遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

九州の清酒

2010-01-12 19:45:57 | 
一般に清酒を造る麹カビ(黄麹)の南限は九州北部とされています。これ以上南に行くと黒麹が優勢になって清酒醸造が出来ません。清酒の香しい芳香の元は酵母からではなくて麹からくるものがメインでして黒麹ではまともに飲める清酒が造れないのです。だから蒸留する必要があって、黒麹では焼酎を造ることになります。

焼酎ブームに悪のりしたのか、黒麹で醸した清酒を出してる蔵が金沢にあるけど、飲んだことありません。そもそもその蔵の酒は評価してないんで。

さて、九州の清酒といえば、熊本の美少年と佐賀の窓乃梅。どちらも女性的な優しい造りで、とても九州人が醸したと思えない出来ですが、なかなかのクオリティでございます。前に起こった『事故米騒動』で美少年はつぶれちゃったんですが(事業再生を目指しているそうですが、今どうなってるか知りません)、佐賀の窓乃梅はまだ健在です。窓乃梅の大吟醸酒「香梅」はほんとに美味しいですよ。吟醸酒に香りを求める人はぜひお試しあれ。今日飲んでる特別純米は普通酒なのでぬる燗にして飲んでます。『西海』という酒米を使ってるそうですが、なじみがないんであんまし評価できません。コクはあるがキレは中途半端な感じ。質は悪くない。おそらく窓乃梅の普通酒にとっての競争相手は、他社の清酒ではなくて焼酎のお湯割りなんでしょう。日本酒であることを全面に出してもしょうがないといえばそうなのかも。蒸留酒にはなくて醸造酒にある飲んだ後の余韻が売り。それならキレは程々に抑えた造りで出した方がいいのかもしれませんな。

本日のお酒:KIRIN 一番搾り + 窓乃梅 特別純米
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