「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーが教える学力を伸ばすコツ!・等差数列の問題

2008年06月18日 | 学習指導法

前回「教育関連のブログ」では、2回にわたり「名探偵コナンに挑戦だ!」と言うタイトルで、「論理的に考える力を身に付ける大切さ」をお話ししました。

そうした論理的な思考の例として、「等差数列」(差が一定の数の並び)の問題を扱いました。

わたしのブログの「検索キーワード」に、よく「等差数列の公式」のワードがありますので、今回のブログのテーマは、この「等差数列の公式」について説明し、数回にわたり数列の問題を取り上げます。


数列の問題は、中学受験をしない場合、高校2年生の「数学B」で学習する内容です。

しかし、等差数列の公式を導き出す考え方などは、実は小学3年から4年にかけて学習した考え方で導き出されます。

進学塾では、小5の初めの頃に習う公式です。

中学入試においては、「数の性質」の問題は、以前は減少傾向にありましたが、「公立一貫校」を含め「数の規則性の問題」として、最近は復活してきました。

しっかり理解して、活用してください。

では、「家庭で指導する場合」の、「等差数列の公式の教え方」を伝授しましょう。


初夏の芳香を周囲に漂わせながら、クチナシの花が咲き始めました


【等差数列の基本的な問題】

2,5,8,11,14・・・ と言う数列があります。

①初めから数えて25番目の数はいくつですか。
②初めの数から25番目の数まで加えると、その和はいくつですか。


「①の問題は、簡単さ。25個書いていけば良いんだから!」・・・なんて言っている人はだれかな?

それでは、「100番目の数はいくらですか。」という問題になったら、大変でしょう!


この①を解く公式は、

N番目の数=初項(初めの数)+公差(加える数)×(N-1)です。

中学受験生は、無論知っていますね。


では、この公式を丸暗記しなければならないのか。

親は、どうやって説明したら良いんだろう。


では、まず5番目の14を求める式を考えます。

難しい問題は、小さな数でモデルを作り、チェックしてみます。…これはとっても重要な考え方です

この問題は、差が3の等差数列(簡単に言えば、3飛びの数のならび)です。

2  5  8  11  14
  ∨   ∨   ∨    ∨
  3    3   3     3

5つ数字が並ぶと、間は4つ。

… 木の数5本ならば、間の数は4ヶ所の関係 … そう、「植木算」です。

間の長さは3と考えると、2から14までの差は、「間の長さ」×「間の数」

したがって、5番目の数は、 2+3×(5-1)=14という式になります。


この式を一般化すれば、
初項(初めの数)+加える数(公差)×(N-1)となります。…公式完成

N-1は、「植木算の間の数」だったのです。

したがって、①の答えの出し方は、
2+3×(25-1)=74 となります。


クチナシの花…夜道を歩いていると、甘い香りが香ってくる…そんな印象の花
春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、秋のキンモクセイ…香りで季節を感じさせる花ですね


次に、②の問題です。

①の問題は、最悪全て書きならべても、答えを求めることが出来ますが、今度はそうはいきません。

25個書きならべた数を加える計算は、大変です。

この問題は、「等差数列の和の公式」を覚えていないと解くのが難しいのです。


等差数列の和の公式は、

N番目までの等差数列の和={初項(初めの数)+末項(終わりの数)}×項数(個数)÷2

実はこの公式は、前回取り扱ったガウス少年についての逸話「1から100までの和を求める」問題の解答方法です。


しかし、この公式は、前回説明した方法の他に、「視覚的にもっと分かりやすい教え方」があります。

例として、2+4+6+8=□を考えます。

○○
○○○○
○○○○○○
○○○○○○○○

この○の数の和を求めることを、図形的に考えてみます。

上の図形は台形の形をしています。台形の面積を求める公式は、

台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2です。

この公式に数値を代入すると
(2+8)×4÷2=20となります。

等差数列の和を求める公式の、初項は上底、末項は下底、項数は高さに対応させます。

実は、「等差数列の和の公式」は、「台形の面積を求める公式」と一致するのです。

ですから、台形の面積を求める公式を元に、等差数列の和の公式を覚えると、忘れることはないでしょう。

②の答えは、
(2+74)×25÷2=950と出てきます。


このように、等差数列のN番目を求める公式を植木算の考え方で、そして等差数列のN番目までの和を求める公式を台形の面積を求める公式と関連付けて覚えると、忘れることはありません。


多くの公式は、すでに習った考え方を利用すると、
覚えやすいものが多くありますので、
関連させて覚えることが大切です。



数列に関する関連ブログです。興味ある方は、ご覧ください。

数列に関する問題

階差数列の基本的問題

群数列の問題

分数の数列の和をどう解くか

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今春の中学入試問題にチャレンジ!…群数列など




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ワカリヤスイ (中学入試マン)
2012-01-08 22:59:51
トテモワカリヤスイデス
返信する
助かりました (きなこ)
2015-10-07 09:44:31
やさしいと謳う問題集を買ってみたものの
様々な公式だけでわからず、
数学が得意な家族も土日に会えるか会えないかで
独学で勉強中で困っていました。
ネットで調べていたらここに辿りつきました。

とてもわかりやすくて、参考になりました。
ありがとうございます。助かりました。



返信する
Unknown (リンリン)
2016-08-03 09:59:11
私は等差数列が苦手です。でも、マッキーさんのおかげで、克服できました本当にありがとうございます心から感謝していますこれからもよろしくお願いします
返信する
Unknown (マッキー)
2016-08-03 23:04:49
等差数列の公式は、高校1年数学で学習しますが、中学入試においては、基本事項です。そうした学習内容を、小学生でも分かり易く理解できるように、教え方を常々考えています。
そうした教え方・考え方を、ブログでも公開しています。目の前にいる教室の生徒以外に、ネット上で参考にしてくださる方がいることが、ブログに載せる励みにもなっています。
リンリンさん、コメントありがとうございました。
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