ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

Welcome to the Kennedy School !!

2007年09月04日 | ケネディスクールのイベント

 

  John F. Kennedy Forumの壁に掲げられた約80の国旗。その下に集うのは“To make this world better place”という共通の理想を胸に抱きつつ、これまでそれぞれが培ってきた世界観、職業観、そして人生観をさらに深め、広げるべく、多様なバックグランドをひっさげて世界中からやって来た、211名のケネディスクールの新しい担い手達です。

 "Welcome to the Harvard University, John F. Kennedy School of Government!!"

というMcCarthy学部長からの歓迎のメッセージで始まった入学式を、僕は仲間と作ったClass AdvisorのTシャツを身に付けて見守っていました。目の前に並んでいる新しい仲間たちの間に、緊張した面持ちで座っている一年前の自分が浮かんでくるような、そんな奇妙な感覚を覚えながら。

 そう言えば一年前の9月5日、万国旗のもとに座っていた自分も、意識が時空を超えるような感覚に浸っていたのでした。そう、その日からちょうど3年前の9月5日は、自分が初めて広島の英会話学校のクラスに顔を出した日でした。

 英語で自己紹介すらできなかったあの日から丸3年を経て、自分が世界中から集まった新しい仲間たちと、ケネディスクールの入学式に臨んでいるという、言い様もない感慨に浸っていた自分、たびたび“ポジティブな想像力”を駆使して頭に思い浮かべてきたその光景が現実のものとなったことへの興奮と、果たしてこの途方もなくエキサイティングでチャレンジングな空間を自分が活かし切れるのか、という一抹の不安とを覚えていた自分のことを思いだしていました。

 学部長のウェルカムメッセージがおわると、僕たち9名のクラス・アドバイザーの紹介がはじまります。

 フォーラムの大画面に映し出される大きな世界地図。小さな日本列島が点滅すると、僕の写真が映し出されました。

 「英語圏での経験が一切ないという例外的な困難と向き合いながら、それを楽しみ、成長の糧としてきたYoichiroのこの一年こそ、これからケネディスク-ルで学ぶ一人一人に対する大いなるメッセージだ!」

と、クラス・アドバイザーの代表アレクシスが叫ぶと、会場を埋め尽くした新しい仲間たちが大きな拍手で迎えてくれます。今年のMPPプログラムは昨年と比して留学生の比率が25%から33%まで大幅に増えたとのこと。中には僕のように英語圏で生活したことがないという学生も複数いるようです。熱いスポットライトに照らされた僕に送られた温かい拍手は、僕のこれまでの歩みに対するものであると共に、これから同じ道を歩く彼らへのエールのようにも思えました。

 入学式のハイライトは、新入生による「20秒自己紹介」です。

 これから、数多くの著名人がスピーチを送るフォーラムの壇上に立って、ケネディスクールの教授陣と新しい仲間へ向けて211人が一人一人、順番に自己紹介をしていくのです。

    

 思い思いのメッセージをケネディスクールに贈る新入生たち。

 これから2年間ケネディスクールで得る様々な知識、経験、そして友人を糧に、卒業後にそれぞれのフィールドにポジティブな変化をもたらすべく尽くすであろう彼らの中には、何年か後、あるいは何十年か後に、かつて自分が「20秒自己紹介」をしたその演壇に、未来のパブリック・リーダー達を鼓舞する講演者として戻ってくる者もいるでしょう。

 そして、様々な想いと共通の志がほとばしるケネディスクールのフォーラムで鳴り続ける歓迎の拍手は、僕の留学生活後半戦のキック・オフを告げるホイッスルなのです。 

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