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白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

グロービス杯結果

2018年04月22日 23時10分02秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日で「やさしく語る 碁の大局観」の校正作業を終えました。
ゲラを返送してしまえば私の作業は終了、後は完成を待つのみとなります。
発売は丁度1か月後の5月22日です。
力作なので、ぜひ多くの方にご覧頂きたいですね。

さて、本日はグロービス杯の準決勝、決勝、3位決定戦が行われました。
決勝に進出したのは、申旻埈七段(韓国)と許嘉陽六段(中国)でした。



1図(実戦)
申七段の黒番です。
4個所でAI流が出現しています。
右下の2間締まりだけは元々あった手ですが、AlphaGoの登場以降、出現頻度は100倍ぐらいになったかもしれません。





2図(実戦)
黒×が攻められていますが、ここで黒△と反撃!
安全圏にいるように見えた白を、無理矢理戦いの舞台に上げるような強手です。
この厳しい発想は見習いたいものですね。





3図(実戦)
黒△までと進んだ場面です。
黒は下辺と中央で利益を得た上、黒×にはまだ脈が残っています。
黒優勢でしょう。





4図(実戦)
しかし、この場面で白△のノゾキとは、嫌なところを衝いてくるものです。
黒Aとつないでいれば安全ですが、僅かに白が得をします。
そこで、実戦は黒が反発しましたが、先の見えない戦いに発展した感もあります。
強い棋士は、単に良い手を打てるだけでなく、勝負の駆け引きにも長けているのです。

今回は日本勢にとって非常に厳しい結果になってしまいましたが、雪辱の機会は与えられています。
来年は良い結果を出せることを期待しています。