「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーが教える算数…今春の中学入試問題にチャレンジ!…群数列など

2008年07月31日 | 学習指導法
引き続き、「数の性質」の内容で今春中学入試に出題された、比較的解き易くかつ参考になる典型的な問題をピックアップして、家族で楽しんで解いてもらおうと思います。


なぜ、「数の性質」の問題かというと、長期的には出題割合が減少していた分野ですが、近年増加傾向にあること。
入試において、小問にしやすい分野なので、受験生は間違わずに得点すべき問題であること。
解法パターンを理解すると、どなたでも「面白く解くことが出来る」こと。
図形やグラフ等を取り上げたいところですが、ブログに取り入れるテクニックが現在の私にないこと。
もうし少し修練してこれらの問題を解決し、「興味深い図形の問題」を、いつか皆さんに出題したいと思っています。

と言うことで、しばらくは皆さんの興味をそそる「数の性質」に関する問題を取り上げて、その解法を考えていきます。


【問題】

その1.江戸川学園取手中学校【2】

1,1/2,1,1/3,2/3,1,1/4,1/2,3/4,1,1/5,2/5,…
のように、あるきまりにしたがって数が並んでいます。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)はじめから数えて53番目の数はいくつですか。
(2)はじめから数えて100番目までに1は何個ありますか。
(3)7/16が最初に出てくるのははじめから数えて何番目ですか。

この問題は、私のブログをご覧の方は、群数列であることが分かるでしょう。
比較的解きやすい問題ですので、解法を理解しておく必要のある問題です。



その2.渋谷教育学園渋谷中学校【2の(5)】

次の□の中に+、-、×、÷をひとつずつ入れて、計算式を完成させます。
100+5□4□3□2□1
このとき、計算した答えが3ケタの整数となるものをすべてたすと□になります。
(式…計算も書くこと。)

小町算の発展型の問題です。
この小町算は、ちょっとパズル的な問題ですが、近年出題する学校が増えています。
公立小学校6年生の算数指導の時に、この「小町算」を取り上げたら、子供たちは興味を持って取り組んでいました。


Tea Break

タコと大葉とミョウガのワサビ和え 
器は、島田文雄の皿


【その1の解答】
この数列は、群数列ですので、規則性を見つけて、「組分けする」ことから始めます。
すると、
(1)(1/2,1)(1/3,2/3,1)(1/4,1/2,3/4,1)(1/5,2/5,…
のように組分けすることが出来ます。
1組には1つの数が、2組には2つの数が、3組には3つの数が入っています。

1組から10組までに入っている数の合計は、1から10までの和ですから55でしたね。…覚えておくと便利

このことから、53番目の数は、10組目の数であることが分かります。
10組目の数を逆から並べると1(55番目)、9/10(54番目)、8/10(53番目)…となりますから、(1)の答えは8/10を約分して、4/5ということになります。


(2)の問題は、100番目の数が何組目の数かを考えることからスタートします。
そこで、10組目までの数は、55個ありますから、ここを起点にして、たし算していきます。
55+11(11組目)+12(12組目)+13(13組目)14(14組目)=
105(個)となりますから、100番目の数は、14組目の数であることが分かります。

1は、各組の最後に必ず1個ありますから、100番目までに1は13個あるというのが答えです。
14組目の1は、105番目に出てくるから、入りません。


最後の(3)の問題ですが、7/16の分母の16が、その数が入っている組の数と一致していますから、7/16は16組目の7番目の数ということになります。

前の問題で、14組目までの数は、105個ありましたから、15組目までで、120個、それに7個たして127番目というのが、求める答えとなります。

中学受験を目指す場合は、「等差数列の和を求める公式」を使って、
1から15までの和を求め、それに7をたして答えを求めることができるようにしておきましょう。
(1+15)×15÷2+7=127(番目)


Tea Break

ささみとニラのからし和え
器は、岡田輝の備前焼の皿


【その2の解答】
この問題は、ただ漠然と条件に合う式を書き並べるようでは、正解できません。
順序立てて、「重複することなくまた数え漏れの無いように」書き並べていきます。

この傾向の問題は、「全国の公立一貫校の適性検査問題」に出題される資格がある問題です。
塾で特珠算の公式等を習っていなくとも、基本的な知識があれば、後は注意深く解いていけば正解にたどり着ける問題だからです。
ただし、公立一貫校の場合は、このような問題を解く解説文の中ので、一部をブランクにしておいて、そこにあてはまる数値を入れていく、「完成問題」的な出題になることでしょう。

100+5□4□3□2□1
この式の□の中に+、-、×、÷を入れて、3ケタの整数になるものを考える。
一番のポイントは何か気がつきましたか?

そうですね。3ケタの《整数》といっているのですから、「÷がはいる位置」が、この問題のポイントになります。
割った商が整数になるためには、1の前の□に、÷という記号を入れます。
(100+)は後から考慮するとして、それ以下を書き並べると

5×4+3-2÷1=21
5×4-3+2÷1=19
5+4×3-2÷1=15
5+4-3×2÷1=3
5-4+3×2÷1=7

ここまでできたら、半分得点をあげても良いのではないかと思います。

÷の記号が入る位置は、他にはないのでしょうか?
ここが考えられたら、この問題の正解に大きく近づきます。

4×3÷2とすると、商が整数になります。
よって、
5+4×3÷2-1=10
5-4×3÷2+1=0

以上、7通りが条件に合う計算式です。
100×7+(21+19+15+3+7+10+0)=775
これが正解です。
出来た方は、注意力と忍耐力のある方です。


以下の数列の解説も参考にしてください。

等差数列の問題

数列に関する問題

階差数列の基本的問題

群数列の問題

分数の数列の和をどう解くか

今春の中学入試問題にチャレンジ!…群数列



冷蔵庫でビアマグを冷やし、その中にビールを注ぎ入れる。
グラスと違った雰囲気で、ビールを楽しむことが出来ます。



岡野法世信楽窯変麦酒呑



岡田輝備前ビアマグ


陶器でできたビアマグは、内側の微細な凹凸によって、グラスと違ってビールを注ぐと、非常に細かいミクロの泡を適度に発生させます。
ビールに含まれている炭酸を適度な量に調整する働きも持っています。




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