ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
朝の気温が氷点下になり、またインフルエンザの流行が話題になるこの季節、受験生の皆さんには、緊張が増してくる時期でもあります。大雪の中を受験場に向かうセンター試験受験生の姿をテレビで見ました。悪天候に負けずに、自分の力を出し切ってほしいと願いました。
首都圏の中学入試は、1月10日から埼玉方面の学校の入試が始まり、1月20日から千葉方面の学校、そして2月1日から都内の学校の入試が順次スタートします。また、都立高校推薦入試が、1月26日・27日に行われます。中学入試・高校入試・大学入試とも、火ぶたが切られました。
教室のホワイトボードには、入試日までのカウントダウンの日数と、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉が記されています。小学6年生の受験生が書いたものです。その言葉の意味は、人間の能力でできる限りのことをしたら、あとは焦らずに、その結果は天の意思に任せるということです。
ホワイトボードの横には、「一意専心」と刻んだ書の篆刻が飾ってあります。努力した受験生が、その成果として合格を勝ち取ってほしいと私は願っています。
下のブログは、受験生及びその保護者のための入試直前のアドバイスですので、参考にして下さい。
マッキーの受験アドバイス:風邪をひかないための体調管理
マッキーの随想:脳を活性化できるか? 受験生の『 ブレインフーズ』
マッキーの受験必勝アドバイス(2)受験日前日と当日の注意点
マッキーの受験必勝アドバイス…(1)入試直前の過ごし方
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
埼玉方面の中学入試が10日からスタートし、いよいよ中学受験の季節となりました。また、大学センター試験が、全国一斉に16日・17日の両日行われました。そして、都内の私立高校推薦入試が1月22日から始まり、いよいよ私立と都立の高校の受験が始まります。受験生と受験生の保護者の方は、これからしばらくの間、気の抜けない日々が続きます。
今日は、後悔の残らない受験を目指して、受験生とその保護者の皆様に、長年の経験で培った入試直近の心構えを伝授しましょう。
入試直前には、学習の内容を深めることは無論のこと、精神面と健康面において、できるだけ良い状態を保つことを心掛けることが大切です。そのためには、受験生だけではなく家族全員が協力して、そうした状態を作り出すことが肝要です。
ともすると、受験生はナーバスになって、効果的な学習ができなくなったり、体調も崩すことがあります。ましてや、インフルエンザが流行する時期にもあたり、気持ちのバランスを崩すことが、風邪にかかる原因ともなります。
しかし、受験直前だからと言って、あまり特別なことをする必要はありません。前向きな気持ちを維持すること、最後まで、自分の弱点を攻略する積極的な学習を続けることが必要でしょう。
ただ、この時期には、夜遅くまで学習することは避けて、朝方の学習にシフトすることは必要です。一般的な入試は、昼前までに勝負は決まるのですから、昼飯を食べた後から頭脳が快調に動くような生活スタイルでは困ります。
今までに綴ってきたブログで、受験直前に必要なことを述べたものを以下に載せます。参考にご覧ください。今日は大寒ですが、すでに寒桜などが咲きはじめています。受験生の皆さんも、志望校に合格して、我が世の春を実感してほしいと願っています。
マッキーの受験アドバイス:風邪をひかないための体調管理
マッキーの随想:脳を活性化できるか? 受験生の『 ブレインフーズ』
マッキーの受験必勝アドバイス…(1)入試直前の過ごし方
マッキーの受験必勝アドバイス(2)受験日前日と当日の注意点
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
都内中学入試が一段落した今、経済的要因で頭打ちなったとは言え、根強い人気を維持している中学入試について、今日はブログで取り上げ、考えてみたいと思います。
私立中高一貫校の長年の努力の結果として、中高6ヶ年一貫の教育のメリットが一般に定着して、中学受験率が上昇しました。公立中高を経由するよりも、私立中高一貫校が、相対的に教育に熱心であったこと、また6ヶ年のスパンを有効に活用することによる教育的利点が多かったことなどで、子どもを持つ家庭に、その信頼と優位性を勝ち取りました。
また、首都圏においては、小学校受験・高校受験・大学受験と比べても、中学受験の多様性が際立ちます。コース選択の多岐さ・日程の幅広さ・選択する学校の豊富さなど、家庭で吟味するときには、その選択に苦慮するほど多様な針路が準備されています。
例えば、12月中に東大付属の推薦入試を考えることができます。年が明けた1月には、10日頃から埼玉方面の私立中学、20日から千葉方面の私立入試、そして2月1日から都内の私立入試が始まります。そして、2月3日には、都立(区立)中高一貫校と国立付属の中学校の入試を受けることができます。また、帰国子女なら、年末から1月にかけて数多くの私立中学校で、別枠の入試を設定しています。
おまけに、都内私立中学の多くの学校が、複数回の入試を設け、かつ午後入試も一般化しました。ですから、多くの中学受験生は、午前中に受験したあと、午後に別の中学校を受験するようになりました。そして、受験の結果は、即日でネットを使い発表されることが多いので、その結果を見て翌日の受験校を決めることができます。もう少し具体的に説明しますと、受験結果を見て、合格していればチャレンジ校を、不合格なら合格安全校を受けるといった、同日に複数出願というテクニックを使い、受験日を有効に使うこともできます。
この受験チャンスの多様性は、繰り返し指摘しておきますが、小学校・高校・大学の受験に対して、遥かに優位であると言えます。ただし、あまりに併願の組み立てが複雑なために、塾などの専門家にアドバイスを受けないと、それぞれの子どもに合った受験を組み立てることができない状況であることも事実です。
昨今の経済状況下では、私立中学進学の優位は認識していても、進学させることが難しい家庭も多いことでしょう。その観点から、公立中高一貫校の開設は、そうした家庭に朗報となりました。現実として、公立中高一貫校に対して、「費用は公立学校、授業は私立進学校」を願望するのが、進学を希望する家庭の考えであることは確かです。私の教室から公立一貫校に合格した子どもたちには、母子家庭が多いのも事実です。私立に進学できないそうした家庭の願望を、簡単に批判することはできないでしょう。そうしたプレッシャーを、公立中高一貫校の現場では、ひしひしと感じ、指導の改善が成されているといった実態があると思われます。
中学へ進学する場合、地元の公立中学に進学するのか、それとも上記で説明したように、私立・国立・公立一貫校などの選択を考えるのか、家庭の事情を考慮に入れながら、検討をしてみることも大切です。
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
中学入試においては、1月10日から埼玉方面の受験が始まり、20日から千葉方面の受験もスタートします。今週は、大学センター試験が18日・19日に行われます。1月中の高校入試では、来週に都内の私立推薦入試があり、その後都立の推薦入試があります。いよいよ本格的な受験シーズンの到来です。
桜の咲く頃、そのピンクの花が、新入生を祝福するように咲き乱れます。グローバルスタンダードの名の下に、新年度のスタートを9月に変更しようとする流れもありますが、日本の自然のサイクルからすれば、私はこの日本の伝統を重視したい一人です。
しかし、受験の時期という点で見れば、厳しい気候条件の頃に入試が行われることは事実です。正月を過ぎ2月上旬まで、日本では最も寒い日々が続きます。また、東京では、西高東低の本格的な冬型の気圧配置が崩れ始める2月上旬から、雪が降ることも多く、受験生はその対策をしておかなければなりません。
加えて、受験生にとって、もっと厄介なのは、この時期に猛威をふるうインフルエンザです。結局は、全員が同じ条件なので、その対策を事前にしっかりと立ていたかどうかが問われます。風邪に感染するかどうかは、幸運・不運もあるでしょうが、厳しい見方をすれば、それも実力だとも言えます。
受験指導では、この時期には基本を中心に総復習し、無理をしないといったことが主流です。しかし、私は長年の経験から、最後まで自分のグレーゾーンを責め続けるといったスタンスで学習することを勧めたいと思います。ただ、そのためには、日頃からどの分野がもうちょっとなのかという、自分の弱点を知っていることが必要です。陣取り合戦のように、グレーゾーンを自分のテリトリーに引き入れる努力を続けることです。
もう一つ受験生に大切なことは、そうした知識を増やす努力だけではなく、受験本番にそうした知識を得点に結びつける得点力の養成です。同じ学力があったとしても、テストでの得点力には差が出ます。最も大きく影響を与えるのは、集中力であり、特に入試直前には、集中力を高めていくことが大切です。集中力を高める精神的なコントロールが重要ですが、特に中学受験生に対しては、家族全員がそのことを配慮していく必要があります。たとえ、どんなに知識を増やす努力をしても、本番でケアレスミスを連発してしまえば、その努力は水の泡となってしまいます。
集中力を高める具体的な方法は、ちょっと複雑な計算を、毎日時間を決めてやること。例えば、計算10題を、朝起きたらできる限り素早く計算する練習をすること。これだけでも、集中力の維持と、早朝から頭を素早く機能させる訓練になります。
入試直前は、願望・不安・期待・焦り・・・・・・、さまざまな感情が交錯する時期です。過度にそうした精神的な面が強く作用すると、集中力が欠落してしまうことさえあります。常に平常心を忘れることなく、「合格するぞ!」という闘争心の炎を燃やし続けることが大切となります。
入試本番に、自分の持てる実力を発揮して、納得のできる受験をしてください。塾の受験生の皆さん、指導してきた第三砂町中学校の受験生、そして私のブログをご覧の方に関連した受験生の皆さん、以上のアドバイスを参考にして、必ず志望校合格を勝ち取ってください。新春の陽光が、皆さんの頭上に、輝きますように!
以下のブログは、受験生および受験生のいらっしゃる家庭に参考になるように、かつて綴ったブログです。興味ある方は、ご覧下さい。
マッキーの受験必勝アドバイス…(1)入試直前の過ごし方
マッキーの受験必勝アドバイス(2)受験日前日と当日の注意点
マッキーの受験アドバイス:風邪をひかないための体調管理
マッキーの随想:脳を活性化できるか? 受験生の『 ブレインフーズ』
公園に咲き始めた、ニホンスイセンと、冬咲きの桜。
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
長野県の菅平高原では、19日朝マイナス29.2度を記録し、本州で観測された最低気温記録を更新するなど、まだまだ日本列島は寒い日が続いています。
私の実家がある新潟市秋葉区でも、今年は雪が多く、60cmを越える積雪が観測されているようです。
先日そんな寒さを吹き飛ばす、心温まるメールをある方から頂きました。
その方とは、以下のブログで紹介した、算数の指導法に関するメッセージを頂いた受験生の保護者です。
マッキーの受験アドバイス:ブログのメッセージに答える
【頂いたメール】 (一部学校名が特定されないよう省略してあります。)
先日は突然のメールにもかかわらず親身にアドバイスして下さり本当に有難うございました。
あの日から繰り返し、速さの問題を猛特訓し克服できました。
~~大学附属中学校に合格できました!!
~~~本当に力になりました。(速さの問題は必ず出題されますので・・・)
合格発表の受験番号を見つけた時の感動と子供の笑顔は今も忘れられず、応援して下さった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ただ、今回本当に嬉しかった事は、~~試験が終わり子供が戻って着た時に「ママ、僕全て出し切った。もしこれで落ちても悔いないわぁ」と清々しい笑顔で言ってくれた言葉でした。
成績やメンタルな面で大変な時期もありましたが、あきらめずに乗り越えた事で、今後辛い事があっても絶対に頑張れると思います。
遅くなりましたが先生にご報告したかったのでメールさせていただきました。
~~~。
(満開のロウバイの花:2月19日)
【私の返信メール】
お知らせありがとうございます。
文面からも、合格の喜びがひしひしと伝わってきて、私もとても嬉しく思います。
それは、教え子の合格と違った、花開いた桜を仰ぐような爽やかさを感じるメールでした。
本人も力を出し切れたと感じ、結果合格を勝ち取れたことは、素晴らしいことです。
メールを頂くほど、アドバイスできたわけではありませんが、ともに喜びたいと思います。
国立の入試は特別で、全方位の学力が要求されます。
実は、私の子どもも筑波の附属に中学入試で入学しました。
「灯台下暗し」の諺通り、テスト数日前に、過去問の出来を確認すると、全くやっていないことが判明。
併願する私立とは全くテスト形式が異なることを教え学習させたことを、懐かしく想い出しています。
中学生になれば、交通費も大人。
だんだんと、親から距離を取り始め、自立の道を歩き始めます。
努力して身に付けた難関校に合格できる学力と、合格した自信が、これからの糧となることでしょう。
健やかに成長されることを祈っています。
マッキー
(冬の間中咲いている、ジャノメエリカ)
受験生にとっても、その保護者にとっても、厳しい試練とも言える受験シーズン。
その真っ直中に居て、神経をすり減らす進学教室の教師として、自分が直接指導した生徒の合否は、さまざまな思いが交錯して、よい結果であれ喜びの中にも複雑な思いが混じります。
しかし、今回頂いた合格のお知らせに、私は純粋に嬉しく感じました。
遠方に住む顔も知らない受験生とその保護者が、合格の喜びに浸っている情景が、心温まる風景として脳裏に浮かんできて、微々たるアドバイスだけでしたが、僅かでもお役に立てたことが嬉しかったのです。
このメールを頂いて、最も印象に残ったことは、「ママ、僕全て出し切った。もしこれで落ちても悔いないわぁ」と、テスト後に受験生であるお子さんが言った言葉でした。
受験生として、自分の学力を本番に出し切れるか?・・・それは重要な課題です。
体調や精神的な状態といったコンディションを整え、志望校の入試問題の対策を立て試験に臨むことによって、始めてこうした言葉が出てくるといってよいでしょう。
しかし、風邪などの体調不良、不慮のアクシデントなど、そうしたことを阻害する要因もあり、充分に自分の力を出し切れる入試を経験できれば、それだけで幸運といえます。
塾の教師の視点で見れば、入試の合否はすべてと言ってよいほど重くシビアな審判なのですが、もっと広い教育的見地で考えれば、不合格もその結果を活かしていく道が存在することは確かです。
また、反対に「燃え尽き症候群」とも言われる、激戦を制したあと目標を見出せずに、意欲を喪失して虚脱感に襲われる生徒もいます。
結果が出た後は、周囲の大人が広い視野にたって、合格しようが不合格であろうが、さまざまな配慮とサポートをしてあげることが大切です。
今年は梅の花も、早咲きの桜の開花も、だいぶ遅れているようですが、今回のメールの受験生と保護者には、そんな寒さも吹き飛ぶほど、既に「桜咲く」の春が一足先にやってきたことでしょう。
(注)今回のブログは、メールを頂いた先の保護者の了解を得て作成しました。
最低気温の記録を塗り替えた19日の朝、
寒風の吹く公園の地面の落ち葉の中から、
青々とした雑草の新芽が顔をのぞかせていました。
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
今日の話題に入る前に、昨日1月30日の訪問者641IP・閲覧数1854PVで、ブログを始めてから総閲覧数が100万PVを越えました。
ブログを始めてから、「gooブログ」が自動的にカウントした合計数値です。
カウントはあまり気にしないようにしていますが、ブログを綴る励みになることは事実です。
2月1日、都内の私立中学の入試が、本格的にスタートしました。
今月は、都内私立高校一般入試、そして都立高校一般入試が控えています。
この受験シーズンが到来すると、受験生にとって厄介な、インフルエンザを含む風邪の季節もまたやってきます。
受験生を指導する塾の教師として、私は受験シーズン中に風邪をひくことはありません。
特段の風邪予防策はとってはいませんが、かからないための常識的な注意は払っています。
受験生には酷かも知れませんが、「『風邪をひいて実力を出しきれなかった。』などということは無く、それも含めて実力の範疇だ。」と、生徒に言って注意を促しています。
「健康も、体力も、もっと言えば幸運も実力の内!」
そうは言っても、是非風邪などをひかないで、後悔しない受験をしてもらいたいと願っています。
多くの受験生を指導してきて、「風邪をひいてしまい、テストを考慮した薬を調合してもらっても、体調不十分な分だけ、得点にマイナスに影響する」ことは事実で、そうした事例を少なからず知っています。
そこで今日は、風邪の予防について、受験生および受験生の保護者の方が留意して欲しいポイントを整理したいと思います。
まず、風邪の正体は何か?
風邪の原因の約9割がウィルス感染によるものと言われています。
特に注意したいのは、インフルエンザウィルスの感染によって厳しい症状を引き起こす「インフルエンザ(流行性感冒)」です。
風邪をひかないためには、それらのウィルスに打ち勝つ「体力と抵抗力」を付けること、それからそうした「ウィルスを体内に侵入させない工夫」の2点が重要です。
1.ウィルスに打ち勝つ体力と抵抗力を付ける。
私たちは、無菌室で活動しているわけではないので、ウィルスとの接触は不可避です。
したがって、風邪をひかないためには、ウィルスに打ち勝つ体力と抵抗力を付けておくことが、一番大切なことだと言えます。
【栄養のバランスを考える】
良質のタンパク質をしっかりととって、体力をつけておくことが重要です。
鼻や喉の粘膜を強くするビタミンAは、レバー・あんこうのきも・うなぎ・卵黄・焼き海苔・抹茶・ホウレンソウなどの緑黄色野菜に含まれています。
ウィルス感染や寒さに対する抵抗力をつけるビタミンCは、ピーマン・アセロラジュース・芽キャベツ・パセリ・ブロッコリー・ジャガイモ・サツマイモ・焼き海苔・抹茶に含まれています。
白血球やリンパ球の働きをよくして免疫力を高めるビタミンEは、あんこうのきも・筋子・イワシ・カボチャ・モロヘイヤ・抹茶・アーモンドなどに含まれます。
上の食品を眺めると、神経質に食事を考えることより、好き嫌いせずにバランス良く さまざまな食品を摂取して、体内に吸収されやすくよく噛んで、かつ楽しく食事をすることが、昔から言われてきたとおり重要であると考えられます。
【免疫力を維持・増進する】
ストレスや過労そして睡眠不足などにより体力が低下すると免疫力が低下して風邪にかかりやすくなります。
生活リズムを整え、くよくよせずストレスをため込まないように、気分転換も必要です。
【室温・湿度の管理】
喉や鼻の粘膜は、ウィルスの侵入や感染を防ぐ役割をしていますが、乾燥した環境では、粘膜の防御機能が低下します。
また、乾燥した環境ではウィルスの活動自体が活発となりますので、部屋の湿度を50%~70%を目安として、加湿する工夫が必要です。
加湿器の他に、室内に洗濯物を干したり、私などは浴槽の蓋を開け浴室の扉を開放しておくなど工夫しています。
【衣類の注意】
過度の厚着は考えもので、汗をかきやすくなり逆に冷えて風邪をひきやすくします。
受験生は、室内と屋外では温度差が激しいので、着脱が簡便にできる服装で受験しましょう。
下着は保温性・吸湿性の優れたものをまめに取り替えることも必要です。
【予防接種を受ける】
今年流行するインフルエンザウィルスの型や、刻々と変異するウィルスにどの程度対応できるか私は疑問を持っていますが、確率論的に言えばインフルエンザワクチンの接種により、感染した場合症状を軽くすることができると思います。
受験生の場合、予防接種をしておくことは、ある程度インフルエンザの予防になり、かかっても軽微で済むと考えられます。
(2月上旬は、関東地方でも降雪がよくあります。)
2.ウィルスを体内へ侵入させない工夫をする。
ウィルスの感染は、多くはインフルエンザにかかった人の咳やくしゃみによる飛沫を吸引してしまうか、それらが付いた部位を手で触ってしまい、食事などにより経口感染することが多いようです。
たぶん、空気中にはさまざまなウィルスが一般的に浮遊していると考えられますが、特に人々が多く集まる駅や病院そして学校などには、密度的も確率的にも多くのウィルスが浮遊し、付着していることが考えられます。
人混みをできるだけ避けることが大切ですが、そうは言っても生活上止む終えずそうした場所にかなりの時間留まってしまうことが稀ではありません。
そこで、ウィルスを体内にできる限り侵入させない工夫が必要となります。
【マスクを使用する】
値段の高いマスクを使い回すより、安価な使い捨てマスクを毎日取り替えて使うことが良いと言われています。
通勤通学時の公共交通機関や、学校・病院・エレベーターなどでは、マスクによる予防効果が高いと思われます。
【外から帰ったら手洗い・うがいをする】
外出すれば、さまざまな場所を手で触れることになりますが、そうした場所にウィルスが付着していることが考えられます。
そうしたウィルスを体内に入れないために、外出から帰ったときなどに手洗いで洗い落とすことは理にかなった方法と言えます。
うがいの効用には、疑問符が付けられているようですが、真水ではなくお茶や紅茶でうがいを行うと、お茶に含まれるカテキンの作用とうがいの相乗効果で、のどを清潔に保つことができます。
【家族間のタオルの共用は避ける】
受験生のいる家庭では、上記のポイントを全員が協力して実行し、風邪をひかないようにする努力が求められます。
また、家庭内にウィルスが侵入した場合、家族間での感染を防ぐことも重要なテーマです。
水回りの洗浄とともに、タオルの共用を避けることも、家族間の風邪感染の予防となります。
受験生のいる家庭における風邪の予防のための方法を、「ウィルスに打ち勝つ体力と抵抗力を付ける」(神経質にならない!)ことと、「ウィルスを体内の侵入させない工夫をする」(常に気をつける!)ことの2点に分けて説明しました。
以上の点を是非実行し、風邪などひくことなく、最善の体調で入試を迎えられることを念願しています。
受験生の食事について関心のある方は、以下のブログもご覧ください。-
マッキーの随想:脳を活性化できるか? 受験生の『 ブレインフーズ』
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
受験が近づいてくると、受験生は無論のこと、その保護者の方にも受験生以上の精神的な負担がかかってきます。
特に中学受験生を持つ家庭では、学力アップと体調管理で、たいへんなことと推察されます。
そんな父母の方から、私のブログに算数に関する指導法アドバイスのメッセージが入りました。
それを紹介しながら、今日は家庭における算数の学習指導法を伝授したいと思います。
相手を特定できる内容ではありませんので、「メッセージの問題」を掲載して、受験生を抱える多くの家庭へのアドバイスとして活用させていだだきます。
また、メッセージには家庭の学習状況の記載もありましたが、割愛します。
【届いたメッセージ】
《算数の問題》
毎朝7時30分に家を出て同じ電車に乗っています。毎時3kmで駅に向かうと途中の信号で止まることもなく電車の発車時刻の5分前に着きます。ある日家を出るのが7時40分になってたので毎時5kmで駅に向かいました。すると途中の信号で2分間止まり電車の発車時刻に1分遅れて着きました。
(1)家から駅までの道のりは何mですか
(2)毎朝乗る電車の発車時刻は何時何分ですか。
分かりやすく理解させるにはどのように説明すればよいでしょうか?
どうかお力を貸して下さい。
宜しくお願い致します。
【メッセージに対する返答】
問題に答える前に、この問題のポイントが、「道のりが一定の時、速さと時間は反比例する。」という、重要な事柄を使いますので、この点をお子様は理解されていないことが考えられます。
速さに関する文章題を解く重要事項ですので、確認してみてください。
同じ道のりを時速3kmと時速5kmで行った場合の時間をそれぞれA時間とB時間とすると、その道のり=3×A=5×Bと表すことができます。
したがって、時間の比は、速さの比の逆比である5:3となります。
時間の比が5:3と出ていますので、5と3の差の2が6分に当たることが分かります。
よって、5×3:3×3=15:9=15分:9分がそれぞれかかった時間となります。
家から駅までの道のりは、時速3kmで15分、または時速5kmで9分で進む道のりで計算できます。
毎時3kmで行った場合で計算すると、家から駅までの道のりは、
3×1000×15/60=750(m)・・・(1)の答え
毎朝乗る電車の発車時刻は、7時30分に家を出て15分歩いて5分前に着いたという条件から、30+15+5=50(分)
よって、7時50分が(2)の答えとなります。
この問題を子どもに解説する場合、この問題の主題である「道のりが一定の時、速さと時間は反比例する。」という重要事項をしっかりと確認すること、出題条件を整理すること、それから問題を複雑化している条件を除去する工夫が必要です。
そしてこの三点は、すべての算数の問題を指導するポイントにもなっていますので、念頭に置いておきましょう。
(私が20年ほど前に考案した花丸カタツムリ、花丸よりも満点賞もの・レアもの)
受験生を抱える多くの家庭でも、入試が近づく今ころになると焦りも出てきますし、学習指導面に関しても、上記の家庭と同様のお悩みをお持ちの事と思います。
こうした状況は特殊例ではなく、受験生を持つ一般的な家庭における悩みと考えて差し支えありません。
悲観的にならず、かと言って楽観過ぎても問題で、前向きに考え一歩ずつ前進する努力は必要です。
ところで算数を学習する場合、特に入試問題を学習する場合、その入試問題には必ず出題意図があることを理解しておくことが重要です。
出題者は、決して寝ぼけ眼で問題を考えたわけではありません。
自分の学校に入学する生徒には、是非この程度の基礎事項を理解していて欲しい、またはこの程度の考える力をつけて入学して欲しいという願望を、出題者は入試問題に投影して作問しているはずです。
したがって、単に問題の答を出すだけではなく、その出題意図を理解することは、大切なことです。
家庭で学習のアドバイスをするときは、無論塾や学校でもそうですが、単に答を出すヒントを与えるだけではなく、その問題の出題意図を理解させ、それと関連した重要事項を確認することが必要です。
さて、すでに受験された方もいらっしゃるでしょうが、1月に入りこれから受験本番を迎えます。
受験に向けて家庭では、出願・入試・入学等の物理的準備、受験生の体調管理、そして学力の維持・増進という三点に大きな負担がかかることになります。
しかし、全ての準備はプロのアドバイスを受けながら緻密に計画的に行い、気持ちに余裕を持って子どもに接するようにしましょう。
また学習面に関して、かつてはこの時期には基礎事項の整理を中心に行うことが良しとされましたが、私は受験生の弱点・グレーゾーンを、最後まで積極的に攻める学習法を勧めます。
いずれにしろ、受験日に自信を持って自分の力を充分に発揮できるよう、家族全員が協力してサポートすることが大切です。
受験生の食事についてかつてのブログでまとめましたので、興味ある方は参考にご覧下さい。
マッキーの随想:脳を活性化できるか? 受験生の『 ブレインフーズ』
マッキーの男の料理・その31:ゆずのマーマレードand受験生料理など
前3回で、中学受験に向けて算数の学習をする場合の、指導者と保護者に対する留意点を簡単にまとめて伝授してきました。 まず、公立小学校の学習を完全に定着させ、基礎学力を養成する大切さを指摘しました。 次に、算数の文章題解法において、与えられた条件を整理し問題構造を理解するための、日々の学習での留意点についてお話ししました。 そして前回、問題の構造を理解したうえで、体系化された知識を活用して問題を解いていく、日々の学習法に踏み込んだ内容で、算数指導法を解説しました。 興味ある方は、以下のブログを参照ください。
マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その2・文章題を解くための条件整理
マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その3・体系化された知識
さて、上記の3回までの学習方法や学習指導の留意点を理解した上でも、なお保護者や学習指導をする全ての方に共通する、一つの大きな悩みが立ちはだかっています。
それは、算数の問題に取り組む子どもの、集中力であり持続力の問題です。
日常の学習全般を見ている指導者にとっては、自分の教務能力アップに努めても、なおかつ残る課題が、子どもの集中力であり持続力の問題であろうと思います。
たぶんそうした力の源は、子どもの学習意欲であり、知識欲であり、目標を達成しようとする意志なのでしょう。
今回は、受験の算数という範疇を越えて、また指導者側の教務能力や指導に対する情熱を一旦脇に置いて、子どもの集中力と持続力について考えてみたいと思います。
無論、子どもの集中力と持続力は、指導者の教務能力や情熱に影響されることは、疑いようのない事実ですけれども。
子どもの集中力や持続力を、持って生まれた資質として片づけてしまったら、運命論的で対処法など語るに及ばすとなってしまいますので、このような因子を今回は捨象して、子どもを取り巻く環境(後天的要因)に焦点を当てて考えてみます。
私は、大学時代の塾教師や家庭教師経験を経て進学塾を立ち上げ、プロとして生徒に学習指導を行ってきましたが、その長い子どもとの付き合いの中で、近年子どもの資質として、この集中力や持続力が平均的に減退している印象を受けます。
子どもを取り巻く、ゲーム・マンガ・カード・テレビ・携帯電話などさまざまな要因があるのでしょうが、子どもが集中して学習できる環境が少なくなりました。
また、今までの半端な「ゆとり教育」の推進は、生徒から知識欲や進取の気概を奪う結果ともなったと、私は考えています。
合わせて、一人っ子であることに起因する、若干わがままな生活態度が、自分の意に沿わないことでも持続し継続させることの障壁になって、そうした力を減少させているようにも感じます。
学校でも塾でもそうですが、仮に手いたずらをして解説を聞いていなかった子どもが、「分からない!」と叫べば、指導者は「敗北感」を味わいます。
なぜなら、この子どもの「分からない」という言葉の中には、「なんでこんな問題を出すの!」「なんでこんな問題をやらなければならないの!」「先生の説明が分からない!」等の意味が込められているからです。
こうした自分勝手な言動を抑えることができないわがままな子どもにさえ、教える側には細心の配慮が求められます。
経験の浅い教師であれば、「分からない」という言動で、指導する根底がぐらつき、その対処法が分からずに、場合によっては虚無感に襲われるかも知れません。
公立の小中学校でも指導していますが、私が子どもの頃に比べて、学校における教師と生徒(保護者)の関係は、微妙なものになっているように感じます。
実際、子どもの保護者は以前とは異なり、教師と同程度の学歴を有し、教免を取っている母親も相当数に上ると考えられます。
そうした状況が、学校および教師に対する理解につながる場合もあるでしょうが、保護者が教師と同じアイレベルで判断することになれば、そのことが軋轢の原因にもなるでしょう。
(寺のベランダから枝垂れるノウゼンカズラ)
団塊の世代が子どもの頃は、食卓の上に並ぶ食べ物が豊富にあったわけではなく、その限られた食料を複数の兄弟が残さずに食べていたはずです。 食べ物に限定しても、えり好みや好き嫌いなど、わがままはあまり許されず、出されたものはできるだけ食べたことでしょう。 しかし、飽食の現代にあって、かつ一人っ子では、その子に合わせた食事を考慮して出すはずですが、それでも好き嫌いをして、食べ物を残しているのが実情ではないでしょうか。 自分の意に沿わないことでも、それが乗り越えなければならない課題であった場合・・・実はこの世の中そんなこともけっこう多いのですが、その課題に取り組む意志の強さは、こうした状況で育つのでしょうか。 勉強大好き!といった子どもは稀で、多くの子どもは自らに「やらなければならない」という義務を課して、その目標を達成しようとする意思で、学習特に受験勉強を乗り越えようとしているように感じます。
さて、このような子ともを取り巻くさまざまな教育環境因子は、子どもが意欲的に学習し、集中力と持続力を維持して問題に取り組むことに、プラスというより、マイナスに働いていることが多いと考えられます。
また近年、切れやすい・・・こらえ性がない子どもが増えているという話は、巷でよく耳にします。
兄弟が多かった時代、兄弟間の人間関係の中で、社会に出たときの疑似体験が存分にできたわけで、周りの状況を判断しながら行動する社会性は身につく下地がありました。
自分のわがままを押し通せば、目上の者から厳しくたしなめられたでしょうし、感情をストレートに出せば、周りの兄弟から強いリアクションがあったはずです。
言葉だけではなく、とっくみあいや殴り合いのけんかもあったでしょうし、そうした関係の中での経験が、自分の行動を客観的にとらえて、自己規制することに役立ってきました。
したがって一人っ子が多い今の子どもは、こうした点においても、乗り越えなければならない課題があるといえます。
(風に揺れる白蝶草)
それから、困難なことに対処する力は、かつて子どもが遊びの中で、培ったことでもありました。
安全と危険の狭間で遊ぶことにより、自分の身を守りつつ、子どもは冒険の旅に出ることができました。
はたして、学校も社会もそて各家庭でも、不幸にも起きる事故をも想定して、こうした子どもの本来持っている特性を伸ばす許容力を、現代社会では持ちえるのでしょうか。
子どもで満ち溢れていた時代、辛辣な言い方をすれば子どものスペアーがあった時代、『獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす』といったことも可能だったのでしょうが、一人っ子が多くなった今、教育的過剰関与と責任の所在を常に確認する訴訟社会が、そんな冒険を許すはずがありません。
万が一に万が一の想定をした上で、子どもの行動を許容する、そうした時代になっていることは明らかです。
学校の校門の扉は閉められ、重々しい鎖と錠前によって通りと断絶し、そこまで仰々しい状態でなくとも、施錠されているのは当たり前の時代になりました。
社会の中のほんの僅かな犯罪的な人間を想定して、本来持つべき学校の役割である、地域におけるコミュニティー形成の場として開かれた学校を、日常放棄してさえ子どもの安全を確保する必要が出てきました。
今の学校は、特に小中学校は、刑務所の如く閉ざされた空間として、地域に立地しています。
この状況は、子どもが今置かれている状況を、端的に象徴的に表しているように、私は思います。
また、子どもの権利をはき違えて対処すれば、子どもを甘やかしスポイルしてしまうことになります。 困難なことにもあきらめず、感情を抑えてがんばって取り組む姿勢は、日常生活の中で培われるものであり、学習の集中力や持続力も、学習の中で養成されるというより、やはり日々の生活全般の中で身に付けるものであると思います。 実は、この対処法は、自信にあふれた語り口で、巷に溢れています。 しかし、それらの対処法は、その効果を実証的に述べたものではなく、当然といえば当然なことを語ったにすぎないものが、ほとんどであると思います。 学習における集中力や持続力の養成は、間違いなく学習の範疇を遥かに超えて、生活全般の中で、またより幼い頃に、配慮して行われるべきテーマです。 なぜなら、それらが減退する要因が、今日取り上げたように、現代の社会的潮流に負っていると言えるからです。 このテーマについては、改めて紙面を用意して、私の長年の経験を踏まえ、論理的に実証的に、その対処法を検討してみたいと考えています。
子どもを取り巻く社会と、家庭において想定できる危険性をできるだけ排除することは、子どもの安全に寄与するでしょうが、その反作用として、子どもの冒険心や自主性を殺ぐ結果になることも事実でしょう。
「およそ言いたいことは分かったが、では、具体的に日常生活の中で、どうしたら子どもの集中力と持続力を付けることができるのか?」
(夏の日差しに映えるムクゲ)
中学受験の準備を考えると、その中でも算数の学習はとても重要で、保護者の方もその学習法に頭を悩ますことが多いと思います。
そこで、中学受験算数の学習法と保護者の立場に立った留意点について、今回のテーマとして取り上げ、今まで2回にわたりそのポイントを提示してきました。
興味ある方は、以下のブログを参考にご覧になってから、今回のブログをお読みになると、理解が深まると思います。
マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その1・学校の学習定着
マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その2・文章題を解くための条件整理
(キンシバイ:オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木)
前二回のブログで指摘したとおり、算数の問題を解くためには、基礎学力を身に付け、出題された問題の条件を整理して、その問題の構造を理解することが必要です。 しかし、出題された問題の条件を整理した後、どのようなプロセスで解答を導き出し正解とするのか、今回のブログでは子どもの思考の過程を考慮に入れながら、算数の学習法について伝授しましょう。 出題された中学入試問題の算数をご覧になった保護者の方であれば、分かったと思いますが、それはおよそ以下の3つのタイプに分類することができます。 (1)・・・計算力・単位・求積公式・速さや割合の公式など、公立小学校で学習する範囲を十分理解し、公立学校の範囲を超えた特殊算の基本的な解法を学習すれば解けるタイプの問題。 (2)・・・(1)の問題を解くことができる基本的な学力を基盤に、問題条件を書き出して、その問題構造を見極める意欲と応用力を必要とするタイプの問題。
(3)・・・(2)までの問題を解く力を必要とし、限られた時間の中で、隠れている規則性や原理・法則を、書き並べたり図示しながら、広範囲の知識を活用して見つけ出し、論理的に解答する力を必要とするタイプの問題。
上記の(1)から(3)のタイプの入試問題が求める子どもの力を簡単に表現すれば、「(1)・・・まじめに学習すれば習得できる力」、「(2)・・・根気よく問題を解こうとする性格も含む力」、「(3)・・・理数的な分析力・思考力をともなう能力を必要とする力」、ということになります。
(私は、子どもに対して能力という言葉を使いたくないのですが、今回はあえて(3)には用います。)
子どもが志望する学校の算数の問題が、上で示した三つのタイプのどれに相当するのか、保護者の方は知っておく必要があります。
それによって、子どもが消化すべき算数の学習時間、学習範囲、そして努力の度合いが、自ずと決まってきます。
ただ指摘しておきたいのは、女子校と共学校のほとんどの学校と、男子校の中堅校以下の算数の入試問題は、(2)までの力があれば合格ラインの得点をゲットすることができるということ。
それらの学校で、(3)の力を必要とする問題が仮に出題されても、その問題ができないことが合否に影響することは少ないと考えるべきです。
したがって、そうした問題は、テスト中に時間が余ったらチャレンジしてみるといったスタンスで臨む問題と考えて、差し支えありません。
しかし、ハイレベルな男子校、特に進学校に分類される学校の多くは、合格を勝ち取るために(3)の力を必要とする問題を解くことが要求されていることも事実です。
いずれにしろ、志望校の算数が要求している学力をしっかりと理解して、準備を進める必要があります。
ただ留意すべき事として、算数の問題の難易度と、その問題を出題した学校の難易度が、必ずしも比例しているわけではない点であり、指導する保護者は、子どもが志望する学校の出題問題のレベル評価は必要となります。
では今回の本題に入りますが、算数の問題を解くときに、子どもの頭脳の中で働く思考プロセスに視点を当てて、算数の学習法を伝授します。
まず、計算や単位、それに簡単な面積や体積の問題などは、単に公式や筆算の技術を知っているか、知識を習得しているかが課題になります。
(例1)2685mm=( )m (最近公立小学校5年生の小数の指導時間に出した問題)
このような問題は、子どもの頭脳の限定した部分だけを働かせて解いているわけで、計算・単位・求積公式を覚えていなければ、いくら頭脳を全開に働かせても、解答することはできません。
こうした問題に対する対策は、学校で学習した内容に習熟し、受験に対応するレベルまで難易度を上げて基礎事項の「訓練」「練習」をすることが必要ですが、ただそうした力は中学を受験するうえで、最低限の学力と言えます。
(例2)男子6人の平均身長は154cm、女子4人の平均身長は148cmであるとき、男女計10人の平均身長は何cmか。(最近塾の小5授業で取り扱った問題)
次に、この問題を解こうとするとき、この問題が「平均」の問題であることを、問題の文面から理解して、子どもは既存の知識から類推して解き始めます。
まず、平均を出す式:平均=数量の合計(総和)÷個数という式を想い出します。
次に、(154+148)÷2という式では出ないことを、基本的な平均の考えからから想い出します。
ここまで考えた子どもは、平均の問題は「総和を求めること」というキーワードを、想い出すことでしょう。
その結果として、(154×6+148×4)÷(6+4)=151.6cmという式をたて、答を出すことになります。
このように入試問題の多くは、頭の中に蓄えた既存の知識を、あたかも整理されたタンスから物を引き出すように、取り出してきて解答します。
ですから、知識は活用できるように、体系的に整理されてストックされている必要があります。
あくまでも新しい物を発見するのではなく、与えられた条件から、既存の知識を活用して類推することにより、解く道筋を見つけ出すという思考的なプロセスを経ることになります。
それは、学校で学習する基礎的な知識であり、広範囲な特殊算の解法知識であり、鍛錬に裏打ちされた広範囲な経験的知識であり、時には高校数学の分野にも入り込んだ遥かな地平を見つめる知識欲でもあります。
さまざまな条件に対応して、類推という思考過程を働かせるための、既存の知識とは、算数の学習の場合、何を意味するのでしょう。
子どもが効率的にそして体系的にそうした知識を習得する援助をするために、算数を指導する者は、算数の全体像を、その分類と関連性に基づいて、フローチャートに図示できなければなりません。
実は子供たちも、頭の中に整理された知識を元に、フローチャートの流れに沿って類推という思考操作を行います。
例えば算数の問題を解く場合、以下のような過程を経て子どもは式を立てます。 算数の習熟度の低い子どもは、同じこの問題を解こうと類推を始めますが、・・・・
・・・「この問題は速さの文章題」で・・・「旅人算と呼ばれる問題」で・・・「池の周りの出合いと追い越しの問題」で・・・「注意深く条件を模式的に書いて解かなければならないな!」・・・「待てよ、比を使うと比較的簡単に解ける問題だな!」
・・・・子どもはこのような類推を経て解答を導き出します。
「この問題は速さの文章題」で・・・「太郎君は、池の周りをぐるぐる回って疲れるだろうな」・・・「花子さんは、太郎君と反対方向に歩き始めたのは、喧嘩をしたせいかな」・・・「2人が出会ったら、仲直りして握手するかな」・・・「ん~、難しい問題だ!」・・・・・何が難しい問題か、私にも分かりません!
類推という思考過程が、あらぬ方向へ行って、問題解決がいつまでたってもできません。
思考は言語を介して行われるので、問題を解くためのキーワードを、指導者も子どもも知っていることが重要です。
指導者の中には、割合や速さの公式の言葉さえ、大事にしない方もいますが、素人ではないのですから、言葉をもっと大切に扱うべきでしょう。
子どもに算数を指導する場合、過度の解説でかえって焦点がぼけてしまうこともあり、その問題のポイントを言い当てたキーワードを前面に押し出して教えることも重要な指導法です。
すなわちその問題のキーワードと連動させながら、子どもに体系的に関連知識を定着させる指導法です。
「では、このような思考過程をスムースに経て、解答を導き出す力を、どうやって付けたらいいのか」という保護者からの質問が、次に私に飛んでくることでしょう。
日頃の学習で、このような力を付けるために、私は二つのポイントに留意して学習することを勧めます。
一つ目は、このテーマの前回のブログで指摘したように、「与えられた条件をノートに整理してから式をたてる」ようにすることです。
なぜなら子どもは、問題の構造の類似性から類推して、解法を導き出すからです。
以前私が教えた生徒で、最近は見ない分厚い大学ノートを使って学習していた子どもがいました。
表紙にナンバーを書いて、カバンに書き終えた数冊のノートを持参していました。
ある日、算数の問題を出題すると、「先生、それと同じような問題をやったことがある!」と言って、数冊の分厚い大学ノートを机の上に取り出しました。
そして、そのうちの一冊から、確かに同じパターンの問題を、辞書を引くように素早く探し当てたのでした。
その生徒は、その後中学入試で開成に合格しましたが、日頃の学習において、学習したことを体系的に、経験的に知識として定着させることの大切さの証左として、この生徒の事例を挙げることができます。
二つ目は、「学習している内容が、全体や他の部分とどのように関連しているのか、常に意識して学習に取り組む」ことです。
その学習法は、条件を整理したうえで、一通りの解答法に満足せずに、複数の解法を考えてみることです。
ただ単に答を出せばよいといった考えの生徒には、真似のできない学習ですが、上位校をねらう生徒には、必要な学習法です。
例えば速さの文章題を、割合の比例・反比例と関連させて解いたり、簡単にダイヤグラムを使って条件を整理したり、他の文章題、たとえば仕事算の考えを使ってみたりと、もっとマクロな視点で問題を分析する学習です。
上位校の算数の問題は、解答に到るさまざまなルートから、最善の解答法を導く力も要求され、日頃の学習で複数の解答法を考える習慣が必要です。
算数の学習の醍醐味は、単に答を出すことではなく、答を導き出す思考過程を楽しむ(時に苦しむ)ことにあります。
算数の力を付ける過程は、まず基礎学力を付ける、次に根気よく条件を整理しあきらめずに解答する力を付ける、最後に自分の頭脳に汗をかかせ、「大胆に」そして「しなやかに」思考する能力を養成することの、大きくは三段階に分類することができると、私は経験的に考えています。
中学受験を視野においている場合、子どもが体系的な知識を臨機応変に活用し、あきらめずに解答する力と意欲を養成する必要があります。
そうした力と意欲を子どもが身につけるためには、「子どもの日頃の学習の仕方」に配慮し、学習項目をしっかりと鳥瞰できる「指導する側の日々の研鑽」を必要とします。
中学を受験する場合、「算数の学習は最も大切な課題」であること、そしてまず受験生として取り組むべきは、「学校の授業を大切にすること」を、前回のこのテーマのブログでお話ししました。
マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その1・学校の学習定着
無論、そうした学習だけで中学入試を突破できるわけではありません。
基礎学力の上に、体系的に応用力を付けていく努力が求められます。
その学習範囲は、学校の薄い教科書を遙かに超えて、深く考える力を試す内容を含んでいます。
特に上位校を受験する生徒は、習得した知識を元に、問題条件を丹念に読み取り、根気よく解いていく姿勢が求められます。
(ガマズミの花)
中学入試の算数では、多くの問題が文章題として出題されます。
そうした文章題は、その学校が求める学力を有する生徒を選び出すために、出題者がある意味「オタク」となって、丹念に編み出された産物です。
けっして、朝、寝ぼけ眼で入試問題を作ったわけではありません。
「オタク」という意味では、公立中高一貫校の入試問題が一番それに当てはまり、全体にストーリー性を持たせた、かなり凝った内容の文章と資料などから構成されています。
公立中高一貫校受検者は、あまり上手いとは言えないそうした長い文章を、出題者の意図を汲み取りながら根気よく読んでいく訓練が必要です。
公立中高一貫校の入試問題(正確には適性検査)でさえ、公立小学校の学習だけでは読みこなす事すらできないでしょう。
中学受験生は、そうした出題者の意図を読み取り、的確に解答するために、文章題を良く読み、そこで提示されている条件をミス無く拾い上げ、条件を整理して、その文章題の構造を理解する必要があります。
問題をしっかりと読まず、条件を整理することをしないで、やたらと式を書いては消し、消しては書くということを繰り返す生徒は、間違いなく算数の苦手な生徒であり、そうしたやり方では時間をかけても、なかなか算数の学力を上げることができない学習方法です。
日頃の算数の学習は、ただ単に解答を出すことに主眼を置かず、条件を整理し問題の構造を理解することに意識を傾注することが重要です。
(ハハコグサの花)
では、式をたてる以前の、「文章題の条件整理の方法」について、触れておきたいと思います。
まず、問題文を読み取り、国語で言う主題、すなわち「取り扱っている問題分野」と「出題者の解答要求内容」を確認します。
問題の分野が的はずれですと、条件の整理が的確にできません。
次に、解答を導き出すために、「与えられた条件を拾い上げ」、「問題分野・出題条件にあった条件の整理」をします。
単に条件を拾い上げ相互の関係が分かるように表記するだけではなく、情景図・模式図・線分図・数直線・面積図・樹形図・ベン図・てんびん図、それから表・グラフなど、その問題に合った「図や表やグラフ」を使って条件を整理し、文章題を解く手掛かりにします。
教科の指導者は、問題により的確な条件整理の方法を、子どもに理解できるように提示する必要がありますし、解答を導き出すためにも、式をたてる以前の条件整理法を、受験生は知っておく必要があります。
また、数値を使った式をたてる前に、文字の式で条件を整理する必要のある問題もあります。
このように算数の学習では、必ずノートを使い、問題の条件整理と立てた式、そして途中式をしっかりと書いて学習し、筆算や答だけのノートを作るような学習はしてはいけません。
(ソメイヨシノに小さなさくらんぼがいっぱい実っていました)
条件を整理するという行為は、新たなものを発見する行為ではありません。
かつてストックした知識・経験から、与えられた問題の類似性を見つけて、解法を類推するための手段として行う行為です。
したがって、平常の学習において答を出すことに主眼をおくのではなく、問題分野と問題構造を理解するための条件整理に注意を注ぎながら学習する必要があります。
「うちの子は、算数の難しい問題でも、ちょっとヒントを与えると、できちゃうんです!」
こうした話は、父母の皆さんからよく聞くことですが、実は「ヒント」が問題を解く「手掛かり」になっているわけで、解く手がかりを子ども自らが見つけ出すような条件整理について、指導することが望ましいと思います。
すぐにギブアップして「ヒント」を求める生徒がいますが、ヒントが与えられたら文章題解法が計算問題になってしまうといっても過言ではありません。
日頃算数を学習するときには、答を出すことだけに力点を置くのではなく、『問題構造を理解するんだ』といったスタンスが必要で、条件整理と途中式がしっかりと書き込まれたノートを作成するように家庭でも指導することが、算数の学力を伸ばす要件となっています。
次回のこのシリーズのブログでは、『中学受験の算数・・・その3・体系化された知識』と題して、綴ります。
(うっとうしい梅雨、一時の晴れ間が嬉しい)
(ガマズミ)
【挿入した植物画像の補足】
スイカズラ科ガマズミ属 (落葉低木)
「神ッ実」あるいは、「噛み酢実」の転化したものなどの説がある。「スミ」は染めが語源との説も。
5~6月に、本年枝の先から、散房花序を出し、白い小さな花を多数着ける。
実は、9~10月には赤くなる。まだ甘味が少なく、渋みと酸味が強い。
初冬には、甘くなり食べられる。
秋も深まると、実に遅れて葉も赤くなる。
(ハハコグサ)
ハハコグサ(母子草)とは、キク科ハハコグサ属の越年草である。
春の七草の1つ、「御形(オギョウあるいはゴギョウ)」でもあり、茎葉の若いものを食用にする。
人里の道端などに普通に見られ、冬の水田にもよく出現する。
冬は根出葉がややロゼットの状態で育ち、春になると茎を伸ばして花をつける。
成長した際の高さは10~30cmで葉と茎には白い綿毛を生やす。
花期は4~6月で、茎の先端に頭状花序の黄色の花を多数つける。
中学受験を考えたとき、その合否に最も影響を与える科目は、算数です。
各学校から公開された中学受験結果のデータを分析すると、そのことがよく分かります。
各受験科目の合格者平均点と不合格者平均点を比較し、その得点の乖離を調べると、明らかに算数が最も大きくなっています。
すなわち、受験生の算数得点の散らばりが、他の科目に比べて大きく、算数の出来不出来が入試の合否に最も影響を与えていると考えることができます。
初回は、まず中学受験を目指すにしても、「小学校で学習する算数の内容を完璧に定着させる」ことが前提になっていることから話を進めます。 今年で、6年目になる公立小中学校指導ですが、主に午前中に小学4年生から6年生の算国、中学3年応用クラスの数学を指導します。 無論、教育委員会との提携事業の成果を出すために、公立学校における生徒の学力向上と、知的な刺激を与え学習のモチベーションを高めることに、公立学校での授業では努めてきました。 その成果は、一定の評価を得ているものと思いますが、担当学校の校長の紹介で指導要望があったり、依頼を断ろうと思った学校の校長が、かつてお世話になった学校の副校長だったりして、いつしか4校の学習指導を受け持つことになりました。 塾教師が早朝から授業を行うことの体力的・精神的な負担はありましたが、実際に公立小中学校の授業を担当し、かつ進学塾で受験指導をしている貴重な体験から、他の塾教師や公立教師には見えないさまざまなことを知ることができた6年でした。
そこで、中学入試を念頭に置き、受験準備のために算数をどのように学習していったらよいのか、保護者の視点に立って理解しておくべきことを、今回のブログで取り上げます。
今年度私は、江東区の大島南央小学校・第二大島小学校・第三砂町中学校、そして新たに有明小学校で学習指導します。
(アカバナユウゲショウの小さな紅色の花)
進学塾では、学習する目的がはっきりしていて、生徒もその保護者も、学習に対する意識が高いことは当然です。
しかし公立学校現場では、進学塾と異なり、通学することを義務とする、さまざまな子供たちが通っています。
その生徒の学習意欲も学習態度もその差が大きく、その結果として生徒間の学力差もあります。
また、学校教育に対する保護者の意識も、当然ながら大きく異なっていることでしょう。
こうした学習環境の中でも、中学受験を目指す生徒は、学校で学習する基礎学力的内容を、まじめに身に付ける努力を、怠るべきではありません。
公立中高一貫校を受検する生徒も増えてきましたが、特にこうした生徒は、日頃の学校授業を真剣に取り組む必要があります。
ただ、中学受験生といっても、その学力の幅は広く、公立小学校で学習する計算・単位・公式さえもしっかりと習熟しているとは言い難い生徒から、中学校数学のかなりの範囲だけではなく、高校数学の範囲にも入り込んだ内容を理解している生徒(中堅上位校を目指す生徒は、この程度の学力は必要)もいます。
中学受験をする場合は、どのような生徒でも、まず小学校で学習する内容を、完全に理解しミス無く正解することが学習の基本です。
小学校で学習する内容で、中学受験をする上でも、最も重要な分野と言えば、以下の項目が挙げられます。
(1)整数・小数・分数の加減乗除計算
(2)重さ・長さ・時間・面積・体積(容積)・速さの単位とその単位変換
(3)さまざまな図形の面積・体積の求積公式
(4)速さ(速さ・道のり・時間)と割合(もとにする量・くらべる量・割合)の関係式(公式)
進学塾では、上記の基礎学力の上に、中学校・高校で学習する内容でも、明らかに小学生でも理解することのできる範囲を包含し、特殊算と呼ばれるより高度な思考力を必要とする学習を積み上げていきます。
算数・数学は、そうした基本的な事柄の理解の上に、知識を体系的に積み上げていく学問です。
(ミヤコグサの黄色の小さな花)
ところで多くの進学塾では、算数を考える学問と答えるでしょう。
そして、小学校の算数の教科書も、それを教える公立学校の教師も、建前では算数を考える学問と、やはり答えるでしょう。
しかし、小学校や中学校の指導の現場に入り込むと、もっと基本的なこと、すなわち上に掲げた算数の基本事項を生徒に習熟させることに、教師の努力とエネルギーを限りなくかけていることを、知ることができます。
現実には、考える学問以前に、練習によって習熟させるべき基本事項を、算数の学習の中で体得させ、同時に子どもたちに、算数の魅力を植え付ける努力を行っているというのが、公立学校の算数指導ではないでしょうか。
この努力をより効果的に成果に結びつけていくためには、クラスの指導人数・習熟度別のクラス編成・使用教材・指導法などについて、単に教師個人の努力だけではなく、総合的・体系的に各方面の協力が必要ではないかと、常々考えています。
ちょっと本題から外れましたが、中学受験生の学力中下位層は、学校で学習することを習熟することに努めることは当然です。
それだけではなく、中学受験生上位層に対しても、その子どもたちは学校で学習している内容を遥かに越えた知識を有しているわけですが、それでも私は公立学校の学習を重視せよと言っているのです。
義務教育として公立学校に進学しているわけですから、そこを認識して『賢く振舞う』ことが大切です。
公立学校は、教科書を超えて、そうした学力上位層に対する指導を、授業で行うことは難しいことです。
学習の習熟度が低い、または学習意欲が低くて教師の手間をかける生徒だけではなく、学力があるが故にクラスの学習指導上マイナスになる生徒を、私は公立学校の授業を担当して知ることができました。
中学受験生上位層は、学力だけではなく、精神的にも高いステージを目指し、クラスのリーダーとして『賢く振舞う』生徒に成長してほしいと考えます。
今回のテーマは、当然と言えば当然の事をお話しましたが、「中学受験生は公立小学校の授業を大切に!」という事は、現実には多くのハードルを越えて努力するテーマなのです。
次回の「中学受験の算数」は、 「文章題を解くには」と題して、問題を読み取り、式を立てる力を付ける方法について伝授しましょう。
【補足:中学・高校で学習する範囲で中学入試に出る具体例】
・四角の式・まるいち算・・・一元一次方程式(中学1年)
・消去算・・・二元一次連立方程式(中学2年)
・平面図形・立体図形の相似(中学3年)
・集合(高校1年)
・数列(高校1年)
・順列・組み合わせ(中学・高校)
・図形の辺の長さと面積の関係(高校)
(たいへん珍しい八重咲きのドクダミの花)
踏まれても気付かれないほど小さな雑草も、
よく観察するととても綺麗で個性的な花を付けています。
人間の世界でも、同じことが言えるようにも思います。
【道端に咲く雑草についての補足】
(アカバナユウゲショウ)
アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)という雅な名前を持ったアカバナ科の花。
マツヨイグサの仲間で、夕方から淡紅色の花を開くのでこの名がある。(私が見る限り、昼でも咲いていますが。)
明治時代に鑑賞用として、南アメリカから持ち込まれたものが野生化し、現在では道端、田の畦、野原等、いたるところに咲いている。
日本に帰化したマツヨイグサ属のうち、マツヨイグサ、オオマツヨイグサ、コマツヨイグサ、メマツヨイグサ、アカバナユウゲショウ、ヒルザキツキミソウの6種類が日本の野原に定着。
(ミヤコグサ)
ミヤコグサは鮮やかな黄色の蝶形をした花を付けるマメ科の植物で、都草と書き、京都の東山に多かった事からミヤコグサの名が付いたとする説が有力。
この日本に古くから自生するミヤコグサに対し、近年ヨーロッパから帰化したセイヨウミヤコグサも勢力を伸ばしている。
最近、この日本に自生するミヤコグサが、マメ科植物の分子遺伝学解析の有力な候補として世界的な脚光を浴びている。
マメ科はキク科、ラン科に次いで3番目に大きなグループを形成しており、食用、飼料として重要な植物であると共に、根にバクテリアが共生し空気中の窒素を固定して緑肥を作る。
(ドクダミ)
ドクダミは日本、中国、ヒマラヤ、ジャワなど東アジア地域に広く分布し、日本では本州、四国、九州の低地に自生する多年生草本。
サツマイモの葉に似た葉をしており、6月の入り梅雨頃に白い花弁状の総苞を持つ穂状の花をつける。
全株に特異臭があり、繁殖力が強い地下茎は長く伸びて分岐し、一度根づいたら、なかなか除草できないしぶとい草である事から『シブト草』とも呼ばれる。
ドクダミは日本に昔から知られる民間薬で、主として化膿性皮膚炎、水虫等真菌症など皮膚病に外用薬として使われてきた。
俗称の「どくだみ」は毒を抑えるという意味の「毒矯み」からきている。
どくだみの漢方生薬名は「十薬」と言って、馬に食べさせると十もの薬効があることがその由来で、どくだみが優れた薬草であることを示している。
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
2月初旬の夜間ともなると、身を切る寒さです。
薄暗い学校の校庭に、なにやら異様な雰囲気が漂っていました。
その時間を待ち構えていたように、校庭に集まっていた人たちが、一斉に同じ場所に集まり、そして同じ方向に射るような視線を向けだしました。
暗い空間に、スポットライトが当てられ、そこに掲示用の紙が張り出されました。
喜びと落胆が入り混じったなんとも言えない瞬間。
真冬の寒ささえ吹き飛ぶ歓喜に包まれる人たちもいれば、冷気に身を震わせ悲嘆の沈黙に沈んでいく人もいました。
……これは私が経験した、十数年前の2月2日、巣鴨中学2回目入試の合格発表風景です。
当時もこうした時刻に合格発表を行っていた学校は少なく、中学入試合格発表は昼間の学校掲示板で行うのが一般的でした。
時は流れて近年は、中学入試の合格発表は、一部の学校を除いて、学校の掲示板の他にインターネットでも同時に発表されます。
各家庭にパソコンがあり、かつインターネットに接続されているというハード面の普及と整備が理由の一つです。
しかし、インターネットによる合格発表は、単にそれだけの理由で普及したわけではありません。
多くの中学校は、複数回の受験日を設定して、かつ複数の受験コースを作り、受験科目数も変えて入試を行っています。
また、午前入試だけではなく、午後にも入試を設けて、受験チャンスを増やしています。
その結果、受験生に対する配慮と、学校側の都合により、合格発表はできるだけ迅速に行う必要があり、受験日即日の合格発表が急増しました。
そして、午後入試の合格発表は、インターネット合格発表の利用によって、かつて考えられないほど夜遅い時刻に行われることも稀ではありません。
ちなみに、即日発表校で21時以降にインターネット合格発表を実施している学校は、2月1日は61校、2日は62校あります。
23時発表や、中には24時発表の学校さえあります。
インターネット合格発表の普及で、昼間の時刻の合格発表でさえ、まずインターネットで合否を確認してから、実際の掲示を見に行くと言ったことが一般的になってきました。
また、夜の時刻の発表では、家族が居間に置かれたパソコンの前に集合して、家族全員で合格発表を見るといった時代になりました。
このように、通信機器の発達は、中学入試合格発表の風景を、大きく変貌させる力ともなりました。
ビルの間を吹き抜ける北風は、まだまだ冷たい
今年も2月1日、都内中学入試がスタートしました。
今日行われたH中学の午後入試の合格発表を、私は教室でインターネットを使い閲覧する予定にしていました。
本来の発表時刻は21時。
しかし、受験生から受験者数の関係で21時30分に変更になった事を聞いて、その時刻にインターネットで学校のホームページを開きました。
すると、またまた合格発表の時刻が変更になっていて、午後22時に発表されるとのこと。
再び、その時刻にホームページに接続しようとしましたが、今度はサーバーの容量が小さいのか、まったくつながりません。
保護者からも、確認の電話が来ましたが、家庭のパソコンがつながらなければ、当然教室のパソコンもつながるはずはありません。
そうこうしているうちに、やっとのことで23時前になって学校のホームページに接続でき、合格の確認をすることができました。
明日2日も、その生徒にとって、志望順位で言えばH中学校より高い学校の受験があり、受験生がこんな時間まで起こされていると思うと、学校の不手際に腹立たしささえ感じました。
学校側はインターネット合格発表をスムースに行えるよう、受験者数とサーバーの容量との関係など、事前にチェックしておくことが必要ではなかったかと思います。
そんなこんなで、仕事を終えてちょっと地下鉄に乗った場所にある自宅にたどり着いたのは、日が改まった2日になっていました。
今日も、受験生の戦いは続きます。
自分のもてる力を、全力で出し切って、悔いの無い受験をしてほしいと願うばかりです。
子どもたちにとって受験は一回り大きくなるための試練
その試練を乗り越える力が今求められている
長い長い準備期間に比すれば一瞬の勝敗を決めるボレーシュート
その道程の先で満開の桜が君たちを迎えてくれる
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!
かつては首都圏の受験生にとって、2月1日からスタートする都内の中学受験のための、『試し受験』の位置づけが強かった『1月の中学受験』ですが、近年はだいぶ様相が違ってきました。
中学受験に三十数年携わってきて感じることの一つが、千葉や埼玉方面に魅力的な学校が増えたことです。
その結果、都内中学受験生の1月受験のチャンスは飛躍的に増え、以前のように単なる『1月試し受験』と簡単に決めつけることができない状況です。
そうしたことを含め、中学受験を取り巻くさまざまな状況が、高校受験と比較した場合、遥かに選択肢が多く、自由度の大きい受験チャンスを作り出しました。
経済情勢が厳しい昨今ですが、中学受験適齢期のお子さんをお持ちの父母の皆さんにとって、「高校受験で良いのでは」と簡単に片付けられないほど、経済的負担が少ない「公立中高一貫校」を含め、魅力が増しているというのが中学受験を取り巻く現状です。
沈丁花の蕾がふくらみ始めています
都内を中心とする中学受験生における『1月受験の位置づけ』は、およそ以下のように分類できます。
(1)1月受験校を『第一志望校』とする
渋谷幕張や東邦大東邦、そして浦和明の星など上位校は、地元に住んでいる受験生にとって、都内まで通学することなく魅力的な学校に通うことができる対象と考えることができます。
2月1日を中心に都内で行われるトップ校の入試に合格しても、そうした学校に通う生徒さえ稀ではなくなりました。
(2)1月受験校を『有望な併願校』とする
このタイプの受験が、1月受験の活況に直結しているように感じます。それだけ、受験生にとって入学を考えてもよい学校が増えたことが分かります。
このタイプの受験では、受験の結果が2月1日からの都内受験の考慮条件になりますので、そのことを踏まえて2月以降の出願を検討しておくことが大切になります。
例えば、1月受験校に合格したら、都内入試でより高い学校を受験し、不合格の場合は安全志向で受験するといった可変的な受験テクニック(同日複数出願)を駆使することができます。
(3)1月受験校を『すべり止め校』とする
1月中に、確実に合格する学校を受験しておこうという方法です。
2月の都内受験が上手くいかなかった場合、進学してもよい学校を選んで受験します。
ただ、都内でも4日目以降に、多くの学校が入試日を設定しているので、そうした学校との比較をしておくことが大切になります。
(4)1月受験校を『純粋試し受験校』とする
2月の都内入試前に、受験に慣れるために受験する方法です。
この受験方法は確実に合格することが大切で、また合格しても手続きを行わない受験方法ですので、2月以降にすべり止め校を決めておく必要があります。
また、こうした受験慣れのための試し受験は、受験経験が2月の入試に役立つように、受験経験を学習や生活面にフィードバックするように心掛けます。
アロエの花が一斉に咲いていました
『1月受験の位置づけ』において、受験する学校を『第一志望校』とする(1)を除き、(2)~(4)までの3つのタイプの受験では、メリットだけではなく問題点もあることを指摘しておかなければなりません。
1月受験は、都内中学受験生にとって、2月1日から始まる第一志望校の前の、貴重な受験本番の経験になります。
しかし、その経験が学習面や精神面にプラスに働かない場合もありますので、注意が必要です。
たとえば、受験に受かった場合でも、受かった安心感が、気の緩みの原因になることがあります。
受験指導者や家族が、受験生の精神状態を把握して、よい方向に導いていくことが大切です。
また、受かると考えていた学校に落ちた場合は、試し受験の経験がマイナスに働いてしまうことがあります。
意気消沈して、自信喪失のまま2月1日からの都内中学受験を迎えることのないように、周囲の人たちがフォローしてあげることが重要です。
いずれにしろ1月の試し受験が、本番の2月都内中学受験にプラスに働くように、問題点を修正していくことが求められます。
私は1月受験に受かった生徒に対して、単に合格を喜んでいるばかりではなく、試験当日の行動と試験内容について振り返って、『もう少し、こうした方が良かった』という点を考え、2月本番の受験に少しでもプラスになるよう、各自が考えることを指導しています。
神経質にならずに、受験生の精神的・身体的な状況を見通す
その子の性格に合わせ、的確な指導とアドバイスをする
その結果、受験本番に持てる力を充分に発揮できる状態を作り出す
難しいことだが、周囲の人たちのそうした配慮が、小学生には必要だ!
私が授業を担当している大島南央小で、飼育係の生徒がわざわざ私に見せてくれたウサギ
今年平成22年の受験者数は、およそ52万人で、現役の志願率は40%を越えました。
このセンター試験の『数学Ⅰ・A』の問題の中には、中学受験生である小学5・6年生でも解ける問題が含まれています。
そんな問題を今回のブログで取り上げ、解説してみたいと思います。
ブログの読者も家族と一緒に、早速紙と鉛筆を用意して、チャレンジしてみてください。
教室前の今年の桜
【中学受験生が解けそうな問題…その1】
第1問(2)自然数nに関する条件p、q、r、sを次のように定める。
p:nは5で割ると1余る整数である
q:nは10で割ると1余る整数である
r:nは奇数である
s:nは2より大きい素数である
ご覧のように、集合に関する条件が提示されています。
実際の問題は、以下のような補集合を含めた、『集合と集合の包含関係』を問う問題となっています。
出題
①「pかつr」はqであるための□。
②rバーはsバーであるための□。
(本来は、rの上に横棒のバーが付く補集合を表す数学記号)
選択肢
0.必要十分条件である
1.必要条件であるが、十分条件でない
2.十分条件であるが、必要条件でない
3.必要条件でも十分条件でもない
今年の桜
【その1の解説】
集合に関する包含関係の表し方が、高校で学習する言葉になっています。
この語彙の意味を説明すれば、中学受験生である小5・6の生徒でも、解答可能な問題です。
まず、この問題の選択支に出てくる言葉を簡単に説明してみましょう。
小4で学習する『集合をベン図で表す方法』で、三角形の集合を表記してみます。
すると三角形の集合(A)の中に、二等辺三角形の集合(B)が描かれます。
すなわち、『二等辺三角形(B)ならば三角形(A)である』と言うことができます。
反対に、『三角形(A)ならば二等辺三角形(B)である』と言うことはできません。
このような集合の包含関係が成立しているとき、
(A)は(B)であるための必要条件と言います。
また、(B)は(A)であるための十分条件と言います。
(A)ならば(B)、(B)ならば(A)が両方とも成り立つ場合、(A)は(B)〔(B)は(A)〕であるための必要十分条件と言います。
ではまず、『①「pかつr」はqであるための□。』について、考えてみましょう。
『p:nは5で割ると1余る整数である』を、要素を書き並べる方法で表すと、{1,6,11,16,21,26,・・・}となります。
次に、『q:nは10で割ると1余る整数である』を、同様に表すと{1,11,21,31,41,・・・}となります。
「pかつr」とは、pにもrにも含まれる集合ですので、pの要素の中で、『r:nは奇数である』という条件を加味すると、「pかつr」は{1,11,21,31,41,・・・}という集合となります。
すると「pかつr」の集合は、ピタリ『q:nは10で割ると1余る整数である』という集合に一致します。
したがって、「pかつr」はqであるための必要十分条件となり、答えの選択肢は『0』となります。
次は、『②rバーはsバーであるための□。』という問題です。
rバーは、『r:nは奇数である』の補集合(r以外の残り全部の集合)ですから、『rバー:nは偶数である』という集合となり、要素を書き並べれば、rバーは{2,4,6,8,10,・・・}という集合になることが分かります。
また、『s:nは2より大きい素数である』という集合ですから、sバーを要素を書き並べる方法で表すと、{1,2,4,6,8,9,10,・・・}というように、2以外の素数を除いた整数の集合となります。
したがって、『rバー』の集合は『sバー』の集合に完全に含まれます。
この事から、rバーはsバーであるための十分条件となり、答えの選択肢は『2』となります。
今年の桜
【中学受験生が解けそうな問題…その2】
第4問の(1)
袋の中に赤玉5個、白玉5個、黒玉1個の合計11個の玉が入っている。赤玉と白玉にはそれぞれ1から5までの数字が一つずつ書かれており、黒玉には何も書かれていない。なお、同じ色の玉には同じ数字は書かれていない。この袋から同時に5個の玉を取り出す。
問題:5個の玉の取り出し方は□通りある。
【その2の解説】
この問題は、玉の色は考慮せずに異なる11個の玉から5個を取り出す組み合わせとして計算します。
すると、11×10×9×8×7÷(5×4×3×2×1)=462(通り)が正解です。
(進学塾では、順列・組み合わせを樹形図で表して求める方法は4年で学習し、それを計算で求める方法は小5で学習することが多い。)
どうだったでしょうか?
この問題以外にも、出題の言葉の問題をクリアすれば、小学生でも解ける問題はあります。
例えば、集合に関する問題、順列・組み合わせに関する問題、数列に関する問題、三角形の辺と面積に関する問題などの領域の問題が代表例でしょう。
そのことは、小学生でも算数を少し深く考えていくと、高校で学習する内容まで到達できることを意味しています。
散歩道の「下の桜」と「上のケヤキの若葉」
人気投票に、応援のクリックをお願いします
人気投票に、応援のクリックをお願いします
人気の衰えを知らない公立中高一貫校ですが、その試検(試験とば呼ばずに検査の検を使います)について、様々な事が言われています。
国語や社会また理科に関わる問題は、奥が深くはありませんが、『資料の読み取りや自分の考えを記述する力』が求められます。
また、算数のような数理処理の問題に関しては、明らかに小学校の学習内容を越えた問題の出題を避けながらも、私立の入試に近い難易度の高い問題を出題する学校もあります。
今回例に挙げた問題は、基本的な『数理処理の力を見る問題』として、『与えられた条件を整理して問題を解く力』が求められます。
では皆さんも、公立一貫の問題がどのようなものか体験していただくために、『鉛筆と紙を用意』して、与えられた条件を整理し答を出してみてください。
小学5年生以上でしたら、与えたれた条件をしっかりと整理できれば、学校の学習内容で解くことができます。
無論、本番のテストでは、解答を導き出すプロセスを手際よく書くことも大切です。
私立の入試問題に比べて、問題自体は簡単にできていますが、出題者の『あまり上手くはない長いストーリー』をしっかり読んで、『出題者の意図を汲み取る』ことが重要です。
電車の中で、プリントや本で、正方形の枠内に1~9までの数字を入れる『パズルの数独』をしている方をよく見かけます。
小学生が解く算数の文章題や、今回取り上げた公立一貫の入試問題には、こうした方にも楽しめる問題が数多くあります。
頭脳を活性化するにはもってこいのパズルですので、チャレンジしてみてください。
(小中学校のお子さんがいらっしゃったら、ご一緒におやりになるとよいと思います。)
梅の花がここかしこで咲きほころぶ季節となりました
都立三鷹中等教育学校【2】
みつこさんとたかおくんはクラスの友だちと、学校を会場に行われる地域の夏祭りに、ボランティアで参加しようと思っています。
2人の住んでいる町の町内会では、ホットドックを販売します。町内会では、今年は「1日で320本を販売する」という目標をつくりました。この目標が達成可能かどうか、下の条件をもとに2人で考えることになりました。ただし、売れ残りを心配する必要はありません。
条件
1.内容
ホットドック320本を家庭科の調理室で調理して、販売場所の中庭に運びます。調理室を使用できるのは、当日の朝8時30分から11時までです。また、中庭は、ほかの団体が前後の時間を使用するので、その場所を使用できるのは、10時から10時55分までと決められています。この55分間に調理室からホットドックを運び入れて、販売します。
2.調理工程
朝8時30分から調理を始めます。調理室もほかの団体といっしょに使用するので、2人の住んでいる町の町内会が使用できる調理台は1台です。1回に調理できるのは16本です。16本すべてを一度に調理し、その完成に7分かかります。完成したホットドッグは調理台の横に置いておくことができます。
3.ホットドッグを運ぶ
完成したホットドッグは、調理係とは別の係の人が、1回に32本ずつ運びます。調理室から中庭まで運ぶ作業には、積み下ろしを含めて2分30秒かかります。(往復だと5分かかります。)
4.販売
販売する人は、運ぶ人とは別の係の人が担当します。お客さんには前もって食券を買っておいてもらい、中庭で、10時から10時55分までの間にホットドッグと交換します。32本分のホットドックと食券をすべて交換するのには2分かかります。
【問題】
320本のホットドッグを決まった時間内に調理し、中庭に運び、食券と交換することができるでしょうか。表などを用いてクラスの友だちに分かるように説明しなさい。また、交換し終わる時刻を書きなさい。ただし、時刻は秒単位まで求めること。
我が家でも雛人形を玄関に飾りました
【考え方】
考えるポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
(1)調理、運搬、販売の各段階で、与えられた時間内にその作業ができるか考える。
(2)各作業のつながりで、待ち時間等のロスタイムがないかチェックする。
(前の作業よりも後の作業にかかる時間が短いので、後は各作業の開始時刻を考慮してチェックしてみる。)
(3)問題に、「交換し終わる時刻を書きなさい」と記されていますので、この販売は可能であることを暗に示していますが、その交換し終わる時刻を考える。
◎まず、調理と運搬と販売の各段階で、与えられた時間内にその作業ができるか計算しましょう。
朝8時30分から調理可能で、調理台1台を使い、1回の調理で16本を7分かけて調理するという条件で、320本のほっとドックを調理する時間は、
7×(320÷16)=140分(調理に必要な時間)
8時30分+140分=10時50分(調理し終わる時刻)
◎次に、調理したホットドックを調理室から中庭に運ぶのにかかる時間を考えます。
販売は10時スタートで、かつ運搬に2分30秒かかりますから、運搬作業の開始時刻は9時57分30秒です。
32本分の調理時間は14分で、それを運搬するのにかかる時間は5分ですから、運搬開始までにできあがっていたホットドックを連続して運び終え、後は運び手が毎回14分と5分の差の9分待たされますが、最後までこの運搬の手順は上手くいくことになります。
最後の運搬は、最後に調理した時刻10時50分のスタートとなり、中庭には10時52分30秒に運び込まれます。
◎最後に、ホットドックを販売する条件は、10時から10時55分までの間と言う時間の制約と、32本分のホットドックと食券をすべて交換するのに2分かかるということです。
10時に運び込まれた32本のホットドックを食券と交換する時間の2分が、ホットドックの運び込まれる時間のサイクル…始めは5分で後から14分…よりも短いので、販売は上手くいくことになります。
よって、320本のホットドッグを決まった時間内に調理し、中庭に運び、食券と交換することができるかどうかの問題は、以上の条件から可能ということになります。
最後に運び込まれたホットドック32本は、10時52分30秒到着で、販売の最終時刻は、
10時52分30秒+2分=10時54分30秒 となります。
冷え冷えとした日が続き、日曜日(14日)には山は冬景色に逆戻り
以上のような条件を、『表などを利用してクラスの友だちに説明する』ことを求めていますので、与えたれた条件をしっかりと使い、ポイントを押さえて説明することが必要です。
この問題は、私立中学の入試問題よりは易しいのですが、出題者の作ったストーリーをしっかりと理解して、題意に沿った解答をする練習は必要です。
公立中高一貫校の受検に関するアドバイスを、以下のブログでお話ししました。
興味ある方は、ご覧下さい。
マッキーがアドバイスする公立中高一貫校の受検
マッキーがアドバイスする公立中高一貫校の受検(その2)
マッキーがアドバイスする公立中高一貫校受検(その3)
人気投票に、応援のクリックをお願いします
人気投票に、応援のクリックをお願いします