天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

「ザ・ライト -エクソシストの真実-」25

2011年04月12日 | 映画感想
「ザ・ライト -エクソシストの真実-」

サー・アンソニー・ホプキンスの演技が相変わらず凄過ぎてシビれる!!

あ、いきなり結論書いちゃった(テヘ
って言うかー、予告編の作りとか公式サイトの雰囲気とか色々さー^^;
映画配給会社もこの作品を日本で売り出すのに苦労しているのはすっごくよく理解出来るんだけど
明らかに「ゴシック・ホラー系」作品だと誤誘導したいのがミエミエで痛いわw
流石にアンソニー・ホプキンスの名前だけじゃー日本では集客出来ないと思ってるんだろーなー。
実際私も本作は公開初日に見に行ったんだけど、劇場内ガラガラでしたもん(涙

まーそんな訳で本作ですが・・・とても真面目に真摯かつ丁寧に
「ある信仰心の足りない新人神父がいっぱしのエクソシストに成長するまで」を描いた作品です。
そりゃー悪魔祓いのシーン等ではホラー好きさんが「ウホッ♪」と思うような描写も登場しますが
ぶっちゃけ本作の予告編を見て「どんなエグい映像が見れるのかな~♪」と期待して見に来ると
案外アッサリしていて拍子抜けしてしまうかもしれません。
・・・って、だから本作はゴシック・ホラーじゃないんだってば^^;

本作、実話が元になっているそうでして。
主人公の「神も悪魔も信じられない新米神父のマイケル」も「風変わりな異端エクソシスト・ルーカス神父」も
実在している人物で、お二方共今現在それぞれカナダとイタリアでエクソシストとして活躍されているそうですよ。

本作はね、キリスト教信仰者と非キリスト教信者で受け取り方が全然違っちゃうと思うんだよな~。
そもそも信者の皆さんは「神」の存在も「悪魔」の存在も自分の中で普通に受け入れられている訳でしょ?
だから主人公のマイケルが信仰心を持てなくて、悪魔の存在を信じられなくて自分の目の前で起こっている事柄を
なかなか自分の中で納得出来る形で受け入れる事が出来ない姿に焦れたり「私も信仰を持つ前はアナタと同じ気持ちに
なったりしたのよ。アナタの逡巡はとってもよく判るわマイコー」とか思いながら本作見たりするんでそ?^^;

以下はネタバレになるから本作を見るつもりの方でオチを知りたくない人(オチバレバレだけどな。笑)は注意

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結果的に言うと、神の存在も悪魔の存在も今ヒトツ自分の中で消化出来なかった・その存在を信じる事が出来なかった
マイケルは、これはもうどうにもこうにも「悪魔」というモノの存在を受け入れざるを得なくなった、この状態は
間違いなく悪魔が存在していると信じるしかない!と「悪魔」を受け入れた時になって初めてようやく
「悪魔が存在するという事は、確かに神も存在するという事なんだ!」と、同時に神の存在と自分の信仰を確信する訳ですわ。

さて、この展開を見て、元々神様の存在なんてまーったくカケラも信じた事がなく信仰心のシの字もない私はこう思った。

「逆に考えれば神がいるから悪魔が存在するという事だ。神のいない場所に悪魔は存在しない。
 では諸悪の根源はどこにある?悪魔が先か神が先か。信仰を持つ者なら神の存在がまずありきだろう。
 そうすると、この世に悪魔を作ったのも神という事になる。神が全ての悪の元凶という事ではないのか?」

神と悪魔は表裏一体、神だと崇めているものは実は悪魔であり、悪魔だと恐れているものは実は神である、という事だろう。
本気でキリスト教を信仰している人が私の考えを聞いたら激怒するのかもしれないけれど、信仰を持たない人間の
考える事ってのはこんな感じなんですよーって事で。

まー、映画と随分かけ離れた「宗教論」みたいな話になっちゃいましたが、この映画見て宗教論まで辿り着いただけまだマシな方よ。
多分本作は予告編見て「エグエグホラー」を期待して行く人がほとんどだろうから、みんなガッカリしちゃうんだろーなー(薄笑
コメント
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