

仕事で伏見に行ったついでに伏見稲荷に行ってきた
千本鳥居が一部というイメージを持っていたのだが、行ってみると大きな間違いだったと思い知らされた
鳥居があるのは下の方の本殿の近くだけでなく、山の頂上にある社に詣でる順路が斜面に巡らされていて、その山道のほとんどに鳥居が隙間なく建てられているのだった
はじめは下の方だけみて帰るつもりだったが、友人とここまできて頂上を見ないで帰るのは落語にある「 ?」と同じになるということで頂上を目指すことになった
実際歩き出してみると足元の整備がされているとはいえ山登りに近く、何度も休みを取らなければいけなかった
この日は桜が咲こうかというくらい暖かく、大汗をかいてしまった
そんな人々が休みたいと思うところにうまい具合に茶屋が点在していて、多くの人で賑わっている
また、ところどころに池や展望台、小さな滝があったりして、ただ鳥居をくぐりながら歩くのとは違い、全体的にエンターテイメントの趣きがある
実際に歩いてみて海外の旅行者の評価が高い理由がわかった気がした
こちらのほうが一番の収穫だったかもしれない
幹線道路計画は利用者から見れば公共の利便性など社会的な価値は高い
ただし、土地を収用される土地所有者や周辺住民から見れば迷惑なシロモノであることがある
その最たるものは騒音だろう
鉄道と違い深夜でも交通量はゼロではないので幹線道路沿いになってしまうお宅は悲惨である
また痛みも激しく何年かおきに道路修復工事がある
それも深夜なので大変だ
土地利用については、不公平な状況が散見される
幹線道路沿いになった土地の所有者の多くは価値が上がり、売却するにせよ、利用するにせよ利益を得ることができることが多い
ただし用途指定によりほんの僅か離れているだけで天国と地獄ほどの差が生まれる
それは路線価に現われる
商業地域で日影規制もなく容積率500%のところから100mも離れていないのに住居系地域で200%指定の上日影規制もあるため200%も使えないというところがあるという状況が生まれる
両者に路線価の違いは2.5倍もないのである
このような状況は不公平と言ってよい
かたや商業地域では不動産賃貸経営で左団扇なのに住居系地域では相続税を払うことにも困るという結果となる
社会的事業は公平を旨とすべきである
個人的に困るだけでなく、地域社会の崩壊にもつながる由々しき問題と捉えるべきだ
省エネの調査で湘南に行ったついでに、今は議員をしている前の事務所の同期に会いに行った
久しぶりの友は若い頃のイメージのままで現れた
お互い歳を食ったはずなのに、若い頃に戻ったように話が弾んだ
その市ではマンションの虫食いが激しく、地区計画を策定しようとしているとのこと
私のまちづくりの経験から、地区計画を成功させるためのいくつかのポイントと工夫を提案した
1、地区計画は地権者の権利を制限する意味合いがある。これを自分もやりたいというような気持ちにさせる仕組みが必要
2、形態や壁面線の指定をしても、指定前の土地利用と遜色のない利用が可能になるようにすべき
3、そのためには、用途指定の変更とセットで考えることがポイント
これらの組み合わせで、地区計画をかけても実質的に私権の制限にならないような施策が可能になると説明した
また、日本の地区計画はドイツの地区詳細計画をまねた部分がある
しかし、出来上がる街並みはドイツと日本では雲泥の違いがある
ここのところを政治家はもっと勉強してほしい
話は耐久性の話になり、「さくらガーデン」の長期戦略を説明した
そして、私の持論の「耐久性こそが省エネ、省資源、サスティナビリティ」と説明
ただ、耐久性の高いものを作っても、相続できないのであれば誰もそんなお金のかかるものを作ろうとはしない
国家として耐久性を言うのであれば、相続税の見直しが必須である
都市のストックをどのような方法で形成してゆくのかが問われるだろう
建築家は昔から言い続けていると思うが、首相が200年住宅を打ち上げる今こそ、良質なストックの形成を国策として税制も含めて整備してほしい
こんな話をして市役所を後にした
駅までの商店街にはシャッターが目立ち、その裏手には高層マンションが建設されつつある
早くしないと手遅れになると思いながら駅に向かった