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【翻訳会社】インターブックスの翻訳外注ノウハウ

外国語の対応にお困りの方のために、「翻訳を外注する」上で役立つことを語っています。

翻訳する目的を忘れずに

2020-05-15 08:38:17 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

「下訳(したやく)(※)は機械翻訳で十分」

※翻訳の土台となる翻訳
※その後に校正、推敲を重ねる前提のもの

と言われると
賛同できる度合いは別にして
"翻訳をわかってらっしゃるな"
と思います

しかし

「翻訳は機械翻訳で十分」

と言われると
"翻訳をよくご存知でない"
残念ながらそう思ってしまいます

翻訳するときに
何の目的もないことって
ほとんどないと思います
(なかにはそんな趣味をお持ちの方もおられるかもしれませんが…)

翻訳するのは大抵

なにかを伝えたい
伝えた結果こうあってほしい

または

なにかを知りたい
知った上でこうしたい

という目的があるからです

つまり翻訳は
それ自体が目的ではなく
目的に到達するための
ひとつの手段なはずです

冒頭の例

「下訳は機械翻訳で十分」

という台詞は
翻訳の先にある目的
見失っておられないことがわかるので
わかってらっしゃるなと思うのです

一方

「翻訳は機械翻訳で十分」

という台詞は
翻訳すること自体が目的化していて
その先にあるものを見失っている
そう思えるので残念なのです
(必要とする品質レベルが機械翻訳で確保できるから、という場合を除きます)

"何のためにするのか"

忙しいときなどは特に
考えることを忘れがちです

また
自分以外の人から頼まれたことなどは
なぜそうする必要があるのか
確認せぬまま対応することも
あるかと思います

"何のためにするのか"

哲学的かもしれませんが
何をするにしても
常日頃から考えること
大切だと思います

"何のためにするのか"

つまり目的を見失わなければ
そこへ真っすぐ伸びる一本の筋が
いわば体幹のようなものとなり
逸れていないかどうか
常に意識しながら
進む(進める)ことができます

そして目的を見失わないためには
そのさらに先の世界
翻訳を例にすると

自社サイト(HP)を翻訳(多言語化)する
 ↓
世界中の人たちが自社(サービス)の存在を知る
 ↓
自社(サービス)のファン(利用者)が増える
 ↓
自社(サービス)が世の中に役立つ
 ↓
自社(サービス)の一員(提供者)であることを誇らしく思う
 ↓
物心両面の幸福につながる
 ↓
幸せな人生を送ることができる

少々大袈裟ですが
そんな風に頭のなかで描くと
良いのはないでしょうか

斯く言う私【翻訳商社】マンは

翻訳をとおして
世界との円滑なコミュニケーション
そして相互理解を

という経営理念の下に
翻訳サービスの提供に努め
その先に描いているのは

相互理解に基づく
争い(戦争)のない世界

です

子ども地味ているかもしれませんが
いつも忘れないようにしています


翻訳料金を構成するもの

2020-05-14 08:56:16 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

「で」
「これ翻訳するのに」
「(料金は)いくらくらい掛かるの?」

よく聞かれます

ざっくり言うと
"言語ペア"毎に決まっている
"翻訳単価"というものに
"ボリューム"と呼ばれる文字数や単語数
掛けたものが
翻訳料金です

すでに業界用語が
3つも出てしまいましたが
もう少し辛抱して読んでください

この
"言語ペア"というのは
日本語と英語とか
日本語と中国語とか
またはそれぞれの逆とか
まあ両方の言語はなんでもよいですが要は
何語から何語に翻訳する
というペアリングのことです

そして
"翻訳単価"というのは
それらのペア毎に異なる
原稿1文字または1単語あたり
の料金のことです
(つまり単位当たり料金です)

英語などは対応できる翻訳者も多いため
必然的に価格競争が起こり
高いものから安いものまで
幅があったります
(腕の良い翻訳者さんは高いです)
(難しい内容も高いです)

また
中国語や韓国語などは
現地での翻訳ができたりするため
多少価格が下がったりします

(品質上問題なく現地で翻訳できる場合は、です)

もう少しご辛抱ください

"ボリューム"というのは
前述のとおり
原稿の文字数や単語数のことですが
日本語、中国語、韓国語などの場合は文字数
英語、欧州言語など横文字言語の場合は単語数
で算出します
(MS Wordで作成したドキュメントなら、文字カウント機能ですぐにわかります)

つまりたとえば
"言語ペア"が日本語と英語(英訳)
"翻訳単価"を20円とし
"ボリューム"を400文字とした場合
20円x400文字で
翻訳料金は8,000円になるということです
(あくまでも参考料金です)

ただしこれは
"純粋に翻訳だけする"
場合の料金です

翻訳作業には
純粋に翻訳をする以外にも
DTP(Desk Top Publishing)と呼ばれる
レイアウト作業が必要な場合があります

これはたとえば
テキストボックスが多用されていたり
図や表が含まれていたりで
フォントサイズを上げたり下げたり
改行したり詰めたり位置をずらしたりとか
いろいろと調整作業が必要なとき
純粋な翻訳作業に掛かる料金に加わるもので
"レイアウト料"などとしてこれも
翻訳料金(総額)の一部になります
(上記作業が不要であればもちろん請求されません)

また
DTP以外にも
案件が大型で全体管理が必要な場合は
"プロジェクト管理費"

HTMLほかプログラムなどの翻訳で
(ローカライズと呼ばれますが)
コードを壊さないように翻訳する場合などは
"コーディング料"

それ以外には何があるかな…

翻訳支援ツールと呼ばれる
翻訳ソフトを使う場合
(機械翻訳ではありません)
そのコアとなるメモリ
(翻訳データが記録されたもの)
その作成やアップデートが必要な場合は
"メモリ作成料や更新料"

また
納期を標準より短くした場合
(短納期対応を頼んだ場合)
などは
"割増料金"

等々が加算されたりします

すごく雑で恐縮ですが
これらをたとえば
弁当にたとえてまとめると

純粋に翻訳に掛かる料金は「白ご飯」
レイアウト作業に掛かる料金は「おかず」
それ以外
プロジェクト管理費は「ふりかけか海苔」
コーディング料は「漬物」
メモリ作成更新料は「醤油」
納期短縮割増料金は「ソース」
みたいな感じでしょうか

なんとなくですがそんな風に
頭のなかに描いていただくと
比重感というかボリューム感というかが
イメージし易いかと

要は

「何語から何語に翻訳するだけだから幾ら」

みたいな単純なものではないので
翻訳会社や翻訳者に見積もり依頼する際は
このことを念頭に
していただければと思います

またもし
「まとめて幾ら」
みたいな見積もりが出てきた際は
細かい明細を出してもらうよう
依頼されたほうが良いかもしれません

餅は餅屋と言いますし
作業内容によっては
たとえばDTPなんかは
デザイン会社や印刷会社さんなどに
依頼されたほうがずっと
安価で済むかもしれませんので


やさしい日本語

2020-05-13 08:59:18 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

「やさしい日本語」

って
お聞きになったことありますか?

読んで字の如くで恐縮ですが
まだ十分に日本語がわからない人
たとえると(日本人の)子どもでも理解できるような
平易な日本語表現のことです

具体的には

1)簡易な表現を用いる
2)文の構造を簡単にする
3)漢字にふりがなを振る

といった工夫をすることで
日本語を伝わり易くまた
わかり易くするものですが
たとえば

再度 → もう一度(いちど)
余震 → 後(あと)からくる地震(じしん)
避難所 → ひなんじょ or みんなが逃(に)げる ところ
炊き出し → たきだし or あたたかいたべものをつくってくばる
亀裂の入った壁 → 壊(こわ)れた壁(かべ)    

今朝 7 時 7 分に関東地方を中心に広い範囲で強い地震がありました
 ↓
きょうの あさ 7時(じ)7分(ふん) 
関東(かんとう)地方(ちほう)で 
大(おお)きい 地震(じしん)が ありました

デマ → うその話(はなし)
ライフライン → 電気(でんき)ガス 水道(すいどう)
 めちゃめちゃです → 壊(こわ)れて います

といった表現に改めることです

1995年の阪神・淡路大震災の折に
言葉に不慣れであったがために
情報収集ほか災害対応に大変ご苦労された
在留外国人の方々のために
考案されたそうです

それから25年を経た今
総務省の「在留外国人統計」によると
在留外国人は約283万人
国籍は195か国にも上ります
(2019年6月現在)

できることなら
それら195か国からの方々にも
日本人に対してと同様平等に迅速に
情報が行き渡るようにすべきであり
それはつまり

"すべての方々の母国語に対応する"

ということですがさすがに
195にも上る多言語への同時翻訳と発信は
時間的にもコスト的にも
現実的ではありません

またWikipediaによると

「英語よりも日本語の理解力が高い在留外国人がマジョリティである」

という調査結果もあり

「英語(一言語)での発信さえ(日本語と)同時にしておけばいい」

という状況でもありません

それがゆえに
近年とみに耳や目にすることの多い
「やさしい日本語」
ですがこれは私【翻訳商社】マンからすれば
強力なライバルでもあります

しかしながらこの
「やさしい日本語」
その存在意義は弊社の経営理念である

世界との円滑なコミュニケーション
そして相互理解を

とぴったり合致していること

そして繰り返しますが
195言語同時翻訳が現実離れしていること
などを考えるとせめてこの
「やさしい日本語」
もっと普及して欲しい
なんなら弊社も事業化して普及に一役買いたい
くらいの勢いで

「できるかぎり多くの在留外国人に正確な情報が、平等に迅速に届けられること」

願わずにはおれません

行政機関(の公示物)を中心に普及が進んでいるので
「やさしい日本語」
機会あれば是非
ご覧いただきたいと思います


同じ翻訳会社でも常に一定の品質が保たれるわけはありません

2020-05-12 08:55:15 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

「同じ翻訳会社に継続依頼していれば」
「常に一定の品質が保たれるはず」

そう思っていませんか?

それでは重ねてお聞きしますが
翻訳会社に依頼した仕事は
その後どのような経路を辿るか
ご存知でしょうか?

そうです
翻訳会社は契約している翻訳者に
翻訳作業を依頼するのです
※社内に翻訳スタッフがいるケースもあります

ではその翻訳者は
常に同じ人でしょうか?

翻訳者にはフリーランスの方が多く
複数の翻訳会社から
仕事を請け負っています

タイミングによってはすでに手一杯で
いつもは請けている仕事でも
対応できない場合があります

そのような場合
翻訳会社はどうするのでしょうか?

そうです
他の翻訳者に仕事を依頼するのです

要は
"常に同じ翻訳者が対応(翻訳)するとはかぎらない"
ということです

そして当然ながら同じ内容でも
人によって表現は変わるものなので
翻訳者が変われば当然
翻訳した結果も変わります

もちろん翻訳会社は
翻訳の品質を担保しなければなりませんので
常に一定の品質が保たれて然るべきですが
用語の統一や誤訳、異訳、訳漏れ
といった最低限のことは守れても
文調、ニュアンスや雰囲気
といった微妙なところは翻訳者が変わると
どうしても違いが生じてしまいます

多少の違いが問題にならない場合は
翻訳会社に任せておけばよいですが
キャッチコピーや宣伝文句その他
微妙なタッチが重視される場合や
ブランディングに影響するような
ニュアンスを大事にする場合は

「前回と同じ翻訳者で」

と翻訳会社にあらかじめ
依頼しておいたほうが無難であること
おわかりいただけるかと思います

余談ですが逆に
前回の翻訳があまりよろしくなかった場合

「前回とは違う翻訳者で」

と翻訳会社に頼むことは
まったく問題(失礼では)ありません

腕の良い翻訳者や翻訳会社は
途切れることなく仕事が舞い込むため
手一杯になることがよくあります

"何か月先まで予約の取れない人気店"

と同様に
安心して任せられる翻訳者や翻訳会社に
継続的に翻訳を依頼したいときは
こういったことも念頭に
計画的な翻訳依頼
していただければと思います

また
"自社(依頼主)の好み"を
翻訳会社や翻訳者に理解してもらうには
納品された翻訳に対するフィードバック(※)
細やかに行なっておいたほうが良いことは
言うまでもありません
※自社で修正した内容や、翻訳の評価や感想、リクエストを共有すること

"全体的な味付けは良かったが"
"麺はもう少し固めが好きだとか"
"スープの温度は高めにとか"
"ネギやメンマは多めにして欲しいとか"

そういったお客様(依頼主)の
"お好み"というのは
教えてもらわないとわからないものですので


「情報の収集や確認」も翻訳作業のうちなのです

2020-05-11 09:19:27 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

ひたすらにタイピングして
ある言語を他の言語に変換している

翻訳といえばそんなイメージ
おありかと思いますが
翻訳作業にはそのように
"純粋に翻訳している時間"
以外にも
"情報の収集や確認に掛かる時間"
があります
※ほかにも"レイアウト作業に掛かる時間その他"ありますが今回は触れません

これ
意外に知られていません

情報の収集や確認
とは原稿の内容や翻訳文について
辞書を引いたりWEBで検索したり
を指すのですが
この作業には案外
時間が掛かるものなのです

翻訳原稿が専門的であればあるほど
さまざまな文献や記事
確認したり裏を取ったりする必要があるので

"情報の収集や確認"
つまり
"検索技術"
が翻訳品質の成否を決める

といっても過言ではなく
外国語能力と同等もしくはそれ以上
翻訳者は日々
その検索技術力向上に努めています

「納期ってどれくらい掛かるの?」

翻訳に関するお問い合わせで
料金の次に頻度の高いご質問ですが
翻訳者の一日の作業量(※)
※翻訳できる文字数、単語数
日本語から外国語への翻訳の場合
日本語3,000文字程度です

これは
400字詰め原稿用紙で8枚分
MS Wordフォントサイズ10.5だと
2.5ページ程度の分量ですが

「え?」
「一日掛かって2ページしかできないの?」

よく言われます

その理由のひとつが
この情報収集、確認を行なうために掛かる
検索の時間でもあるのです
※ほかにも"レイアウト作業に掛かる時間その他"ありますが今回は触れません

翻訳を受託(受注)してからの工程は

1)制作打ち合わせ(営業、制作間)
2)翻訳者アサイン(選定、依頼)
3)翻訳(情報収集、確認、翻訳、レイアウト、その他)
4)チェック/ブラッシュアップ(校正、推敲)
5)最終調整(仕上げ)、納品

といった内容ですが
1)2)のような前工程
4)5)にような後工程
が必要となるため
依頼主が漠然とイメージする納期よりは
手間も時間も掛かるものなのです

「入稿!はい翻訳スタート!」

みたいに手軽に始められるもの
たとえば平易な内容のSNS、ブログ記事や
ビジネスメール程度であれば
それも可能ですが
そういった易しいお仕事の依頼は
マッチングサービス(※)や機械翻訳に
徐々に移行しつつあります
※クラウドワークスやランサーズその他

つまり翻訳者は
多少手間や納期が掛かっても
前述のような情報の収集や確認作業にもとづく
正確で高品質な翻訳を行なうことにこそ
その存在価値がありまたそれが
翻訳者だからこそ創出できる付加価値と言えます

そしてその付加価値を最大限引き出すには
依頼主による計画的な翻訳依頼つまり
事前準備や余裕ある納期設定も大切であること
言うまでもありません

翻訳品質の向上はこのように
翻訳者と依頼主の協力により
ようやく実現するものなのです