7月17日の更新で記載した私の発言に誤りがありました。今回は急ぎ訂正するため更新日を繰り上げます。
『白井さんが今月末で信濃屋さんでのキャリアを了えられます』と書きましたが、私の早合点で事実ではありません。多くの皆様にご心配、ご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申し上げます。
特に白井さんには大変なご迷惑をお掛けしお詫びの言葉もありません。我が未熟を唯恥じ入るばかりですが、私にとって何よりの救いはこのブログを来月以降も続けられることです。これからも張り切って更新する所存ですので、皆様、宜しくお願い致します。
“Glen plaid suit”
グレーのグレンチェックにゴールドのペインが入った、もちろん夏向きの薄い生地を使った信濃屋オリジナルの一着。元々スリーピースで作られているそうだが、この日の気温を考慮し今日はベストは無し。
白井さんの前回のスーツスタイルは麻のスリーピース。あるお客様はその時の華麗な着こなしを“まるでアガサ・クリスティーの世界ですね”と評されていたそうだ。
『やるなら徹底してやらないとね。』(白井さん談)
それこそがまさに“白井流”だ。
が、今回はそこからは一転して実に“渋い”。まさに“動から静へ”といった印象。
“黄金の中庸”
これもまた“白井流”なのだ。
ネイビーに磨き砂、共に渋い色合いのレジメンタルストライプのタイはミッチェルソン(英)。1月15日アップのクレストタイもそうだったが、今回のミチェルソンのタイも白井さんはとても気に入られていた。
『このネイビーの色も磨き砂の色も、こういうのってなかなか無いよね。縞の幅と間隔、締めた時の具合も・・・全部が良い。もちろん“自分が好きだ”ってだけで、好みの問題なんだけど、ほら、こんなに擦り切れちゃってる(笑)。』
“磨き砂”。白井さんはこのタイの縞の色をそう表現されていた。白でもグレーでもゴールドでもシルバーでもない、鈍く、渋い色。シャンパンゴールド、という表現が一番近いのかもしれないが、このタイにその言葉を使うのは適切ではない気がする。
シャツは現在では絶対に手に入らない逸品。横浜のシャツ職人・遠藤さんのカスタムメイド(遠藤さんについては4月22日アップの記事をご参照下さい)だ。生地は、写真では判りにくいが、透け感が特徴の夏のシャツ生地“ボイル”。
靴はシルヴァーノ・ラッタンツィ(伊)の明るめの茶のキャップトウ。“リボルターテ”という、革の切り目を薄く梳いて内側に織り込んで縫い込む手の込んだ仕様が施されている。ホワイトステッチは実に細やかで美しく、トウはいつものように光り輝いていた。