散歩日記XX

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20210424ギャラリー巡り(2)

2021-04-24 15:44:38 | 美術・アート
■北海道立近代美術館「国貞 広重 国芳コレクション」。公共の美術館は臨時閉鎖になる可能性もあるかと思って、慌ててみておくことにした。
渓斎英泉「新吉原年中行事 五月端午軒の菖蒲 若那屋内花衣」:端午の節句など「紋日」は揚代が普段の倍になり、客が付かない場合は自分持ちになったのだそうだ。花魁が単なる娼婦ではなく、学識もあって高い地位にあったなんて話も見かけるが、そんなに容易い話じゃないよね。
勝川春亭「頼光四天王土蜘蛛退治」:ギョロ目に牙の生えた蜘蛛。とんだ化け物である。
歌川国芳「大江山酒呑童子」:酒呑童子の顔の半分が鬼に変化しかかっているという、マンガチックな演出。

歌川広重「江都名所 両国橋納涼」:両国橋の上は人人人。日本人ってパーソナルスペースが狭いよな。
歌川国芳「竹澤藤次 独楽の化物」:この人、独楽回し芸の名人として有名だったらしく、6作品にも登場していた。噴水の中で独楽を回したり、雲に乗せて独楽を回したり、ちょっとスピリチュアル入っていて危ないかも。別の作品では羽子板4本を足に台を置き、湯呑や卵をいくつも重ねてその上で独楽を回しているのだ。
歌川国芳「龍宮遊びさかなげいづくし」:タコがいろいろな道具を持つ八人芸、ウナギの木登り、フエフキダイの笛、蟹のはさみを使った紙細工、どぜう踊りなど。

歌川国芳「朝比奈小人嶋遊」:もともと大人形(頭が3mくらい)の見世物興行をやろうとしたら、ある武士が登城ルートを変えることになるので嫌だとケチをつけて中止にさせたのを皮肉って、さらに巨大な人形の前を大名行列が通るという図である。
歌川国芳「「浅草奥山生人形」異国人物と丸山遊女」:異国人物と言っても、足長人、手長人、胸に穴が開いていてそこに棒を指して運ばれる人など。
歌川国貞「浮世年中行事 皐月」:柏餅と酒樽が見える。この辺から「食べる楽しみ」というコーナーで見ていて楽しい。

歌川国貞「東都名所四季之内 両国夜陰光景」:こちらは白玉や角切りのスイカなどしゃれたものが登場。
歌川国貞「十二月の内小春初雪」:鉄鍋らしきもので、焼き芋を大量に焼いている。
歌川国貞「十二月の内卯月初時鳥」:ホトトギスとくれば、もちろんカツオである。

歌川国芳「「新良万造」鮨」:エビ、小肌の握り、玉子巻き、かんぴょう巻き。
歌川国貞「当世六玉顔 調布の玉川」:枝付きの枝豆をダイレクトに食べる女。
月岡芳年「風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗」:魚の天ぷらが描かれているが、キス天かな。





■北海道立近代美術館「近美コレクション」。
田辺三重松「大沼公園の秋」:今年の一月、函館で作品を見てきたが、だんだん好きになるね。



山内壮夫「三人の娘たち」:後ろから見ると、仲間感があって、なんだかよかった。



菊池精二「輪転機」:迫力のある絵筆の跡である。



中江紀洋「私のBC330(Mater dolorosa)」:すごく肩が凝っていそうだ。



中谷有逸「碑・古事記(オオクニヌシとスセリヒメ)」:現役の作家でここで展示されるのはなかなかスゴイ。



杉山留美子「HERE-NOW あるいは無碍光」:写真じゃもう一つだが、画面から光があふれているように見える。



岩橋英遠「道産子追憶之巻」:久しぶりに完全横一列の展示である。四季、および24時間の経過を描いているのだが、あまり季節感に興味のない私でも「ああ、夏が来たなあ」というところと「夏が終わってしまうなあ」というところはしみじみするものがある。



さて、ここから2020年度の新収蔵品である。
横山大観「秋思」:日本美術院第1回展覧会出品作なのだそうだ。結構大きい。



棟方志功「海の魚貝」:かわいい感じが気に入った。



難波田龍起「生成の詩A」:何気なく上手い。



2階に上がり、現代ガラス展示へ。
松島巌「水玉文青雲虹彩器」:これは初めて見たかも。



岩田糸子「躍ぶ」:なんか3人って感じでいいよね。



山本正年「膚」:この1点を見て欲しい。で展示されていた。





近美の庭にある桜。



■三岸好太郎美術館「色彩と衝動-人物画を中心に」。
三岸好太郎「腕をくむ男」:三岸といえば、やはり赤のイメージか。



三岸好太郎「のんびり貝」:背景が青というのも多いらしい。



そして、今回気になっていたのは「描かれた南部忠平」のコーナー。
三岸好太郎「南部の跳躍」:本郷新に南部忠平の像を作る話が舞い込んだが、その時、三岸が偶然居合わせて画を描くことになったとか。これは後に150号の大作となったが、所在不明なのだそうだ。



展示室には南部忠平の幅跳びの記録が足跡として残されていた。何しろ当時の世界記録だから、信じられない距離である。



そして三段跳びの足跡もあった。展示室内の端から端まである。



今の商業オリンピックには興味がわかないけどね。


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