免疫組織化学(IHC) テストだけ?をしているとのことです。

「実際、USDAは、2003年12月の狂牛病の1頭目の確認検査で、IHC(免疫組織化学法)およびウエスタンブロット法の両方を使用しました。USDAは、ウエスタンブロット法は確定検査上重要と認識があったようですが、なぜ、USDAが2番めの疑惑牛において、IHC(免疫組織化学法)と共に再び、ウエスタンブロット法を使用しなかったのかが疑問~」、といわれているようです。私も非常に胡散臭く感じてしまいます。厳密な内容を確認されたい方は直接原文をご確認くださいませ。

ちなみに、
米国の検査および発表方法に対する各州の動きについて、以下のような報道があります。
Keeping meaty secrets
http://www.rapidcityjournal.com/articles/2005/03/15/news/agnews/top/news01.txt

【日本の確定検査方法】
http://www.pref.shizuoka.jp/kenhuku/kf-18/bse/bsekensatejun.htm
1次検査のエライザ法で陽性になった後、確定検査において以下の3つを行います。
・ウエスタンブロット法
・免疫組織化学法
・病理組織検査


参考:厚労省
Q2:日本でのBSE発生状況はどのようになっていますか? より
http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0308-1.html#22q2

余談:下記、発生状況のまとめを拾ってきました。私は「乳牛」および「発生の多い地域」についての解析も、今後の対策のために必要なのではないかと思いましたが。

■BSE感染牛:生産地(育成地)
Q2:日本でのBSE発生状況はどのようになっていますか?
http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0308-1.html#22q2
北海道佐呂間町(千葉県白井市)
北海道猿払村(北海道猿払村)
群馬県宮城村(群馬県宮城村)
北海道音別町(北海道音別町)
神奈川県伊勢原市(神奈川県伊勢原市)
北海道標茶町(和歌山県粉河町)
北海道湧別町(北海道網走市)
栃木県大田原市(福島県双葉郡葛尾村)
兵庫県氷上郡(広島県)
神奈川県秦野市(神奈川県平塚市)
北海道標茶町(北海道標茶町)
熊本県泗水町(熊本県泗水町)
北海道士幌町(奈良県新庄町)
北海道鹿追町(北海道鹿追町)
北海道中川郡本別町(北海道中川郡本別町)
北海道天塩町(16頭目)

上記より:
■陽性死亡牛の出生地  
http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0308-1.html#22q2
平成16年3月9日 北海道標茶町    平成8年4月8日生(94ヶ月齢)
平成16年10月14日 北海道鹿追町    平成12年10月8日生(48ヶ月齢)
平成17年2月26日 北海道中川郡本別町 平成8年8月5日生(102ヶ月齢)

以下追記予定(明日になるかも?)
委員会後、ある先生にお話を伺うことができましたので、後ほど、まとめさせていただきます。しかしブログに公開するとは伝えてませんから、個人名は出しませんが。

米:NYタイムズ紙が社説で「飼料管理、きっぱり改善すべき・必要なら全頭検査も」と主張

2005年03月19日 07時42分56秒 | アメリカ牛は安全か?
ライス長官が来日、日本には牛の輸入再開を強く迫っているようですが、足元の本国では、米国牛
の安全性に対する疑問が噴出しているようです。3月15日のニューヨークタイムズの社説が紹介
されてました。

■NYタイムズ紙が社説で「飼料管理、きっぱり改善すべき・必要なら全頭検査も」と主張

【ワシントン=浜谷浩司】米紙ニューヨーク・タイムズ十五日付は社説で、
牛肉貿易を再開する「唯一の責任ある道」は牛の検査だと述べ、「必要なら全頭検査も行うべき」
であり、「BSE(牛海綿状脳症)のまん延につながるようなエサの与え方をきっぱりとやめるべ
きだ」と、政府にBSE問題の根本的解決を迫りました。また、日本への牛肉輸出より米国内での
牛肉の安全性の方が重大だと指摘しました。社説は、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者が
一人でも現れ、カナダ産か米国産の牛肉を食べたことが原因だとされれば、業界に「計り知れな
い」打撃となることを指摘。米政府が「科学的な立場だ」と宣伝する考え方については「一連の仮
定を置いたものにすぎない」「すべての牧場主、政治家にとって受け入れられないギャンブルだ」
と批判しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-03-18/01_02.html

笹山掲示板[791]にて原文のご紹介がありましたので抜粋させていただきます。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
アメリカが牛肉の国際貿易を再開できるただひとつの責任ある方法は、牛の健康を保障することである。
そして、それを可能とするただひとつの方法は、必要とあれば、すべての牛を検査することであ
り、BSEを広げうる飼料供給慣行を、無条件に終結させることである。」
The only responsible way to resume international trade in beef is to
ensure the health of the cattle. And the only way to do that is to test the cattle - all
of them, if need be - and to bring a categorical end to the feeding practices that can
spread mad cow disease.

http://archives.foodsafetynetwork.ca/fsnet/2005/3-2005/fsnet_march_15.htm
The merry-go-round of beef
http://www.etaiwannews.com/Opinion/2005/03/16/1110937348.htm
NYTimes本家サイトの原文はこちら(閲覧には無料登録が必要)
http://www.nytimes.com/auth/login?URI=http://www.nytimes.com/2005/03/15/opinion/15tue3.html&OQ=nQ3DTopQ252fOpinionQ252fEditorialsQ2520andQ2520OpQ252dEdQ252fEditorials&OP=17ef5c02/7CWQ3F7EjZfmjjQ24373NNQ2B7NQ277(Q2B7jKh0hj07(Q2BQ24!WQ27@tQ24DQ5D
※本家サイトURLを掲載せずご迷惑をおかけしました。(3月22日)

■R-CALFがワシントンポストに”ハイリスク・カナダ牛製品”問題について広告

写真付。
http://www.agribusinessfreedom.com/email/RcalfWPostAd.jpg
http://www.cattlenetwork.com/content.asp?contentid=4256
R-CALF(米国牧場主・肉用牛生産者行動法律財団)とは、中小の生産者を中心とする団体です。昨
年「中堅食肉会社のクリークストーン、ゲートウエイ、R-CALFの3団体で、自主的なBSE全頭検査を
10月1日から開始できるよう求める書簡を連名でUSDAに提出」して、却下された経緯があります。

http://www.yamabiko2000.com/poli_bse-chousadan.html
”high-risk Canadian beef products”」と広告にあります
が、2002年には170万頭、カナダから牛を輸入していた米国は、どう考えてもカナダと一心同体
BSE対策の徹底をお願いしたいです。


■プリオン専門調査会:吉川泰弘座長へのインタビュー

東京新聞3月18日の記事。Q&A形式。まったく、頼りにならない報道をする新聞があるなかで、東
京新聞の記事には時々、鋭く、奥が深いものがあります。ところで、吉川座長曰く「聞かれ方で答
え方も変わる」のは勘弁。常に先を見越して悪用されぬよう願いたい。ぜひ全文をどうぞ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050318/mng_____kakushin000.shtml


■米牛輸入再開の諮問内容から飼料管理、危険部位除去と月齢判別法を除外

政府が、米国産牛肉の輸入再開条件に関し、食品安全委員会に諮問する事項
から、最大の懸案と見られていた肉質で牛の月齢をどう正確に判定するかや、BSE(牛海綿状脳
症)感染源となる肉骨粉の混入防止策などが除外される見通しであることが18日、明らかになっ
た。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050318-00000105-yom-bus_all
BSE対策で一番大事な問題を諮問から全部はずすようで、理解不能なのですが。。(^^;「危険部
位が除去された(ことが前提の)肉の検証」とはあきれちゃいます。こんな無意味な諮問だけで済ま
すとしたら、食品の安全を守る委員会の存在意義が問われてしまいますね。
「肉骨粉の混入防止策」「危険部位の除去」については、それ
では一体、誰が科学的に調査、評価をするんでしょう。。ますます消費者の不信の火に油を注ぐよ
うなことをして、どう収拾をつけるつもりだろう。純粋に、疑問です。


■BSE原因物質、食品色素で抑制・国立精神・神経センター

本文参照。これは牛エキスや牛脂にも活用できるといいのですが。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050318AT3K1800A18032005.html

”銅クロロフィリンナトリウム”をgoogleで検索。
http://www.google.com/search?q=%E9%8A%85%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0&hl=ja&lr=&c2coff=1&sa=N&tab=iw


■石原農林水産事務次官記者会見概要

( 平成17年3月17日(木) 14:00~14:12 於:本省会見室 )
http://www.kanbou.maff.go.jp/kouhou/050317jimujikan.htm

アメリカ牛は本当に安全か? その2 鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?

2005年03月15日 20時06分00秒 | アメリカ牛は安全か?
早期再開の期限を区切れなどと、ますます政治的圧力が高まってきているようですが、本日の毎日新聞に重要な情報がありました。

■BSE:「飼料検査は不十分」米会計検査院が指摘
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20050315k0000e010088000c.html
(抜粋)「米国は97年に牛に肉骨粉の混ざった飼料を与えることを禁じたが、報告書によると、FDAは飼料工場など約1万4800施設を検査したものの、いったん検査を受けた施設の2割(約2800施設)は少なくとも5年間、再検査を受けていなかった。GAOは「このうち数百の施設は、潜在的にBSE感染の高いリスクがある」と指摘している。 さらに、ある飼料工場では、製造工程のミスで約1年にわたり肉骨粉が飼料に混入し、流通していた。工場はFDAの指摘を受け、自主回収したが、FDAは米農務省に事実関係を報告していなかった。 GAOは02年の報告書で、FDAに体制の改善を促しており、今回の報告書は「改善はしたが、実効性に限界のある状態が続き、米国の牛をBSE拡大のリスクにさらしている」と指摘した。」
★その他GAOが指摘した問題点は下記掲示板発言[754]も参照。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi

■鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?国会議事録から
平成17年02月24日 衆議院 農林水産委員会 2号の議事録に非常に興味深い討論がありました。
http://kokkai.ndl.go.jp/
★(抜粋)「そのショートプレートというのは、通称吉野家カットといって、牛丼になる部分です、これは。そこに何と書かれておったかというと、糖みつ飼育の若姫牛と書かれておった。糖みつ飼育の若姫牛。 糖みつ飼育というのは、大臣わからないかもしれない。これは、鶏ふんを牛に食べさせる。アメリカで行われているんです。そのときに、鶏ふんを牛がなかなか食べないから、もう臭いし、おいしくないし。どうして食べさせるかというと、糖みつをかけて食べさせているんです。これはアメリカで行われています。」
当日のBSEに関する議事録の全文が抜粋されている掲示板投稿↓
http://www.asyura2.com/0403/gm10/msg/559.html

下記は昨年2月9日のニュースからのようですが、鶏に牛の肉骨粉を与えることは今は「法的には」禁止されたのでしょうか。

★(抜粋)「米国は、1990年代に雌牛の体の部分を牛の飼料に使うことを禁止したけれども、まだ、雌牛から出た残骸処理物を豚と鶏に与えるのを許している。そして、今度は、豚と鶏の残骸処理物が牛に与えられている。批判者達は、この堂々巡りが、理論でいっても、狂牛病をグルットめぐって牛へもたらす事になる、と言っている。」
http://www.bm-sola.com/bmw/ecowatch/20040209kyougyuubyoutobeikoku.html


■米国上院議会のCantwell議員が指摘する飼料管理の穴
http://cantwell.senate.gov/news/releases/2004_04_19_madcow.html
BSEの蔓延を防ぐために一番重要な飼料管理問題、その穴を指摘する議員が独り、孤軍奮闘されているようです。他の議員は何をしているんだろ。。。

■サルは50mgで感染(危険部位除去だけで対応できるのか?)
先日、サルが5gで感染したという論文が話題になりましたが、実験だと50ミリグラムでも感染したというデータがあるそうです。牛は1ミリグラムで感染しますが、こうなってくると、果たして種の壁がどれほどあるのか、疑問に感じてきます。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/medical/news/20050219ddm016100041000c.html
「過去の動物実験では、猿に異常プリオンを経口投与したところ50ミリグラムで感染したデータがある。」
※上記、50mgの方は、経口ではなく脳内接種だったとのことで、経口の最小単位実験は現在5mgで、現在進行中とのこと。詳細は下記をごらんください。
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/232173555f4f3768bc4a077b307e042e


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=15733719
http://www.vegsource.com/talk/madcow/messages/93984.html


■牛肉輸入再開 安全重視が8割
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/03/15/d20050315000016.html
NHKは、3月11日からの3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で、世論調査を行い、57.5%にあたる、1202人から回答を得ました。それによりますと、アメリカ産牛肉の輸入再開問題をめぐって、日米両国政府が、生後20か月以下の牛に限って、BSE検査をせずに輸入を再開する方針を示していることについて、賛否を尋ねたところ、▽「賛成」が16%、▽「反対」が75%でした。そして、ブッシュ大統領が、小泉総理大臣に対し、アメリカ産牛肉の速やかな輸入再開に向けた指導力を発揮するよう強く促したことに関連して、政府の対応を聞いたところ、▽「安全性を重視するため専門家の議論がまとまるのを待つべきだ」が84%、▽「アメリカに対して、できるだけ早く輸入再開の時期を示すべきだ」が9%となっています。(以下略)

関連
アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/89c21679c9a1a74908daa94270800649
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb


BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)

2005年03月05日 10時41分42秒 | アメリカ牛は安全か?
いくつか最新&過去の[BSE]ニュースをピックアップしてきました。


*◆生きたままでBSE判定 血液採取、感染を早期発見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050305-00000020-kyodo-soci
 生きている牛の血液を採取し、牛海綿状脳症(BSE)の感染を短時間で調べる装置の開発を、北海道大電子科学研究所の田村守教授(生体分光学)らのグループが進めている。夏ごろまでの完成を目指しており、感染牛の早期発見や、これまで難しいとされてきた若い牛の感染確認に役立つことが期待される。(略)

*◆東大・伊藤ハムなど、25分でBSE診断のチップ開発
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050304AT2G0401204032005.html
 東京大学は4日、東北大学や伊藤ハムと共同で、BSE(牛海綿状脳症)の疑いがある牛を短時間で安価に調べる診断チップを開発したと発表した。検査時間は25分で従来の6分の1に短縮。検査コストも10分の1程度に削減できる。東大などが設立したマイクロ化学技研(川崎市、渡慶次学社長)が、1年以内の実用化を目指す。 (略)
http://www.asahi.com/science/update/0305/001.html
(抜粋)研究チームの北森武彦東京大教授によると、抽出も含めた1回の検査時間は、現行の約3時間から25分に、必要な組織の量はスプーン1杯程度から耳かき1杯程度に減る。一方、異常プリオンの検出感度は10倍ほど高くなるという。技術的には、1枚のチップで最大32頭分を同時に検査できる。ポンプや読み取り装置を含めたシステムを貸し出し、チップを1枚数千円で販売する考え。

*◆英国研究者、CJD伝達リスクを大きく減らす手術具洗浄剤を開発
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05022502htm.htm
BBC Newsによると、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの研究者が手術でクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が伝達する可能性を減らす洗浄剤を開発した(Breakthrough in cutting CJD risk,BBC,2.25;
http://news.bbc.co.uk/2/low/uk_news/4296467.stm)。年末には利用できるようになるという。(略)手術具を溶液に1時間浸けるだけでよい。年末までには、病院で使える溶解性のる安価なタブレットを作るという。

洗浄剤はぜひ歯科や内視鏡の世界でも活用してほしいですが、できればコンタクトの洗浄にも応用できるといいです。コンタクトレンズ屋さんの購入時のフィッティングレンズ(度数を合わせるための調整用レンズ)は使いまわしがあるようで、眼、角膜は危険部位なので、洗浄の方法など気になっています。

*◆「重要なBSE検査怠る」と米農務省を批判=米消費者団体
http://www.jc-press.com/kaigai/200502/022501.htm

*◆危険部位 混ざる恐れ 米の検査官労組が告発
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-02-18/01_01.html
「ペインター議長の告発文書から」 というタイトルで翻訳文が記載されています。

*◆ローカル556(米国最大手食肉加工企業労働組合)から農水省への申し入れ
http://www.labornetjp.org/labornet/worldnews/namerica/usnews/20040720local556doc
この陳情書は、昨年7月中旬のもので、SRM除去がまともになされていないという告発内容ですが、その後どうなりましたでしょ?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★

EUの米国に対するBSEの評価
*◆2月10日 食品安全委員会 本会議の資料に、EUの地理的BSE評価の翻訳がありましたのでご紹介。。
http://www.fsc.go.jp/iinkai/i-dai81/dai81kai-siryou4.pdf
http://www.fsc.go.jp/iinkai/i-dai81/index.html

★BSEの感染性の増幅を防止できる要因
 ・サーベイランス
 ・SRMの除去
 ・化製処理(レンダリング)
 ・フィードバン(飼料規制)

=========
【フィードバン→Not OKの場合】 
 「意図的な給与が行われている場合が可能性があるか、牛飼料が交差汚染を受けている可能性が高い」
【化製処理→Not OKの場合】
 「高リスク材料も低リスク材料も化製処理時に133℃・3気圧・20分の加圧処理されていない」
【SRMの除去→Not OKの場合】
 「SRM又は死亡牛が化製処理され、飼料原料として使われている」
=========
★BSE安定性の水準→ 3つともNot OKの場合 

【安定性】 システムはBSEの感染性を増大させる
【水準】   極度に不安定
【BSEの感染性に対する効果】 非常に急速

欧州食品安全局(EUの機関)の米国対象の評価(翻訳)
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/document/gbrus04.htmによると、米国は3つともNot OKです。改善をお願いしたいです。

==========
なお、給食とベビーフードにかかわる、公衆衛生上重要なニュースですが、英語のままで、翻訳がなく、日本では配信されていません。日本の給食は小麦などでも質の悪いものが使用されている(予算上あまり良質なものが使えない?)などという話を以前耳にし、気になるニュースなので、UPします。

*◆BSE 'may have entered baby food in 70s'
http://society.guardian.co.uk/health/story/0,7890,1430268,00.html

*◆CJD deaths linked to school meat
http://icwales.icnetwork.co.uk/0100news/0200wales/tm_objectid=15251493&method=full&siteid=50082&headline=cjd-deaths-linked-to-school-meat-name_page.html


3月7日追伸。京都女子大学現代社会学部 平川研究室Blog でもこの問題を取り上げてくださってますね。ありがたいです。
http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~hirakawa/diary/archives/200503/050006.php

BSE:20ヵ月齢の区切りはプリオン専門調査会で否定されたのだが

2005年02月01日 06時57分18秒 | アメリカ牛は安全か?
さてさて、BSE以前に、あなたはこんな衛生状態の「食品」、召し上がれます? というか、日本へ輸出していた企業なので、我々、今まで食べていた可能性があるんですがね。 まぁ、お読みくださいこの告発陳情書。
ローカル556(米国最大手食肉加工企業労働組合)から農水省への申し入れ
全告発内容はここ ちなみに、へたり牛食用禁止は2003年12月末からとか。それ以前の在庫がまだあるようで、吉野家が牛丼イベントを開催するそうですが・・・・・


BSEの話に戻ると、何ヶ月だろうが、感染牛のすべての組織は食物連鎖に入れるべきではないのですが(中間とりまとめ案に掲載されたWHO見解より)、何を仰っているんだか理解不能の記事がありました(末段参照)。

危険部位除去がまともに行われていない、と検査官労組から”内部告発 ”があった上に、”血粉を飲み、交差汚染のリスクをはらむ怪しい牛を(20ヵ月以下だからと言って)人に食べさせるなんて事態は避けていただきたいものです。猿(霊長類)の実験では5gの脳を”食べさせて”、5年後に発病したそうですよ。牛は0.001g=1mgでも感染したわけですが、霊長類も、もっと少量で実験したらどうなりますかね? 大体、末梢神経(肉中にも当然存在する神経)からもプリオン検出炎症臓器の肝臓(レバー)やら腎臓にも蓄積、などという新しい知見が続々と伝えられる中、危険部位(SRM)除去という概念さえ怪しくなってきましたよ。(注:動物の慢性炎症は目で見て確認できないとか

さらに心配なのは、輸血で変異型ヤコブ病(vCJD)が感染することがわかってきたことです。この病気の怖いところは、輸血、内視鏡、歯科、手術などで感染拡大が危惧されていることなのです。(次回詳細をUPします。)

日本は血液製剤を米国から輸入し続けています。ですので、食の安全・輸入再開問題だけに囚われず、医療での感染を防ぐために、米国にまともな対策を講じるように申し入れをしてもらわねばなりません。

話は変わりますが、輸入再開シュプレヒコールをあげている団体さんが、「日本の基準は国際基準に外れてる」なんていうのを耳にしますが、米国牛輸入をストップしているのは昨年12月時点でも55カ国にものぼるんですよ~。ちなみに農水省が過去、EUの忠告を無視したために日本にBSEを蔓延させたというイワクのある、欧州食品安全局(EUの機関)の米国対象の評価が昨年に出たんですがね、NOT OK の嵐なんですよ~。話を誤魔化されないように、ご注意あれ。

ところで、その書簡とやら↓を公開していただきたいですね。なにせね、過去の共同通信のBSE報道を振り返っても、例えば、2時間半予定の審議会開始18分後に、その日の会議内容を配信、続報なし、とかされてますので、どうも共同さんのBSE報道は眉唾の記事が多くて。。。


★★★牛肉は2国間協議で決着を 農相、米農務長官に書簡★★★
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050131-00000203-kyodo-bus_all
 牛海綿状脳症(BSE)の発生に伴い禁輸となっている米国産牛肉について、島村宜伸農相がジョハンズ米農務長官に対し「日米2国間の話し合いで決着を図りたい」とする書簡を送っていたことが31日、明らかになった。
 日米は昨年10月、生後20カ月以下と確認できる若い牛の肉を部分解禁する大枠をまとめており、その基本方針を再確認するとともに、世界貿易機関(WTO)などの場で争うことにならないようけん制するのが狙い。
 書簡は、ジョハンズ新長官の就任に対する祝辞として1月下旬に送り、BSEの安全対策については、専門家による科学的な検討を重視する日本側の基本姿勢を伝えた。
(共同通信) - 1月31日20時30分更新

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