本日は近美→資料館→創→三越→さいとう→アートスペース→SCARTS→富士フイルム→大丸の9か所。
昨日からの雪がかなり積もり、昼前に出発。
同じく初日の芸術の森は、雪のためバスの運行に不安を感じ(止まっていることはないだろうが、少し渋滞気味かと)、北海道立近代美術館へ。
■北海道立近代美術館「池田良二展」。作品目録の作者紹介で、出身地を「根室群根室町」などと書いており、心配になる。大丈夫か、近美?
池田良二「越境する光」:旧落石無線送信局跡をテーマにした作品。ぼんやりと浮かび上がるフォトエッチングで、なかなかわかりにくい。
池田良二「海峡の焔」:海を前に円環状に卵を配置したものを撮影し、版画にした作品。生命がテーマなのだろうけれども、そう簡単には理解した気になってもらっては困るという気持ちを感じる。
■北海道立近代美術館「一原有徳展」。この人の展覧会は一定期間を置いて、常にやるべきだよ。
一原有徳「変身」:カフカの「虫」のイメージがこうなるのか。
一原有徳「COM ZOM 1992-1」(円柱状の作品)、「HMMA」(壁に展示された作品):壮大な作品を遠くから、そして近くから眺める。
二階のガラス展示は結構見たような気がするので軽めに流す。
岩田藤七「水指・花」「蓋置」「茶入・朧」「金一輪挿」「茶碗・三彩」:「この1点を見てほしい」はスッキリと現代的(と言っても、約50年前)な岩田の作品が展示されていた。
■北海道立近代美術館「猫まみれ展 MAX」。展示作品数352点という、とにかくバリエーション豊富な展覧会。
件亭/伊万里「伊万里国芳猫文様豆皿」:人魚と猫、タコと猫、風呂に入る猫など、かわいらしい絵付である。
永島春暁「猫の温泉あそび」:4階建ての温泉施設でくつろぐ猫たち。
大村廣陽「猫と黄蝶」:真っ黒の背景に白猫と黄色の蝶を配した、素敵な色彩の木版。
杉山寧「ローマの猫」:猫のポーズがいいな。
秀島由己男「月夜」:三日月の夜、サンマをくわえる黒猫。素敵なメゾチント。
レオナール・フジタ「ヴァンドーム広場」:風景が思いがけずいいね。
大森暁生「月夜のテーブルーBurmeseー」:テーブルにふわりと乗った猫。月に見立てたのだろうか。テーブルに埋め込まれた青いガラスを猫がのぞき込んでいる木彫作品。
木村荘八「われがすみか 初代竹枝せん」:猫の芸者さんが三味線を弾いているのだが、三味線の皮と言えば…
會田千夏「portlait of forest e」:ニョロニョロが猫の顔型に描かれている。
これ以外にも私が「おおっ」と思ったアーティストは、ルイ・イカール、歌川国芳、豊国、広重、池田満寿夫、横尾忠則、多賀新、三沢厚彦、川上澄夫、アンディ・ウォーホル、小林清親、河合玉堂、藤島武二、浅井忠、竹久夢二、岸田劉生、中川一政、木村克、猪熊弦一郎、斎藤清、植草甚一、浜田知明、竹内栖鳳、月岡芳年、柳原義達と、それぞれの作品数はそれほどでもないが、とにかくいろいろなコレクションがあった。
なお、2階では喫茶コーナーの工事中であった。3月2日にオープンするのだとか。北海道最大の美術館に飲食コーナーが一つもないというのは、さすがに考え物だからね。最近、喫茶店にも行くようになった私も、ちょっとは行ってみたいと思っているのだ。
■ギャラリー創「森収吾 陶展「 の方へ」」。らせんの階段が取り巻く高台に、教会のような建物がある造形。なかなか面白い。
■アートスペース201「藤谷康晴個展『細密 異界 没入 交信』」。近作はマッキーを使い、かなり太い線で描いた作品が多いようである。どこか藤谷流「生き物図鑑」にみえる作品群が面白かった。