白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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十段戦第3局

2018年04月12日 23時58分55秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は忙しい1日でした。
遅過ぎる夕飯を食べながらブログを書いています。

昼間は棋譜の入力係を務めました。
と言っても、皆様が想像されるような記録係ではありません。
天井カメラで撮影されている2局を同時に見ながら、手順を入力するというものです。
今回は内田修平七段-林漢傑七段、井口豊秀八段-宮沢吾朗九段の2局でした。
入力の合間に、私物のタブレットを使って時々解説のようなものを入れていましたが、流石にちょっと不便でしたね。
回線もブツブツ切れましたし・・・。
内容的には、どちらの対局も非常に気合の籠った好局だったと思います。


さて、本日は十段戦第3局が行われました。
あまり見ている時間がありませんでしたが、印象に残った場面をご紹介しましょう。



1図(テーマ図)
黒×があるにも関わらず、白△のぶつかり!
幽玄の間解説の下島八段はこの手を頭突きと表現していましたが、まさにそんな感じの一手です。
ぶつかりは、どちらかと言えば悪い手になりがちですし・・・。





2図(変化図)
このような進行を想定すると、中央の白が攻撃目標になるので、白が良くないと感じます。
ただ、白の動きは一貫しているので、前図の後の進行としては自然と思えますが・・・。





3図(実戦)
井山十段、ここで白2とは!
一見すると、1図白△で右を打とうとしたものの、「やっぱりやーめた」と左に打ったかのようです。
アマが打ったら確実に酷評されますね。

ただ、これは井山十段の予定通りで、白AとBを見合いにしたという意味でしょう。
こんな柔軟な打ち方もあるのですね・・・。


本局は超難解な戦いになりましたが、村川挑戦者は力負けしませんでした。
ただ、結果は残念でしたね。
シリーズの敗因は先の2局に求められるべきでしょう。