Takeda's Report

備忘録的に研究の個人的メモなどをおくようにしています.どんどん忘れやすくなっているので.

研究会は無事終了

2008年07月12日 | 研究
第18回セマンティックWebとオントロジー研究会は昨日,無事終了しました.
この研究会の開催は毎回ひやひやです.というのはこの研究会は会員制度もなく事前申し込みもないので,蓋を開けてみないのとどれだけくるかまったくわからないからです.幸い,今回は50人以上の人が集まり,ほっとしました.
今回は,全体を通じて予想外に問題意識がつながっていたと思います.
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1.インスタンスのアイデンティティ問題
阪大溝口研のインスタンスのアイデンティティがまずありました.これは根本的なアイデンティティの定義を議論していました.つぎに亀田くんのURI同一性問題.これはWeb世界のアイデンティティであるURIに対する疑問と対応ですね.さらに東芝グループの商品名学習における商品名同定問題.商品というのはとても明確にアイデンティティがありそうで実はそうでもないという問題が定義されていました.パネルでの津田さんの滋賀銀行の情報ネットワーク構築における異なるDBでの一致問題(会社名など).
アイデンティティがなぜ今重要か.それは今 linked dataの世界が作られようとしているとき,これが解決しなければつなげないからですね.今までは一つのDBの中で考えればよかったので,アイデンティティは自明でした.しかしWebを通じて異なるDBからのデータがつながろうとするとき,深刻な問題なわけです.

2.linked dataの価値の認識,再認識
Amanくのlinked dataのクイックサーベイは役に立ちます.linked dataの話は国内ではあんまり出てきていませんが,これから大きな潮流になることは間違いないでしょう.パネルの佐藤さん(NTT)の京都大学SNSも津田さん(富士通研)のKnowWhoや滋賀銀行の件も実はlinked dataの作成と利用としてみることができます.ただ,linked dataとしてpublishしていないところが問題なんですけどね.

3.軽量オントロジー
Wikipediaからのオントロジーは多くの関心がありました.やはり日本語のいいオントロジーがないというのは共通認識ですね.軽量でもいいから相互に使いたいというニーズは確実に増えてますね.東芝のオントロジーツール,パネルの清水さんのオントロジーツールで作られるオントロジーが公開されるといいですけどね.これを最後にパネリストに聞きましたが,まだもう一歩踏み出せないというところが実情ですね.でもほんのちょっと後押し(とくにシステム的な後押し)をすると意外にぼこぼこでてきるかもしれません.それはRDFじゃなくてもwikipediaスタイルのほうがいいのかもしれません.

次回は秋に関西方面で開催予定です.

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