【翻訳会社】インターブックスの翻訳外注ノウハウ

外国語の対応にお困りの方のために、「翻訳を外注する」上で役立つことを語っています。

「国、地域 = 言語」ではない

2020-04-15 08:37:50 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

突然ですが
「世界の国の数」ってご存知ですか?

外務省のサイトによると「196か国」あります
https://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/faq/area/country.html#section1

それでは
「世界の人口」はどうでしょう?

国際連合広報センターのサイトによると「77億人」です
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/33798/

さらに
「世界の言語の数」はどれくらいでしょう?

国際SIL(※)の公開しているウェブサイト
Ethnologueによると「7,117」あるそうです
※キリスト教系の少数言語の研究団体
https://www.ethnologue.com/

※「あるそうです」と曖昧な表現をしているのは、「方言を含む、含まない」「どこまでを方言とするか」等によって言語数が異なり、その数が大きく変わるからです

※ゆえに世界の言語数(と言われているもの)も「3,000~7,000」とかなりの開きがあります

すごい数ですね
世界196か国に住む77億人7,117言語
使っているということですね

では
どのような言語が使われているのでしょう?

01位)英語(12.7億人)
02位)マンダリン(11.2億人)※主に中国
03位)ヒンディー語(6.4億人)※主にインド
04位)スペイン語(5.4億人)
05位)フランス語(2.8億人)
06位)アラビア語(2.7億人)
07位)ベンガル語(2.7億人)※主にバングラディシュ
08位)ロシア語(2.6億人)
09位)ポルトガル語(2.5億人)
10位)インドネシア語(2.0億人)

※Ethnologue https://www.ethnologue.com/guides/ethnologue200

このような構成、順になっていますが
どうでしょう?
予想通りでしょうか

「あれ?中国の人口って14億人だよね?」

と思われた方
するどいです

「マンダリン」は「北方語」といって
北京その他で使われる「方言のひとつ」であるため
このような数、順位になっていますが
その他方言も含む「中国語」としてまとめると
人口に等しい数になります

ちなみに日本語は13位(1.3億人)です

そして上に挙げたTOP10の合計は51.0億人
全世界人口の66%を占めています
つまり残り34%はそれぞれ
ほかの言語を使っているわけです

ここで注意いただきたいのは
「国」ではなく
「人」ってことです
そして
「人はいろんな所に住んでいる」
ってことです

要は

世界には多くの言語があり国や地域で単純に区別できるものではない

つまり

「国、地域 = 言語」ではない

ってことなんです

「アメリカだから英語だよね」
(アメリカ人口のうち20%はヒスパニックです)

「カナダは英語でいいんだよね?」
(カナダではフランス語も公用語です)

ってことなんです

つまり

「どこにいる」
「誰に向けて」
「何のために」
「何を伝えたいのか」

といった点をきちんと確認したうえで
翻訳に取り組む必要があるということです

とはいえ対象とする人に
どのような言語の
どのような翻訳が最適なのか
判断するのは難しいですよね

そんなときは
どうぞお気軽にご相談ください♪


米国式と英国式

2020-04-14 09:12:58 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

英語に
「米国式」と「英国式」があるのって
ご存知でしょうか

わかりやすく言うと
アメリカで使われる英語と
イギリスで使われる英語は違う
ってことなんです

学生時代まじめに勉強されてた方や
外国とお仕事されてる方には
釈迦に説法で恐縮です

その違いというは
主に次のようなものです

・スペル(綴り)
・単語
・アクセント(イントネーション)
・文法

まず「スペル(綴り)」

米国式では「er」となるものが
英国式では「re」であったりします

Center(米国式)

Centre(英国式)

あたりが有名ですね

ほかにも
米国式では「ze」
英国式では「se」
なんて違いもあります

Analyze(米国式)
Analyse(英国式)

とかですね

そうそう
米国式では「or」
英国式では「our」
という違いもあります

Color(米国式)
Colour(英国式)

次に「単語」です
代表的なところを列記すると

1階:first floor(米)ground floor(英)
2階:second floor(米)first floor(英)
薬局:drugstore(米)pharmacy(英)
休暇:vacation(米)holidays(英)
手荷物:baggage(米)luggage(英)

あたりですが
これくらいにしておきましょう

次は「アクセント(イントネーション)」

極めて個人的な印象ですが
米国式の英語は
「だらだら」話すような感じですが
英国式の英語はとにかく
「おふおふ」言っているように聴こえます

ちゃんと説明しておくと
その違いというのは

前の単語と後の単語を繋げて発音する(米)
一語一語をはっきりと発音する(英)

疑問文で語尾が上がる(米)
疑問文で語尾が下がる(英)

母音を流して発音する(米)
母音をはっきりと発音する(英)

こちらもこれくらいにしておきましょう

最後は「文法」の違いです

「スペル」「単語」「アクセント」に加え
「文法」まで違うって
もはや違う言葉じゃないか

という声が聞こえてきそうですが
同じような違いは日本語のなかでも
方言というかたちで存在しますので...

「文法」の違いですが

過去形を使う(米)
現在完了形を使う(英)

Do you have…(米)
Have you got…(英)

gotten(米)
got(英)

あたりの違いがあるわけです
だんだん英語の授業みたくなってきましたね
このへんで止めておきましょう

とりあえずお伝えしたいのは
英語にもアメリカとイギリスのあいだに
このような違いがあるがゆえに
翻訳を依頼するときもただ単に

「英訳お願いします」

では情報として不十分
ってことなんです

まあ今の世の中的には

「米国式にしておけば8割方問題ない」

というところもあるのですが
ちゃんとしておくにはやはり
翻訳したものを読んで欲しい国、地域、人
に合わせておく必要があります

それも

「アメリカ向けだから米国式」
「イギリス向けだから英国式」

だけではなく

「英国領だったので英国式が使われている」
「世界共通言語としての米国式が使われている」

といった歴史や文化、地域性に合った翻訳
する必要があります

「ここの国、ここの地域の人に読んでもらいたいんだけど」
「英国式、米国式どちらが良いかわからない」

そんなときは
どうぞお気軽にご相談ください♪

https://www.novanexus.co.jp/

翻訳すると文章の長さ(横幅)が変わるんです

2020-04-13 08:17:37 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

日本語を外国語に翻訳すると
文章の長さ(横幅)が変わること
意外に知られてないんです

わかりやすい例を挙げると

翻訳 (日本語)
Translation (英語)

なんかは典型的ですね
長さ(横幅)がだいたい倍になってます

ではこれなんかはどうでしょう

翻訳は翻訳会社に依頼しましょう。 (日本語)
Ask a translation agency to do the translation for you. (英語)

※単純比較につき"DeepL"を使用しています
※もちろんもっと良い訳し方もあります

だいたい1.5倍くらいでしょうか

ちなみにこの翻訳後の文章の長さ(横幅)
言語によってかなり変わってきます

ふたたび例を挙げると

桜が美しい。 (日本語)


樱花开的很美。 (中国語)
The cherry blossoms are beautiful. (英語
Die Kirschblüten sind wunderschön. (ドイツ語
Les fleurs de cerisier sont magnifiques. (フランス語
As flores de cerejeira são lindas. (スペイン語
Цветы вишни прекрасны. (ロシア語

※Translated by using "DeepL"

となり
違いが鮮明かと思います

ではこのように
文章の長さ(横幅)が変わるとどうなるでしょう?

そうです
元のスペースに(翻訳後の文章が)収まらなくなる
のです

たとえば
A4サイズ1ページでレイアウトしていた日本語の文章
翻訳後は1.5ページになったります

MS PowerPointで作成された文章は
たくさんのテキストボックスで構成されていますが
その場合も元のテキストボックスの大きさのままでは
翻訳後の文章が入らなくなったりします

するとどうなるか
スペースを拡張する(フォントサイズ重視の場合)
フォントサイズを小さくする(スペース、レイアウト重視の場合)
といった対応が必要になるんです

つまり
見た目がかなり変わってくる
ということなのです

「翻訳する」って単純に

「元の日本語が外国語になって」
「元の場所に収まって届けられる」

そう思っていませんでしたか?

「スぺースを拡張したほうが良いのか」
「フォントサイズを下げたほうが良いのか」
「デザイン面や視認性に於けるデメリットはないか」
「翻訳の目的や成果に支障をきたさないか」

実はそんなことも考えながら
翻訳作業は行なわれているんです

このように「純粋に翻訳する」こと以外にも
さまざまな作業が行われていること
翻訳を依頼される際に知っておくと
翻訳依頼先との意思の疎通もよりスムーズかと思います


用語集とスタイルガイド

2020-04-10 08:22:24 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

用語集

って聞いたことありますか?

新聞社や出版社、広告会社、印刷会社など
テキストをヘビーに扱う会社
もしくはファッション関係など
ブランディング重視の会社にお勤めの方は
よく目にされているかもしれません

用語集とは正確には
特殊な用語とその定義や説明が記載されている一覧
のことを言いますが翻訳業界では
原文と訳文の対訳をまとめたもの
を指します
(対訳表やグロッサリとも言います)

簡単なたとえであれですが
「Apple」は「リンゴ」
「Orange」は「オレンジ」
と並列で記載されているようなものです
(実際には3列目に補足があったりします)

用語集についてはWikipediaのこのページ
見ていただくとわかり易いかと思います

ほかにも
「用語集」や「用語集_翻訳」で検索してもらえば
さまざまな会社や団体が公開しているもの
ご覧いただけます

それではもうひとつ質問します

スタイルガイド

って聞いたことありますか?

用語集と混同して使われることもありますが
スタイルガイドとは
統一した言葉遣いを規定したもの
であり
表記のガイドラインのことです
(業界によってはタイポグラフィ(空白、活字)に関するものや、外観や技術的な側面に関するものもあります)

具体的には

・文体(ですます調、である調、英国式、米国式等)
・文字(ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字等)
・記号(括弧、句読点、感嘆符、疑問符、ハイフン、コロン等)
・単位(時間、長さ、質量、面積、温度、速度、通貨、等)

といったことのまとめです

翻訳に関するスタイルガイドは
一般社団法人日本翻訳連盟が
無料で公開したりもしているので
こちらも参考にしていただければと思います

翻訳に限らず文章作成に於いて
用語集とスタイルガイドは
ばらつきを無くして統一感のある文章作成
のために不可欠な神器
といっても過言ではない大切なものです

ページをめくるたびに
「りんご1こ」が
「リンゴ1コ」になったり
「林檎壱個」になったりしては(※)
読み辛いし気持ち悪いし
同一のものとして認識することさえ
困難になるかもしれません
※文字と単位の不統一

「吾輩は猫である」
「名前はまだないのです(※)
なんかはもう
鳥肌が立ちそうです
※文体の不統一

「製造伝票」と正式には言うものを
ある部署では「製伝」
別の部署では「オーダー」
と呼んだり使ったりしていたら(※)
もしかしたら重大な問題になるかもしれません
※用語の不統一

文章を作成する機会が多い場合
翻訳することが多い場合
さまざまな部署間でのユレや
過去および今後作成する可能性のあるドキュメント
それらの間での整合性をとるためにも
用語集とスタイルガイド
作ることをお勧めします

そして翻訳を依頼する際は
それらを依頼先に共有の上
準拠してもらったほうがよいでしょう
(依頼先によっては作成してくれるところもあります)

用語集とスタイルガイドについて
もう少し詳しく知りたい方はどうぞお気軽に
以下までお問い合わせください


安いことは良いことですか?

2020-04-09 08:38:42 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

"安い理由"
について考えたことありますか?

ネットで検索して
数社から見積もりをとって
一番安いところに発注

誰でもやっていることですが
これで何の問題も起こらないのは
同じ製品・サービスで
価格競争が行われている場合です

繰り返しますが
"同じ製品・サービス(※)"
というところが味噌です
※同じ目的を果たすもの、同じ結果が得られるもの、でもいいです

では
翻訳についてはどうでしょう
どこ(会社)がやっても
誰(翻訳者)がやっても
同じ結果が得られるのでしょうか

おそらくほとんどの方は
答えが"否"であること
知っていると思います

ところが実際には
「あちらのほうが安かったので(選びました)」
とお聞きすることが多いです

"安い"と一概に言っても
その差はまちまちです
なかには
「あちらさんはお宅の半値だったよ」
なんてときもあります

しかし考えてみてください
比較対象の一方が
暴利を貪っているわけでない場合
その半値で同じ結果
果たして得られるのでしょうか

翻訳の見積もり時に使用される
"翻訳単価(※)"
というものがあるのですが
それに1-2円の差が生じる程度なら
大きな問題にはならないかもしれません
※原文1文字または、1単語あたり料金

しかしその差が
大きくなればなるほど
(半値なんては場合はもちろん)
そこにはなんらかのカラクリ
あって然るべきです
というかあるはずなのです
カラクリがないと
事業を継続できないはずなのです

ではそのカラクリとは
何なのでしょう

先述の1-2円の差であれば
"気合い"
つまり競争に打ち勝つために
利益を削っているのかもしれません

しかしそれ以上の場合は
工程を省くか
やり方を変えるなどしないと
見積もりとして出すのは
難しいと思います

つまり
"なにかを犠牲にしている"
のです

どうか
「もっもとも安いところに発注せざるを得ない」
という
一般競争入札のような仕組みでないかぎり
翻訳依頼先を"価格"で選ばないようにしてください

社会(経済)は回っています

「安く仕入れられて得をした!」

と喜んでいても
それをあなたに売った会社の人は
もしかしたらあなたが勤める会社の
お客様のお客様のお客様かもしれません

安く仕入れることができたのは
相手が安く売っているからであり
安く売っているということは
(まともな商売の場合)
身入り(利益)が減るということであり
身入りが減るということが
もしかしたら回り回って
あなたの勤める会社の製品・サービスを
購入しなくなることに繋がるかもしれません

社会(経済)は回っています

1パック10円安いたまごを
片道110円の電車に乗って
隣町まで買いにいく

昔々
そんな例え話を聞きたことがあります

目先の安さに飛び付くのではなく
一度立ち止まって
"安い理由"について
考えてみてください