白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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神ギ問放映&グロービス杯2日目

2018年04月21日 21時59分36秒 | 日本棋院情報会員のススメ
皆様こんばんは。
本日、「さまぁ〜ずの神ギ問」の放映がありました。
私は見られませんでしたが・・・調べてみたところ、ここの見逃し無料というところで見られるようになるのでしょうか?
今は前回分の放送が配信されているようですね。

今回は最初に藤沢里菜女流三冠が登場したようです。
ちゃんと華のある棋士を出してくれて一安心です。
そこを一番心配していましたからね(笑)。

私の方は・・・どうだったのでしょうね?
皆様に楽しんで頂けたなら幸いです。


さて、本日はグロービス杯の2日目が行われました。
グロービス杯は第1回で日本代表がワンツーフィニッシュを決めた棋戦ですが、今回は誰も準決勝に残れず、残念な結果に終わりました。
一般の世界戦で優勝が狙えるレベルの棋士も参加しているとは言え、もうちょっと結果が欲しかったですね。

それでは、今回は日本勢で唯一決勝トーナメントに進出した、藤沢女流三冠の対局をご紹介しましょう。
相手は中国の天才棋士、謝科五段です。



1図(実戦)
藤沢女流三冠の黒番です。
白1、3のシチョウ当たりから、白5と逃げ出しました!
先に損をするのでリスクの高い打ち方ですが、構わずやっていくところは謝五段らしいですね。





2図(実戦)
左下は白△と白×が真っ二つに切られていて、典型的な裂かれ形です。
プロが初心者並の手を打ったと言えば、どれだけ酷いかご理解頂けるでしょうか?

一方、右上も黒△の命が危なくなり、これももちろん酷いことです。
白の謝五段は「自分も酷いけど、相手はもっと酷いでしょ?」と言っているわけです。
碁では「あなたにも良いものをあげるけど、自分も良いものを貰いますよ」という平和主義の打ち方も多く見られますが、謝五段の打ち方は非常に攻撃的ですね。





3図(実戦)
結果的には、黒は逆に白×を取って凌ぎました。
その代償として右下方面で損をしましたが、黒×も救出の余地が残っていますし、黒が上手くやったように見えます。

問題は黒△の処遇の判断です。
かなり弱く見えるので、私ならまず捨てることから考えてしまいそうですが・・・。





4図(実戦)
黒1から、堂々と担ぎ出しました!
危険もあるように見えますが、藤沢女流三冠はこういう空中戦での凌ぎが上手い印象があります。
私も酷い目に遭わされた経験が・・・。

結果、見事に凌ぎ切って勝ちを決めました。
決勝トーナメントでは韓国囲碁界ナンバー2の申真ソ八段に敗れましたが、今回は非常に良い経験ができましたね。