桐野夏生の「夜の谷をいく」を一気に読みました。
1972年に起きたあの連合赤軍事件を題材にした小説です。
山岳アジトを生き残った女主人公の現在(東北大震災のあった2011年)を横軸に事件のあった1972年を縦軸に物語は展開していきます。
ストーリーテイラーの桐野の筆致によってグイグイと物語の中に引き込まれていきます。
永田洋子がようこではなくひろこと読むのも初めて知りました。
あの山岳アジトに子連れ夫婦や妊娠している女性がいたのは、優秀な革命戦士の子供達をつくるコミューンを作ろうという計画があったのも初めて知りました。
すごく面白い小説とは思いますが、ラストシーンにはちょっと違和感があるなあ。
あのラストシーンにするためには、持っと綿密な伏線を張らねばと思います。
余談ですが、この連合赤軍の事件と1970年に起きた三島由紀夫の割腹自殺事件を思うとなぜかいつも陽水の「人生が2度あれば」が浮かん来ます。
♯桐野夏生
♯夜の谷を行く
♯連合赤軍