(前記事からのつづき)
扇沢駅を出て、高瀬川テプコ館目指してみたけど、バカーナビまたやってくれました
でも、梓川テプコ館に初めて行ったときよりもあさっての方向ではなかったので、何とかたどり着きました。
高瀬川テプコ館に入ろうとすると、ちょうど高瀬ダムと新高瀬川発電所見学のマイクロバスが出発準備中で、運転手さんから「ダム見学の方ですか?」と聞かれたけど、見学のほうは予約していなかったので「違います」と伝えてから建物内へ。
でも、受付をうろついていたら、先ほどの運転手さんから「よろしかったらご一緒に見学しませんか?」とお誘いを受けたので、お言葉に甘えて先着の1組の方とともに見学することにしました
バスは少し早目に高瀬川テプコ館を出発。テープと出発前に乗り込んだガイドさんの案内とともに、高瀬川に沿ってゆっくりと上流の方に向かい、まずは宮ヶ瀬と同じ重力式コンクリートダムで、沿道で唯一国土交通省管轄の大町ダム前を通過。ちょうど放水をしているようでした。
ダム脇をかなりの急勾配で登っていき、沿道にある広場には安曇野に伝わる「犀竜と泉小太郎」のモニュメントと、かの坂本弁護士一家の長男の遺体がこの近くで発見されたとのことで、慰霊のモニュメントが建立されていました。
大町ダムからは高瀬渓谷や葛温泉を眺めながら、ロックフィルダムの七倉ダムに到着。
七倉ダムから先は一般車両通行禁止区間に入るのですが、当然テプコ館の見学バスはOK。けど、規制区間前ではダンプカーの行列ができていました。ガイドさんの説明によると高瀬ダムに堆積した土砂を運搬するダンプだそうですが、すぐにバスの方に警備員が走ってきて運転手さんとなにやら会話。どうやら「フタハン待ち」ってことなんだけど、高瀬ダム方向からダンプが10数台行くのを待ってから漸く出発。この区間、トンネルや切通しだけでなく、地上の区間もすれ違いが困難なほど狭い道で、所々に待避所があったり、トンネルはいるときにはクラクションを鳴らしたりとまるで黒部ダムに向かうトロリーバスみたいでした
高瀬渓谷の素晴らしい景色を眺めているうちに、進行方向右手にお城の石垣みたいにそびえ立つ高瀬ダムの堤体が見えてきて、ダムの斜面をまるでピンボールゲームみたいにつづら折りになった道をくねくねと登って高瀬ダムの天端につきました。
ここで15分ほど自由時間。まずは解説版の前で高瀬ダムのあらましや周辺の山々などの説明。高瀬ダムは堤高176mでロックフィルダムでは一番高く、ダム全体を通しても186mの黒部ダムに次ぐ高さを誇っているのだとか。
ここは烏帽子岳や野口五郎岳(歌手の野口五郎の芸名、この山が由来だとか)などを縦走する裏銀座といわれるコースのスタート地点にもなっているようで、七倉ダムから先は一般車両通行止めと書いたけど、テプコ館の見学バス以外にも許可を受けた指定タクシーを利用することもできるし、さらに登山道も兼ねているため歩行での通過はできるようです。けど、七倉ダムからは徒歩1時間ほどかかる上にダンプカーなどがひっきりなしに通行しているので大変かも
自由時間中はダム天端上でぐるぐる回るだけにしてくださいと言われていたので、トンネルをくぐって向こう側には行く時間はありませんでしたが、トンネル入口にある展望台に登って高瀬ダム調整湖や針ノ木岳、それに雲間からちらりと見えた槍ヶ岳などを眺めました。トンネル側にある山を挟んで向こう側に黒部ダムがあるのだけど、山一つ隔てただけでこんなに違うとはと思っちゃったりしました。ただ、チラリと伺った話だと、高瀬ダムは土砂の堆積が凄まじいらしく、ダンプカーで連日搬出しているものの、あと100年もすれば土砂で埋まってしまう運命なのだとか…
高瀬ダム周辺の自然を満喫しているうちに自由時間が終わって(指定タクシーでやってきた団体さんを引率していたツアコンさんにも萌えていたのはナイショの方向でw)、こんどは地中にある新高瀬川発電所へ。動物侵入防止のシャッターで仕切られたトンネルを進んでいくとまるで地下の要塞みたいなところに揚水用のポンプも兼ねた発電機が4台並んでいて、そのうちまさに発電中の1台を見せてもらえたのですが、大きなタービンが勢いよく回っている様はすごかったです。一昨年見学させてもらった奈川渡ダム下の安曇発電所ではタービン1台も回ってなかったので…
そいえば、黒部ダムの水を利用する黒四発電所も地中だったなぁとか、他の1組の見学者も黒部ダムからやってきたこともあったのか、ガイドさんも高瀬ダムの年間観光客数は3万人とか(黒部ダムは100万人)ちょっと黒部ダムを意識してるのかなぁ…と思う説明もちらほらと
ついでに言えば、黒部ダムを舞台にした文学作品といえば、映画にもなった「黒部の太陽」や「黒部の太陽」の伏線にもなった「高熱隧道」があるけど、高瀬ダムを舞台にした文学作品もあって、こちらは「湖水誕生」というタイトルだそうです。
黒部の太陽 価格:¥ 840(税込) 発売日:1998-06 |
高熱隧道 (新潮文庫) 価格:¥ 420(税込) 発売日:1975-10 |
湖水誕生 (中公文庫) 価格:¥ 1,100(税込) 発売日:1988-04 |
新高瀬川発電所を出て、あとは高瀬川テプコ館に戻るだけだったのだけど、朝からの疲れとほどよいバスの振動で思わず寝てしまい、気づいたときにはもうすぐテプコ館到着というところでした
到着してガイドさんや運転手さんにお礼を言ってから、テプコ館を足早に見学してから出ることにしました。
時間はこの時点で16時過ぎ。せっかくだから温泉に入りたいなぁ…と考えた末、この近辺の大町温泉郷や葛温泉とか帰りに通る上諏訪や下諏訪ではなく、お気に入りの乗鞍高原温泉に立ち寄ることにしてナビをセットしたところ…約80km。近くはないと思っていたけどここまで遠いとは思わなくて驚いたけど、行くことにしました
走ること1時間40分。放水中の稲核ダムのそばや、梓川テプコ館がある奈川渡ダムを渡り、乗鞍高原に至る急勾配を上って湯けむり館にたどり着きました。
入館料を払って中に入って、脱衣所で何気なく鏡を見ると、鼻の頭と両腕が日焼けで真っ赤になってました。そりゃ快晴の黒部ダム周辺とかを何時間も歩き回ったから、日焼けもするわなぁ…と思ったけど、焼け方が結構微妙でした
男湯はほぼσ(^^♪1人の貸しきり状態。ほぼ1日の汗をさっぱり流しました。日焼けで少し腕がヒリヒリしたけど、いつ来ても乳白色の硫黄泉と、露天風呂から眺める高原の景色は最高です。露天風呂で湯船につかる→上がって高原の風でクールダウン→また湯船に…を何遍も繰り返しました。
風呂上りに暖炉のあるロビーで、ビン入りコーラを1本買って飲み干してから出発しました。
帰りは来た道を真っ直ぐ戻って、松本ICから高速に乗りました。途中、水殿ダムそばにある道の駅風穴の里で1時間仮眠。運転中眠気はそんなに感じていなかったけど、助手席に移ってシートを倒した途端に寝てしまったようで
高速に乗ってからも、中央道諏訪湖SAで夕食。ソースカツ丼を食べました。帰りはこのまま家までノンストップで行こうかなぁと思いつつ、八ヶ岳山麓をや甲府盆地を駆け抜けたけど、やはりちょっと無理だと思って石川PAでも小休憩しました。
あとはかなり順調に首都高~京葉道路を駆け抜けて、何とか日付が変わる前に帰ってきました。さすがにクタクタで、すぐに寝ちゃいました
このドライブでの総走行距離は710.2kmでした。
燃費はやはり上り坂が連続した往路よりも下り坂メインの復路の方がだいぶよくて、リッター3kmぐらいの差が出ました