建築設計者の日々是好日

建築家として感謝をもって生きる日々の記録

「壊れないこと」の補足

2011年04月10日 | 建築
「壊れないこと」が大切と前に書いたのですが、すこし補足したいと思います
建築基準法が求めている「壊れないこと」とは、大規模に崩壊したり倒壊しないことを指しています
3月11日の東日本大震災で、東京は震度6弱でしたが、この震度でどのくらいの建物被害が想定されているのでしょうか?
実は震度ごとに被害の程度が細かく規定されている訳ではありません
技術的には、震度7では倒壊はもちろん外壁の脱落や屋上に設置した設備機器の脱落など重大な結果をもたらすような事象はないように構造計算や機器類の設計がなされています
これらの思想は前にお話しした宮城県沖地震のあとで策定された「新耐震基準」というものに反映されたものです

というわけで逆に言えば、壁にひびが入ったり、内部の仕上げが損傷することは当然のようにありえるわけです
これらの事象は震度7でなくとも起こりえるもので、その程度や範囲が違うということになるでしょう
そして中高層建物では階によっても被害の程度は変わることがあります

また、設計には優先順位と言うものがあります
たとえば外部への避難階段に出るドアですが、以前地震で歪んで開かなくなった事故がありました
これではいざと言うときに逃げることが出来なくなります
そのため、現在はドア自体の強度が高められていて相当の地震でも歪まない製品になっています
そうすると地震で建物が揺れたときにドアは歪まずびくともしないので、回りの壁が揺れて動くとドア枠の周囲で内部の壁のボードがドア枠にぶつかって壊れるという事象が起こります
この例のように、壊れたり故障すると困るものは他のものに優先されて守られているのです
内部のボードは修理すればいいという前提になっていることがほとんどです
ちなみに外部のパネルとドア枠の隙間は動いても壊れない程度離してセットしてあり、シーリング材という固くならない防水材で塞がれています

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