「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの時事随想:国民軽視の日本

2023年07月09日 | 時事随想

 物価上昇を加味した実質賃金は、前年同月に比べ2.9%減少し、12カ月連続のマイナスとなったという報告が厚生労働省からありました。アメリカの2020年の年間実質賃金は6万9392ドル、韓国は4万1960ドル。日本は3万8515ドルで、この20年間で韓国にも追い抜かれてしまいました。 財務省が発表している国民負担率(国民所得に占める税金や社会保険料の割合)で見ると、2000年の35.6%から、2020年には47.9%と上昇しています。

 小泉内閣で、日本は格差社会を是認し、現代に至っています。かなりの割合になっている非正規雇用の人たちや母子家庭などは、悲惨なほど厳しい状況にあると思われます。日本における子どもの貧困率は7人に1人、さらにひとり親世帯となるとおよそ2人に1人にまで増加しています。母子家庭の平均年収は236万円で、生活が困窮し教育格差などが起こりやすい傾向になっていますにも関わらず、物価上昇に対する政府の見解は、国民目線では考えられない認識に留まっています。

 太平洋戦争で、特攻隊を組織し、あまりに人間の命を軽視した日本でした。国家の為なら個人の尊厳など考慮しないという考えが、今でもあるように思います。ただ、現在の国家のためというのは、大企業のためと言いかえることができます。多くの国民の難渋は、未婚率や出生率さえ悪化する状況になっています。

 SNSの人材募集を使い、強盗や老人に対する詐欺などを、アルバイト感覚で請け負ってしまう若者もいる現代は、どこか異常な状況と言えます。最近のニュースでは、そうした組織犯罪だけではなく、感情のもつれによる犯罪行為が多発しています。たぶん多くの人たちが、日本の安全性に危惧を感じている状況だと思います。SNS上のユーチューバーやインフルエンサーと呼ばれている低俗な人たちの、あまりに偏った考えや感情的な発言が、現代社会に蔓延しています。その結果、感情をコントロールできない人間関係が助長されているように思います。

 世界的に見ても、ロシアによるウクライナ侵攻で安全保障問題が重要な課題となりました。また、米国から世界に拡散する、「格差」と「分断の構図」などが、成熟した民主主義国家で顕著に現れています。本来はグローバル化した様々な課題を、協力して解決する必要がありますが、日本社会で現れている感情的な人間関係に相似して、国家間も同様な状況があります。感情を抑えて、理性的に話し合う必要があります。

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