2008年に「真のプロフェッショナルの受難」という記事を書いた
「それにしても、耐震偽造事件以降の法改正の動きは何か変だ現時点で頼りになる老練なプロフェッショナルを切り捨てるような結果になっている実力のない資格だけの稚拙なえせプロフェッショナルばかりになっては、誰をたよりに設備設計をすればいいのかとまどうばかりだ問題が社会に重大な影響を与えないうちに見直しを希望してやまない」
それから14年が . . . 本文を読む
2018年から足掛け4年目になった特別養護老人ホームのプロジェクト同じ敷地内の改修工事、解体工事、そして新築工事と進めてきて、この3月にやっと引渡しとなります初めの設計コンペでご提案した時の通り、低層で冬でも日当たりのいい施設とできたと思います仮のホームに引っ越していた入居者の方々がここに戻った時にどんなふうに感じていただけるのか、今は期待と少しの不安がないまぜになった気分です . . . 本文を読む
おかげさまで設計事務所設立30周年展をクライアントのご好意で開くことができました2日間5時間づつの展示でしたが50人以上の方々にご覧いただき深く御礼申し上げます展覧会は「心惹かれる空間」「美しい街並」「心豊かに暮らす仕組み」の3つのテーマに絞って、いままで見たり考えたりしてきたことを整理し、スケッチから竣工後の写真で構成しました合わせてこれまでに発信してきた記事や最新作の工事中の特別養護老人ホーム . . . 本文を読む
今年は事務所設立30年の節目となる年です不器用な私がここまでやってこれたのはさまざまな方々のおかげです関係各位の皆さまにはこの場をお借りして心より感謝申し上げますこの30周年の機会に自分の作ってきた建築のスケッチや写真を整理してささやかな展覧会を開催しますそれとともに、趣味の山や花の写真も展示して見ていただこうという企画ですたいした内容ではないのですが、お世話になってきた施主や仲間や友人達と集まっ . . . 本文を読む
私はいつの頃からか建築雑誌をなるべく読まないようにして来た
メディアの建築家をタレント的に消費するような扱いが嫌だった
「作品」も奇をてらったものを多く取り上げることにも違和感があった
自分は自分の考える建築を作り出すことに集中したかったし、長い間そうして来た
今振り返れば自分なりに自分の考えをまとめることができたのかなと感じている
最近それを確認できる評論があった
一緒に仕事をさせていただいて . . . 本文を読む
私は日本建築家協会(JIA)という公益社団法人の会員です
国立競技場問題では、以前の投稿でコンペのやり直しを提案しました
しかし、白紙に戻したというものの事態は思わぬ方向に進んでいます
工事費問題だけが一人歩きしている印象で、とても社会のために良い方向に進んでいるとは言えません
私は、所属する日本建築家協会が日本の建築文化を守る砦と考え活動しています
ところが、現状はそれに危惧を抱かざるを得ない . . . 本文を読む
今日は何年かぶりに建築学会に参加するので気になるセッションに顔を出そうと思います
それにしても東海大相模原は家から2時間近くかかります
まずは1号館で環境分野の発表を聞きます
始めは音環境で拡散音場と入射角の関係
次に電力研究所の省エネ改修の発表
蓄熱や熱回収を含め年間の省エネ効果は改修後48%で負荷を平準化できた
どのくらいの費用がかかるか?とこの先どのくらい運用できるか?で評価も変わると思い . . . 本文を読む
最近非常に気になることがある
国立競技場の設計案について新聞やテレビでの報道が連日のように出ているが、これも喉元過ぎればなんとかで消えてゆく「一時的事件」なのだろうか
そもそもこのコンペ結果が公表された時には建築界の各方面から懸念の声が上がっていた
それらの声の本質は正確に取り上げられず議論されずにここまで来てしまったと感じる
論点は非常に多く、焦点が定まらなかったかに見えたが、工事費が当初想定 . . . 本文を読む
住宅の設計施工一括請け負いで起きている問題がある
設計事務所登録もしている施工会社が設計者となり施工も請け負うことは法的には問題がない
ところが、設計事務所登録をしていないため(していても同様だが)、設計を他の設計事務所に依頼して建築確認申請では設計者は別で、施工のみ自己名義として、設計施工一括請け負いするケースがある
設計者欄には設計事務所の名前が記載され、施工者欄に施工会社の名前が記載され法 . . . 本文を読む
みなさんは日影規制という言葉を耳にしたことがあると思いますが内容をご存知でしょうか?
例えば近隣商業では3階かつ10m以下の建物は日影規制に該当しません
それでは北側の1種低層住居専用地域に建物の影が落ちるときにもこれは適用できるのでしょうか?
答えは複雑で我々設計者にも難題です。
建物が建っている状況などで変わるのです。
建物の敷地が全部近隣商業地域の場合はもちろん規制は近隣商業地域の定めの . . . 本文を読む
やっと暖かくなって来ましたが今年の冬は異常でした。
雪の重みで体育館の屋根が崩壊した報道がありましたが、エアコンの故障はあまりメディアには出ていません
しかし、実際には東京のエアコンは寒冷地仕様ではないし、防雪フードもついていないものがほとんどで実際には故障したエアコンは多かったのではないでしょうか?
かくいう私の事務所のエアコンの屋上に置いてある室外機も雪の後故障してしまいました
ほかにも、 . . . 本文を読む
ドイツを旅行してきた
スペイン、イタリア、ギリシャ、と並ぶ街並の美しい国として以前より見なければと考えていた国である
いつものように日程は自分で決めてホテルを予約、レンタカーで回った
少し寒かったが天気にも恵まれて古城街道、ロマンティック街道など街並を中心に巡ってきた
そこには期待通りの街並が広がっていて、ドイツの地区詳細計画のすばらしさを実感した
それにしてもドイツの人達の街並に対する意識を . . . 本文を読む
GATTI CASAの方向性が見えてきました
ネコを愛する人たちがいい関係で永く暮らし続けることのできる賃貸住宅
そして、高齢になってもそれなりの自立した生活ができる地域社会が目標として見えてきました
まずは、共同住宅としての基本性能、住み易さ、居心地、プライバシーの尊重、人間関係の調和などをネコに対するしつらえと併せ持った「いい住まい」ができればいいなと思います
今回の計画にとどまらず、将来を . . . 本文を読む
「壊れないこと」が大切と前に書いたのですが、すこし補足したいと思います
建築基準法が求めている「壊れないこと」とは、大規模に崩壊したり倒壊しないことを指しています
3月11日の東日本大震災で、東京は震度6弱でしたが、この震度でどのくらいの建物被害が想定されているのでしょうか?
実は震度ごとに被害の程度が細かく規定されている訳ではありません
技術的には、震度7では倒壊はもちろん外壁の脱落や屋上に設置 . . . 本文を読む
技術者の行動にはさまざまな規範があり、それを念頭に置きながら業務を進める必要がある
ここでひとつのケーススタディを見てみよう
ある工事で施主が工事で使用する製品のメーカーを指定したとする
そのメーカーの製品を取付けた所、使用者に火傷を負わす可能性があることが判明した
1、工事担当者は施主の言うことは絶対的に従わなければならないのか
2、是正せず事故が起きたとき、責任はどう考えるべきだろうか
3 . . . 本文を読む