ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

Kenndy School CommunityとJapan Caucus(その3)

2007年12月10日 | ケネディスクールのイベント

  ケネディスクールに所属する学生の国籍が如何に多様であっても、それで自然と「国際色豊かな」大学が創られる訳ではありません。

 クラスのディスカッションにしても、言葉のハンディを抱える留学生たちが留学生ならではの視点で貢献するには、Home Groundで戦っているアメリカ人以上の準備をしてクラスに臨むことが必要不可欠。さもなければ、ディスカッションは自然とアメリカ人中心のものとなってしまいます。

 このことは大学全体の雰囲気も同じ。留学生が単にケネディスクールに「居る」のではなく、多様な文化や価値観が交差するエキサイティングな空間を自ら創り出す主体となって行動していること・・・

 これがケネディスクールというコミュニティーの深みと国際色を増す源泉となっているのです。

 ケネディスクールで学ぶ24人の日本人全員が所属するJapan Caucusもこうした活動の担い手の一つ。今年は「Project Team形式」で「思いつきを行動に移す」仕掛けをつくり、今までにないイベントを次々と計画・実施しています。

 その一つが、通称「C-J-K」とよばれる日中韓共催のイベント

 既にこのブログの中でも幾度も触れましたが、アメリカに来て一番気持ちを楽に付き合うことができるのがやはり中国人・韓国人の友人たち。言葉や文化の壁を共有していることもあってか、すぐに意気投合することができるのです。一方で、この3カ国の間には、歴史問題という非常に複雑で感情的な問題が横たわっているのもまた事実。

 例えば一昨年、ケネディスク-ルに所属する中国人学生と日本人学生との間で歴史問題に関する対話の機会を設けたものの、結局喧嘩別れに近い状態で終わってしまった、という話も聞きます。

 こうした中、政治や歴史の話は置いておいて、まずは様々なオフ会を一緒に企画していくことを通じて、お互いの信頼関係と友情をより一層深めていこう、ということで始まったのがC-J-Kのイベント

 10月中旬には初めての日中韓の新入生を歓迎する飲み会を3か国の学生のみで実施。そして11月の末にはそれをさらにスケール・アップして、ケネディスクールの全学生を対象に日本・中国・韓国の学生たちがそれぞれの家族の力も借りて、「3か国の伝統料理持ち寄りパーティー(Potluck Party)」を実現。

 広い机に敷き詰められた色取り取りの料理は圧巻でした。

   

 日中韓の伝統料理、しかも手作りの料理をたったの5ドルで食べ放題!という企画に魅せられてか、普段パーティの開始時間に大幅に遅れてくるアメリカ人学生達も、時間きっかり大勢詰めかけ、総勢60人~70人の大賑わいとなりました。

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 次に盛り上がったのが、これまたプロジェクトの担当者が課題に追われる中で奔走して創り上げてくれた「これぞ日本!」というイベント。

      

 Karaoke Night」。

 ビラに載っているのは、前回のKorea-Japan Tripで「カラオケ王」の名を欲しいままにし、ケネディスクールに長渕剛の「とんぼ」を流行らせた僕の良き友人。 

 Korea-Japan Tripの盛り上がりを再現し、「日本風Public Speech」?の威力を見せ付けるべく当日はカラオケ・バーを貸し切りました。アメリカ人は思った以上にカラオケ好き。期末試験直前の時期であり、また大学からバスで行かなければならない場所であったのにも拘わらず、当日は30人ほどが参加し英語・日本語双方の歌で盛り上がりました。

    

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 今学期はこの他にも映画「千と千尋の神隠し(Spirited Away)」の上映会、日本の様々な側面を紹介するメールマガジン「Discover Japan」の発行等、様々なイベントを通じてケネディスクールで学ぶ将来のリーダー達に向けて日本を発信してきました。

 さらに、ケネディスクールの日本人OB/OG組織であるKSGJ(KSG Club of Japan)の皆さんが、ケネディスクールを志願される方々向けに先日(12月9日)に東京で開催された「ケネディスクールへの留学を検討されている方への説明会」の場に現役生からのVideo Letterを作成してお届けしました。手造りの質素な品物でしたが、今後ケネディスクールに出願を検討されている皆さんのお役に少しでも立てたのであれば何よりです。

 そして最後に今年も一大イベント、Korea Japan Tripがやってきます。12月4日に実施した第一回Information Sessionを皮切りに来年の春休みに向けて準備が加速しています。

 ケネディスクールに所属する日本人24人が、それぞれの強みや興味を活かして次々とイベントを実施するJapan Caucus

 僕自身、通常のコースロードだけでなくPAE(修士論文)作成作業も加わり、本業だけでも厳しい状況ですが、我らがコミュニティーであるケネディスクールをさらに深みのある場所とするために、そして一人でも多くの「日本ファン」を作るために、卒業まで精いっぱい活動していきたいと思っています。

 

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