【翻訳会社】インターブックスの翻訳外注ノウハウ

外国語の対応にお困りの方のために、「翻訳を外注する」上で役立つことを語っています。

「高い」と感じたら思い出してください

2020-04-06 09:22:33 | 日記
こんにちは
【翻訳商社】マンです

「うわ、高…」
「どうしてそんなに高いんですか?」

翻訳料金のお見積もりを出すと
よく言われます

しかしそのご意見に
根拠があることはほとんどなく

「なんとなく、感覚的に高い」

と感じられることが多いようです

まあ
普段あまり目にすることも
接することもない世界なので
比較、参照できるものもなく

「なんとなくこれくらいでできるんじゃないか」

という
ある種思い込みに基づくご意見なので
致し方ないと思います

ここで唐突ですが
プロ翻訳者が一日あたりに翻訳する 
ご存知でしょうか?

日本語から外国語に翻訳する場合
原稿用紙 8枚(日本語原文) 
だいたいそれくらいです

400文字x8枚なので
一日あたり3,200文字(日本語原文)
ってことですね

では
プロ翻訳者としての月収
どれくらいが妥当だと思いますか?

これに答えることは難しいと思います

別にプロ翻訳者でなくてもよいですが
たとえば一般的に
20代後半 独身 7.5万円の1K賃貸
にお住まいの方が必要とする月収
ってどれくらいでしょうか

家賃は収入の1/3以内に収めるべき
なんて話もありますので
仮に7.5万円の三倍として手取り22.5万円
額面で25-26万くらいとしましょう

これを仮に冒頭に紹介した
プロ翻訳の一日あたりの翻訳量
で割ると1文字あたり幾らじゃないと
この月収が得られないか
算出できます

260,000円÷20日稼働=13,000円/日
13,000円÷3,200文字=4円/文字
(これは単なる算出結果で、実際の翻訳単価とは異なります)

土日祝は休んで月20日働くとして
来る日も来る日も翻訳し続けて
1文字4円以上ないと
この月収はクリアできないわけです

では
この1文字4円を基準に
A4サイズ1ページの文章
翻訳したら料金は幾らになるでしょう

MS Wordで作成した文書は
デフォルトのフォントサイズでだいたい
1ページ1,450文字くらいです

つまり
A4 1ページ5,800円
になるわけです
2ページだと11,600円
3ページだと17,400円
ですね

いかがでしょう
たぶん多くの方が

「うわ、そんなに高いのか」

と思われたと思います

でも考えてください
この料金で仕事をいただいても
先ほどの月収(26万円/月)なんです

さらに翻訳者には
安定的に仕事があるわけではありません
無い日だってあります
駆け出しの翻訳者の場合
月収0円のときだってあるわけです

翻訳はただ
ある言語を別の言語に転換するだけ
ではありません

使われている言葉について調べたり
行間を読んだり
文意や隠れた意図を想像したりと
とてもクリエイティブな作業です

高いと感じるか安いと感じるかは
もちろん自由なのですが
翻訳料金の見積もりを検討する際には
こんなことにも少しだけ
思いを馳せていただけると嬉しいです