「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの学習指導法:今年の桜蔭中学入試問題「算数」・・・その1

2016年02月29日 | 学習指導法



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 しばらく、今年の中学入試に出題された算数の問題を取り上げ、その傾向と対策について綴っています。今日は、今年の桜蔭中学校の算数の問題を取り上げます。他の女子御三家である女子学院・雙葉中学校に比べて、算数は少し手強い問題が出題されます。男子難関進学校の問題ほど難しい問題ではありませんが、しっかりとした対策をたてて受験する必要があります。

 今年の桜蔭の算数は、5つの問題で構成されています。Ⅰ番目の問題は小問形式で、(1)で計算が2題、(2)が群数列の問題、(3)は円の転がり移動の問題で、円が通った部分の面積を求める問題です。

 Ⅱは割合を絡めた概数に関する問題、Ⅲは回転体の体積と表面積に関する問題で、工夫して体積を求める考え方ができるかどうかを試す問題となっています。

 Ⅳは水の深さに関する問題で、規則性を考えて解く問題です。Ⅴは速さに関する問題で、与えられた条件をしっかりと整理して根気よく解いていく問題です。

 今日は、問題Ⅰ(2)の数列に関する問題を取り上げて、説明をしましょう。


【問題】

 下の図1のように、小さな正方形の頂点と、大きな正方形の各辺を二等分する点が重なるように、正方形を作っていきます。さらに図2のように、1から小さい順に整数を入れていきます。たとえば、7は一番小さな正方形から数えて3番目の正方形に初めて出てきます。この作業をくり返すとき、次の□にあてはまる数を答えなさい。



 ①35は一番小さな正方形から数えて□番目の正方形に初めて出てきます。

 ②一番小さな正方形から数えて51番目の正方形に初めて出てくる4つの数のうち、一番小さな数は□です。


【解答・解説】

 一番めの正方形には数字の1が、二番目の正方形には2、3、4、5の数字が、三番目には6、7、8、9の数字が出てきます。

 上の問題は、1、(2、3、4、5)、(6、7、8、9)、(10、11、12、13)・・・という群数列の問題として考えます。1組目だけが数字が1個、それ以外は4個の連続した整数でできている群数列です。

 ①は、35がこの群数列の何組目の数字かを考えます。(35-1)÷4=8あまり2という計算から、35は10組目の数字であることが分かります。注意すべきことは、1が単独で1組目(イレギュラー)で、商の8とあまりの2が示している内容は、35から1を引いた数34が、数字4個を一組として、8組と次の9組目の2番目の数であることです。したがって、35は10組目の数字となるのです。このことから、①の答えの35が出てくる正方形は、10番目となります。

 このように考えて、②の問題は、1番目の正方形には数字が1個、2番目から50番目の正方形(49個の正方形)には数字が4個ずつ、そして最後の51番目の正方形に書かれている最初の数字が求める数ということになります。

 よって、1+4×(51-1-1)+1=1+196+1=198・・・答えとなります。

 こうした問題を日頃練習している受験生にとって、ミスし易いハードルを難なくクリアして解答を導き出すことは、難しいことではありません。数列に関しては、等差数列・階差数列・群数列を中心に、それらの数列を応用した問題が中学入試には出題されます。数の規則性を楽しむように練習してください。また、計算で分数数列の和を求める問題も出題されますが、計算で唯一その解き方を覚えておく必要がある問題です。


 数列に関する学習方法について興味のある方は、以下の過去のブログを参考にご覧ください。

数列に関する問題

等差数列の問題

階差数列の基本的問題

マッキーが教える入試問題・算数…群数列の問題

分数の数列の和をどう解くか

マッキーの一問必答:『分数数列の和』の計算

今春の中学入試問題にチャレンジ!…群数列

今春の中学入試問題にチャレンジ!…群数列など

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