「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』:今年もスズムシの鳴き声を楽しむ

2018年08月05日 | その他

 今年も知り合いの田中さんから、スズムシをいただき、鳴き声が最盛期を迎えています。スズムシの飼育は、小学4年生の娘が行っています。

 今年は異常高温が続いています。日本の夏の暑苦しさをいかに緩和して、住みやすくするかを私達日本人は工夫を続けてきました。風通しの良い建物を工夫し、よしずやスダレを使って目隠しと風通しを両立する工夫をしたり、打ち水をして路面の温度を下げたりといった実質的な気温の低下を考えるばかりか、服装・寝具といった皮膚感覚、絵画・書軸といった視覚、そして味覚を楽しむ食事の工夫、風鈴やスズムシの飼育など聴覚に配慮した工夫も行ってきました。





 スズムシは、古くから鳴き声を楽しむ対象とされ、平安時代から貴族階級ではに入れ楽しまれていましたが、江戸時代中期より虫売りの手で人工飼育が始まり、盛んに販売されたそうです。欧米人は虫の鳴き声を雑音として聞くか、鳴いていることすら気付かない場合が多いとされ、その要因は人種的な違いではなく幼少期の話し言葉の環境によるとする説があります。医学者の角田忠信によると、人間は一般には左脳が言語、右脳が言語以外の雑音の処理を行っていますが、9歳までの時期を日本語で育つと母音の音の物理的構造に似た人の感情音や自然界のさまざまな音を左脳で処理するようになり、日本人は例外的に虫の声をはじめ自然界の音を言葉と同様に左脳で聞いているそうです。



 羽は2枚と思われがちですが、羽化直後の成虫個体は4枚あり、その後に後脚で後翅を自ら脱落させます。羽化間もない個体は飛ぶこともあります。なお、長翅型と短翅型があり、飛ぶのは長翅型のみです。飼育を重ねた販売個体は短翅型の割合が多い上、飛翔筋の発達も悪いことが多いため飛ぶことは非常に稀です。夜行性のため触角が長くなっています





 スズムシを飼育している娘は、虫を含む動物がとても好きなので、楽しそうに世話をしています。観察しながら、「喧嘩をしてはだめでしょう!」とか言いながら、可愛がっています。毎年いただくスズムシですが、宵になるときれいな声で鳴き始めるスズムシの声で、涼を取っている私達です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの随想:新潟五頭連峰親子遭難で考えたこと

2018年05月23日 | その他

 新潟県阿賀野市の五頭連峰に登山に出かけた親子の行方は、今もわかっていません。同じ時期に、新潟市西区の小学2年大桃珠生さんが殺害された事件がありました。新潟市は、私の故郷でもありますし、五頭山を含む周辺の山に登ったことがあるので、双方の事件は気が気でありませんでした。

 親子が向かったと見られる松平山のどこにいるのでしょう。山の上には残雪もあり、この時期は雨でも降れば、気温も低下します。今回の遭難事件に対するネット上の意見は、登山自体を否定的に考えている人もいます。また。子供を連れた登山に対して、批判的な意見もあります。私自身は、趣味として50年程度、山歩きをしています。また、子どもを連れて山歩きもします。

 遭難者の個人的な問題を、登山全体に投影してしまっているといった印象を受けます。登山に出掛けた同日、午後4時ごろ「道に迷ったのでビバークする」という連絡が家族に届いたそうです。この人は、ツエルトを持参したのだろうか?考え辛い・・・私が最初に感じたことです。子連れで、ツエルトを持参するほどの山へ出かけることは、ちょっと考え辛いと私は感じました。おまけに、ビバークの決定がちょっと早いという印象があります。

 私が子どもを連れて山登りをするときは、何かあったら負ぶってでも下りてくる覚悟はしています。そうした意味で、体力的にも精神的にも、いかなる状況にも耐えることを前提としています。そうした点で、今回の遭難者の父親は、ちょっと判断を誤ったのではと思わざるを得ません。

 北アルプスや南アルプスを登っているときに、子連れの登山者と出会うことがあります。危険な箇所もある登山路の場合は、子どもの注意力と親の勇気に感動することがあります。私自身は、子どもを小屋泊まりで白馬岳・奥穂高岳・富士山・尾瀬などに連れて行きましたが、私自身が繰り返し登っている山や、登山路が比較的安全な山を選んでいます。日本アルプスのような山でなくとも、身近な里山の山あるきでさえ、子どもに得難い経験をさせることでしょう。

 今回の親子に対しては、私は毎日気が気ではありません。ただ、もう二週間が過ぎたので、生存も難しい状況になってきました。それでも、奇跡的にサバイバルしていることを願っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの山登り:大山阿夫利神社下社までの山歩き

2017年12月07日 | その他



 
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです。

 首都圏でも紅葉の名所と言われている、大山阿夫利神社下社周辺を散策するために、12月3日(日)に小学3年生の娘と出かけました。小田急線の伊勢原駅で下車し、バスで大山ケーブルバス停まで行き、そこから阿夫利神社下社まで行きました。

 ケーブルの麓駅までの道は、両側に売店や料理屋が囲んでいるこま参道と呼ばれる場所で、階段が続きます。この地域の名産であるコマを販売する店が多いことから命名されたのでしょう。今回はケーブルカーは使わずに、歩いて阿夫利神社下社を目指します。





 登山路は、男坂と女坂がありますが、女坂を選択しました。女坂には、各所に大山の七不思議があり、立て札に解説があります。休憩がてら観察しながら歩くのも楽しいと思います。







子育て地蔵
最初は普通のお地蔵様として安置されていたが何時の頃からか顔が童(わらべ)に変わっていた。この地蔵に祈ると子供がすくすくと丈夫に育つといわれる。



爪切り地蔵
弘法大師様が道具を使わず、一夜のうちに手の爪で彫刻されたと伝えられている。何事も一心に集中努力すれば実現できるとの教えである。



 娘の感想では、「赤く紅葉した木が多いね。大山はモミジが多いんだね。」でした。確かに、集中的にイロハモミジが植えられている場所があります。ただ、黄色に紅葉した木々や、茶色に紅葉した木々や、常緑樹などが混ざって、その色の対比が綺麗だと思います。



 大山阿夫利神社下社へ行く手前に、雨降山・大山寺があります。ここでは、“厄除け”と書かれた直径6cmの天日干しの土器を、がけ下に投げる「かわらけ投げ」でも有名だそうです。







 長い階段を登り切れば、目的地の大山阿夫利神社下社に到着します。娘は、一昨年のゴールデンウイークに、ヤビツ峠から大山山頂まで歩きました。従って、頂上にある上社には、既に参拝しています。

 神社の一角に周りが洞窟状態で薄暗い場所に、大山名水が滾々と湧き出していました。それを飲んで、娘はとても美味しいと言いました。それもそのはず。この子は、買っておいた飲み物のペットボトルを家に忘れたのでした。昼食も取り終わり、神社の階段を下りている時、突然大切なものを家に忘れたと言い出しました。それは電車で読む本と、ペットボトル。本はいいけれど、飲み物を忘れたのはまずい。飲み物をあまり飲んでいないことに気が付いていましたが、忘れたとは。そしてそれを言い出さないとは。名水が美味しいのは当たり前でした。彼女にとっては、救いの大山名水でした。







 下りは、ケーブルカーを利用しました。そして、こま参道の店を覗きながら帰りました。
大山では、江戸時代から土産物としてコマが作られていました。300年の伝統が受け継がれ、昔ながらの技法が今も守られているそうです。

 こま参道で、試食のサルナシのドライフルーツを食べて、美味しいと言っていました。初めて食べるフルーツで、名前もワイルドな感じ。家に帰ってからも話題にしていました。キュウイの原種で、実際に自生しているサルナシを、私もまだ見たことがありません。お土産には、干し柿と小さなコマが付いたキーホルダーを買いました。

 今回の旅には、もう一つ目的がありました。それは鶴巻温泉で入浴して帰ることです。ケーブル下のバス停から、鶴巻温泉までの直通バスが出ていましたが、フリーパスが使えないことなどちょっと合わずに、やはり予定通り伊勢原駅まで戻って、一つ先の駅である鶴巻温泉駅へ行きました。






 駅の近くに、鶴巻温泉弘法の里湯があります。そこで入浴しました。10歳からは、一緒には入浴できませんが、9歳なので一緒に男風呂に入りました。内風呂と露天風呂両方に入りました。天然温泉は、入浴時も良いのですが、入浴後も体がいつまでもホカホカして気持ちよいのが特徴です。

 入浴後は、休憩スペースが無いので、併設された蕎麦屋に入り手打ちの新蕎麦のせいろ蕎麦を食べました。最後に出汁に蕎麦湯を入れて飲むことを、娘は覚えていました。この夏に、桧枝岐でまる屋の裁ち蕎麦を食べた時に、初めて知ったことです。リサイクルだねと言いながら飲んでいました。こ
の子にとっても、様々な経験をした山歩きでした。

 ただ、登りの最期の階段では、この子の方が強かったので、私の基礎体力の低減がとても気になりました。何か疾病の影響か、単なる加齢のせいなのかは分かりませんが。





【標準的な歩程】
大山ケーブルバス停~0.15~ケーブル麓駅~0.40~大山阿夫利神社下社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの『四季を楽しむ』: 新宿御苑と神宮外苑いちょう祭り

2017年11月30日 | その他



 
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです。


 立冬が過ぎて、初冬の季節となりました。朝晩が厳しく冷え込む日もあり、秋過ぎて冬を感じる時期となりました。11月26日の日曜日、新宿御苑を経由して、神宮外苑絵画館前のイチョウ並木の黄葉を見に出かけました。

 新宿御苑は、新宿口から入場しますが、千駄ヶ谷口から出れば、絵画館前までちょっと歩けば行けるので、両方を楽しむことができます。そこで、小学3年生の娘と二人で散歩を兼ねて季節を楽しみました。

 新宿口の近くに、下の画像のようなモミジバスズカケノキの巨木があります。この子が、よちよち歩きの頃からずーと見守ってくれているような木です。

 雑木の茶色の紅葉も、捨て難く綺麗だと私は思っています。ざわざわと、風に揺れながら舞い落ちてくる枯れ葉の風情を、この子は喜んでいました。実は、私も葉っぱの一生の最期の舞を、その趣を味わうのが好きです。









 
イロハモミジも美しく色づいていました。その下の白い小さな花は、お茶の木の花です。娘は匂いを嗅いでいましたが、私には感じませんでした。

 ダイエーで買ってきた昼食を、休憩所で食べました。こうしたロケーションで食べる食べ物は、とても美味しく感じます。









 タムケヤマ手向山))の紅葉が見ごろでした。・・・マカエデの園芸品種。枝は曲がりくねりながら枝垂れる。別名のニシダレ。春の新葉は紅色、夏は緑色、晩秋に再び紅葉する。葉は掌状に7~9深裂し、縁には欠刻状の鋸歯がある。

 その色合いの美しさから、私はこの時期の新宿御苑で、このタムケヤマの紅葉に出会うのを楽しみにしています。







 新宿御苑の千駄ヶ谷口から出て、東京体育館の横を歩き、建設中の国立競技場を見ながら、いちょう祭りの会場まで歩きました。様々な店舗が開設されています。私たちは、イチョウ並木を見る前に、牡蠣焼八ヶ岳スモークと銘打った鶏とフランクフルトと豚肉をローストした物を買い、広場で食べました。娘は、いずれも「美味しい」と言いながら食べていました。







 このイチョウ並木の黄葉の最盛期、かつてよりも時期が遅くなりました。地球温暖化のせいでしょう。ただ、この並木の黄葉を期待している方は多いように感じます。行きかう人たちから、「綺麗!」の言葉が頻繁に聞き取れます。

 上の子どもたちが小さかった時、イチョウの落ち葉を集めて掛け合って遊んだことを思い出します。また、サツマイモ焼の屋台を見かけると、だいぶ古いことになりますが、ちょっと家庭環境が複雑な教え子が、熱々のお芋を楽しそうにほおばっている姿を発見したことを思い出して、目頭が熱くなります。





 四季の変化に富んだ日本に住む私たちは、折々の自然の美しさを楽しむことができます。その季節になると、出会いたいと思う風景や植物を思い描くことができる人は幸せです。様々な行事は、そうした四季の変化を楽しみ、健康と平和を願って行われます。自然の豊かさと、人々の願いが融合した豊かな日本の生活を楽しんでください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーのお出かけ:ちょっと変わった夕食

2017年11月26日 | その他



 
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです。

 何か訳の分からない夕食でした。予約を取ったということで、11月23日(祝)の夕刻、池袋のパルコにあるレストランへ、家内
と娘と出かけました。簡単に言えば、東方神起の再始動に合わせたイベントとして行われた期間限定の企画でした。私は名は知っていますが、全く関心のない領域です。

 限られたメニューの中から、列に並んでいる間に、回ってくる係員に食べる品を選び伝えます。9種類の中から、選びました。娘は赤いクマの顔のカレーライス、私と家内はパエリアを選びました。

 飾りを含めて全て食材でできています。耳を食べた。鼻を食べた。眉毛を食べた。・・・子どもは楽しそうに食事をしていました。パエリアのご飯は黒かったので、イカ墨で色を付けたのだろうと思われます。









 甘い物は、私と娘がマカロンを、家内は綿アメの木の食べ物を選びました。どちらかと言えば、子どもが喜びそうな食べ物でした。80分限定の食事でしたが、美味しかったというよりは、面白かったと言った方が正解の食事でした。







 あまり外食をしない我が家ですが、楽しい食事でした。予約した特別な食事でしたが、レストランで食事をしていた方たちは、東方神起のファンだったのでしょう。レストラン内のディスプレイには、東方神起らしき人たちが歌っている画像が流れていました。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの教育:映画「美女と野獣」を観て

2017年05月04日 | その他



 
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです。

 名作ディズニーアニメ「美女と野獣」を実写化した映画が封切られました。ゴールデンウイーク初日4月29日、小学3年生の娘を連れて観に行きました。1991年アニメーションで公開された『美女と野獣』ですが、『ハリーポッター』シリーズのハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンが主人公ベルを主演しています。

 ディズニーが得意とするミュウジカル仕立ての映画です。繊細なCGと音楽で場面を盛り上げています。この映画を観に行く前に、小学3年生は、この映画が大人向けの映画で、面白いかどうか心配していました。けれども観終わった後に聞いてみると、「とても面白かった。」という感想でした。

「美女と野獣」概略

 名作ディズニーアニメ「美女と野獣」を、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン主演で実写映画化。「ドリームガールズ」のビル・コンドンがメガホンをとり、呪いで野獣の姿に変えられた王子と美しく聡明なヒロインのベルが惹かれ合っていく姿を描く。魔女に呪いをかけられ、醜い野獣の姿に変えられてしまったひとりの王子。魔女が残していった1輪のバラの花びらがすべて散るまでに「真実の愛」を見つけなければ、永遠に人間に戻れなくなってしまう。希望をなくし失意の日々を送っていた野獣と城の住人たちの前に、美しい町娘ベルが現れる。自分の価値観を信じて生きるベルは、恐ろしい野獣の姿にもひるまず、彼の持つ本当の優しさに気づいていく。王子役をテレビシリーズ「ダウントン・アビー」のダン・スティーブンス、町一番のハンサム男ガストン役を「ホビット」シリーズのルーク・エバンスがそれぞれ演じるほか、燭台のルミエール役でユアン・マクレガー、時計のコグスワース役でイアン・マッケラン、ポット夫人役でエマ・トンプソンが出演。



 「美女と野獣」の主題は何でしょうか。人は見た目で判断できない。もっと内面に価値を置かなければならない。真の愛が、物事の解決のキーとなる。自分が信じる道を極めると、そこに幸福が待っている。・・・・・・そんなことを考えさせる映画でした。ただ、物語の進展と美しい音楽を楽しむという見方もあるでしょう。そうした人たちにも、十分に価値のある映画です。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの教育:映画「モアナと伝説の海」を観て

2017年04月05日 | その他



 
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!

 3月26日(日)、小学2年生の娘と映画を観に行きました。春休みであること、天候が良くなかったことなどから、映画館は大変な混雑でした。観た映画は、「モアナと伝説の海」です。



「モアナと伝説の海」の概要

 「アナと雪の女王」や「ズートピア」など、ヒット作を連発するディズニー・アニメーション・スタジオが、南の島と大海原を舞台に描いた長編アニメーション。「リトル・マーメイド」「アラジン」のロン・クレメンツ&ジョン・マスカーが監督を務め、海を愛する美しい少女モアナが、島の危機を救うために冒険を繰り広げる。かつて世界を生んだ命の女神テ・フィティの心が、伝説の英雄と言われたマウイによって盗まれ、世界に闇が生まれた。それから1000年にわたり、モアナの生まれ育った島モトゥヌイでは、外洋に出ることが禁じられていた。そんなある時、島で作物や魚たちに異変が発生。海の不思議な力に選ばれた少女モアナは、いまもどこかで生きているマウイを探し出し、テ・フィティの心を元あった場所に戻すことができれば世界を救えると知り、父親の反対を押し切り大海原に旅立つ。



 この映画は、かつてアメリカが持っていたフロンティアスピリットを、子どもたちに再び取り戻そうといった趣旨を感じました。また、「アナと雪の女王」と同様に、ミュージカル仕立てになっていて、美しい映像と音楽を融合させて観客を魅了するテクニックには、流石ディズニーの力量を感じました。このミュージカル仕立てのアニメは、長い伝統の上に築き上げられた成果なので、日本ではこうしたアニメを作成することは、未だにできないだろうと思いました。

 私たちの祖先は、遠くアフリカの大地で産声を上げ、幾多の困難を乗り越えて地球全体にその生活の場を確保しました。連続する陸地以外に、太平洋に散在する島々にも、海を越えて彼らは冒険の旅に出たことでしょう。その成功には、海の意思が働いたと考えるのも無理はありません。少女モアナが、冒険の旅に出るにあたり、海に選ばれたという設定に、その対応が見られます。

 日本のアニメよりも、外国のアニメには、子どもに対する教育上の配慮を強く感じます。今回の映画は、自分の殻を打ち破り、果敢に挑戦する大切さが語られています。フロンティアとは、例の西部開拓精神だけではなく、様々な未開で困難な分野に果敢に挑戦することだと思われます。ジョン・F・ケネディの「ニューフロンティア」などが、そうした例として挙げることができます。トランプが大統領になった弊害が問題となっていますが、こうした時だからこそ、再びアメリカにフロンティアスピリットが必要だと考えることもできます。アメリカにおいて、この映画が高く評価されている理由が、そうしたことを背景にしているように思います。

 土着的な少数民族に対する評価の高まりや、バナキュラーな文化の持つ自然との協調性やエネルギーは、現代の先進国が学ぶべき点が多いと考えられるようになりました。そうした背景も、この映画にはあると思われます。私にとって一番印象的な場面は、少女モアナが自信を喪失しそうになった時、モアナのおばあさんが幻として登場し、勇気づけるところでしょうか。このように、人類は子から孫へ、そしてずーと続く子孫まで、DNAを受け継いだだけではなく、その意思も引き継いできたのでしょう。

 劇中楽曲「レット・イット・ゴー」が歌うように、「ありのままの自分」を肯定して生きる内容の「アナと雪の女王」に対いて、「モアナと伝説の海」では、様々な障害を乗り越えて自分の生きる道を切り開く意思の強さがテーマでした。ただ、その我が道を乗り越えていく過程で、様々な人たちの援助が必要なことも語っています。子どもがどれだけ理解するかは別として、大人も楽しめる映画として、素直に良い出来の作品だと思いました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの教育:「世界遺産 ラスコー展 ~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」を観る

2017年01月08日 | その他

  

 
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!


 年末年始は教室の講習会で、元旦一日を除いて学習指導を行いました。時間的にも精神的にも余裕が無く、ブログの更新もままならない状態でした。講習終了後の1月8日(日)、上野の科学博物館で行われている特別展「世界遺産 ラスコー展 ~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」を、小学2年生の娘を連れて観に行きました。

 今から2万年ほど前、フランス南西部のヴェゼール渓谷にある洞窟に、躍動感溢れる動物たちの彩色画が描かれました。そこはラスコー洞窟、壁画を描いたのはクロマニョン人です。ラスコー洞窟の壁画は、彼らが描いた数ある壁画の中でも色彩の豊かさや、技法、そして600頭とも言われる描かれた動物の数と大きさなどが格別に素晴らしいと言われており、1979年に世界遺産にも登録されました。

 壁画を保存するため、洞窟は現在非公開となっていますが、その魅力を広く人々に知ってもらうべく、フランス政府公認のもと制作された展覧会が開催されました。
世界各国で人気を博しているこの巡回展に、日本独自のコンテンツを加えた特別展「世界遺産 ラスコー展 ~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」が、今回観に行った企画展でした。

 
本展では、謎に包まれたラスコー洞窟の全貌を紹介するとともに、1ミリ以下の精度で再現した実物大の洞窟壁画展示によって、普段研究者ですら入ることができない洞窟内部の世界を体験することができます。また、クロマニョン人が残した芸術的な彫刻や多彩な道具にも焦点をあて、2万年前の人類の豊かな創造性や芸術のはじまりを知る機会となる展覧会です。

 



 入口で「音声ガイド」を二人で借りて、観始めました。見どころは、ラスコー洞窟を再現した暗室でしょう。世界遺産に登録され、現在では閉鎖されている洞窟を模擬的に体験できます。この洞窟の壁画は、地元の子どもたちによって発見されたそうです。子どもたちもびっくりしたことでしょう。そして、それがとても重要なものであることを知った時、冒険のワクワク感が驚きに変わったはずです


この洞窟の壁画を描いたクロマニヨン人は、どういった気持ちでこれらの絵を描いたのでしょう。人類は、本能的に美術を作成し鑑賞する性質を持っているのだろうと思われます。力強く生きいきと動物を描いています。





 ネアンデルタール人が姿を消した2万年前、現生人類と直接に繋がるクロマニヨン人は、この洞窟の中を照らす照明を発展させ、どういった思いでこうした壁画を眺めていたのだろうと想像してしまいます。

 この時代、日本列島では旧石器時代に当りますが、こうした壁画等は日本では見つかっていませんが、たぶん同様に描いていたのだろうと思われます。日本の気候風土は、そうした物を残すには適さないことが、未発見の原因となっているのだろうと思われます。

 特別展を鑑賞した後、常設展で渋谷駅前の銅像で有名な「忠犬ハチ公」の剥製と、南極の基地で生き抜いた樺太犬の兄弟「タロとジロ」のジロの剥製を観ました。下の画像の白い秋田犬がハチ公で、その後ろの右手の犬がジロです。

 博物館は、知的好奇心を活性化させてくれるワンダーランドです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの教育:両国の大江戸博物館見学

2016年08月28日 | その他

 

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ 
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!


 上野の科学博物館を訪ねた4日後の8月16日、今度は両国の大江戸博物館へ出かけました。博物館へ行きたいという小学2年生の希望で、佐倉の国立民族学博物館へ行くことを初めに考えました。けれども、駅に掲示されていた大江戸博物館の特別展示「大妖怪展」を思い出し、連れていくことにしました。

 「土偶から妖怪ウオッチまで」というサブタイトルを、2年生はしっかりと覚えていて、大江戸博物館へ行くことに賛成しました。ただ、多くは子どものための展示ではなく、日本画や浮世絵の世界だろうと思いましたが、どの程度妖怪ウオッチ的な子ども用展示があるのかは、疑問でした。

 結論から言えば、大人用のたいへんマニアックな絵画を中心とした展示でした。最後の一室に、申し訳程度に土偶と妖怪ウオッチに登場するキャラクターの人形が飾ってあるだけでした。

 日本には八百万の神々がいらっしゃるということですが、こうした国では、その数に引けを取らない妖怪や悪魔的な存在を創出することになります。宗教的な恐ろしい存在や、自然を畏怖する心から生まれたものや、最近ではとても滑稽で身近な存在として親しまれているものまでいます。

 このような存在を、絵画や版画やあるいは立体として表現してきた美術的な作品群が日本にはあります。そうした作品からチョイスして展示したのが、今回の特別展でした。

 今回の展示の多くは、子どもには難しい絵画ですので、2年生のために音声ガイダンスレシーバーを借りて、ヘッドフォンを着けて鑑賞させました。けれども、後から感想を聞くと、解説はさっぱりわからなかったという反応でした。2年生としては語彙も豊富で理解力もあるのですが、さすがにオタク美術品の解説は難しかったようです。

 私は、子どものペースに合わすことなく、私なりにこのオタク文化とも言えるちょっと奇怪な文化を楽しみました。ただ、子ども向け展示もあるようなタイトルからすれば、「看板に偽りあり」と評価されても仕方の無い特別展でした。



 ただ、大江戸博物館は特別展がだめでも、常設展示だけでも十分に楽しむことができます。大江戸博物館は、若干のリニューアルがあり、以前よりは興味を持てる展示が増えました。しかし、入場者には、外国人や子どもが多いので、今よりもいっそう体験型展示を増やすべきでしょう。体験型展示をキーワードに、運営側は意識改革をして展示方法を見直してほしいと思います。

 ただし、古典芸能を観賞できるスペースが無くなり、そこにあった椅子が分散され、休憩スペースが増えたといった印象を受けます。見世物の企画や出演者交渉などの手間も中止の理由でしょう。しかし、古典芸能の観賞も、体験型展示の一方法でしたので、復活を望みたいと思います。





 館内いたるところに設置された縮尺模型展示(ジオラマ)は、江戸時代の建造物や人々の生活を鳥瞰的に眺めることができます。いわば、タイムマシーンを使って、その時代にさかのぼり、上空から実際に見ているようなものです。

 ジオラマは、細かい資料などの文字説明よりも説得力がありますが、費用をかけた設置物を入館者に受動的に鑑賞させるだけでは、博物館の本来持っている役割を果たしているとは言えません。






 今回リニューアルして改善されたことは、江戸時代の生活を仮体験できる展示物が増えたことです。これは、館内の外国からの観光客にも好評なようですし、子どもたちにも興味を持たせています。もっとこうした展示を、思い切って増やすことを、私は提案したいと思います。





 多くの入館者が、物を運ぶ籠付きの天秤千両箱を、実際に持ってその重さを体験していました。費用をかけずに、江戸時代の生活に興味を持ち理解してもらうためには、こうした体験型展示が重要なキーワードと言えます。

 人力車や昔の自転車は、実際に乗ることができ、子どもだけではなく大人もそれらに乗って楽しんでいました。仔細に入館者の行動や反応を分析すれば、おのずと思い切った展示方法の変更の必要性が理解できるはずです。未だに旧態依然とした展示を続けている博物館は、運営上怠慢だといえます。

 小学2年生にとっては、特別展示「大妖怪展」は外れでしたが、常設展示はリニューアルされて、以前よりも楽しめた見学になりました。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッキーの『四季を楽しむ』:小学2年生がゴールデンウイークで出会った花たち(2)

2016年05月10日 | その他



にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ 
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!


 我が家の2年生が頻繁に出かける場所・・・そこが新宿御苑です。御苑では、四季折々のさまざまな自然の営みを体験することができます。今年のゴールデンウイークにも、新宿御苑へ出かけました。

 これから暫くの間、アヤメ科・アヤメ属の仲間が目を楽しませてくれます。シャガ・ヒメシャガ・ハナショウブ・カキツバタ・アイリス・ジャーマンアイリスなど、水辺や湿原の他に、半日陰のやや乾燥した場所に咲くものもあります。下の画像は、カキツバタの花です。




 春咲きのバラが、バラ園に咲いていました。多種多様な園芸品種があり、それぞれの花に特別な名前が付いていて、花と名前を見比べながら楽しむ見方もあります。



 この時期、私が新宿御苑で見たいと思っている3つの花を紹介しましょう。下の画像を見て、それぞれの花の名前を答えられた人は、相当植物に詳しい人です。名前の答えは、画像の下に記します。








 一番上が、ホウノキの花です。大きな葉の上に、負けないくらい大きくそして強い芳香を漂させて咲いています。モクレン科の落葉高木で、大きな葉は様々な用途で活用されてきました。

 その下の画像は、ハンカチノキです。ハンカチノキはミズキ科の落葉高木で、花についた白い大きな2枚の苞葉が垂れ下がり、日本では「ハンカチの木」と呼ばれています。

 一番下の画像は、御苑で最も高木のユリノキの花です。モクレン科ユリノキ属の落葉高木で、チューリップの花の形に似た花を、いっぱいに付けていました。



 上の画像は、スイレン属の水生多年草です。日本のスイレン属は、ヒツジグサ(未草)の1種類のみ自生しています。一般的なスイレンは、いくつかの野生種を交配・品種改良した園芸種です。水面に温室のガラスが映って、絵画的な光景を見せていたスイレンの池です。

 梅の木には、青梅が生っていました。青梅、アジサイ、そして梅雨と続く夏に向かう季節の歯車は、確実に回転しているようです。





 上の画像は、代々木公園で見かけたエニシダの花です。エニシダ属はマメ科の属の一つで、原産地が地中海沿岸の低木です。明治期に導入され、湘南地方など海岸沿いの温暖な砂地の庭木や公園用樹として植えられているそうです。この種は成熟すると殻が激しく爆発することで遠くへ飛んでいくそうで、時には15mほど飛んでいくこともあるようです。

 熱い時には、これに限ります。原宿通りの新潟物産館で、本物のイチゴ入りのかき氷を食べました。





 2年生のリクエストで、上野の科学博物館へ行きました。恐竜の特別展には、長い行列ができていました。私たちは、いつもの常設展を見学しました。昨年リニューアルされた展示は、以前よりもかなり改善されて、子どもたちが興味を持てる体験的な展示が大幅に増えました。

 スクリーンに近づくと、自分の姿が映し出され、人間を感知するとその姿にヘルメットが装着されます。スクリーンの中では、風雨の中に立つ自分の姿が、その状態を体験する仕組みとなっています。画像では風速15mですが、最後は30mとなり、ヘルメットは吹き飛んでしまいます。



 帰りに、やはり土手の草原で遊んでいる2年生。ナメクジや青虫やミミズも手に持てる、動物や植物が大好きな子どもです。最近の一般的傾向として、子どもの衛生面に気を使い過ぎて、子どもが本来持っている好奇心試行錯誤のチャンスを、「汚い!」という一言で潰してしまっています。異常に虫を嫌がる傾向が、私の周りの子どもたちに顕著です。

 親が見て、危険な行為でなければちょっと我慢して、見て見ない振りをすることも大切で、子どもが体験的に知識を得るチャンスを作り出すことが必要です。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする