ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

Camel colored cashmere jacket

2010-12-04 04:00:00 | 白井さん


 今回、白井さんが選ばれたのは“キャメル色のジャケット”。組み合わせのヴァリエーションが豊富で簡単そうなのに、真剣に考え始めると実は誤魔化しが効かないという意外と手強い“無地の上着”の着こなしです!今日は非常に無謀な試みですが、私が白井さんになったつもりで、今日の組み合わせの意図を考えてみたいと思います(笑)。

  

 この日の横浜は最高気温は17℃。この微妙な気温・・・。

 『やはり昔に比べるとコートを着始める時期が遅くなっているよね(苦笑)。』

 と、仰っていた白井さん。恐らく、今日の気温を考慮して、コートは未だ着れないから厚手のカシミアのジャケットあたりが妥当かな、とお考えになられたのではないかと推察します。但し、この日の白井さんの言葉では、

 『あ、最近これ着てないな・・・と思ってね。』

 とのこと。以前にも申し上げていますが、服にしろ、靴にしろ、小物にしろ、兎に角手持ちのアイテムは全て万遍無く使うのが“白井流”。白井さんは常々、

 『何しろワードローブは全部見えてないと嫌なんだよ。』

 と仰っています。ワードローブの品を“全て見える”ようにしておかなければ“万遍無く使う”ことはできません。因みに、もし仮に使わないものがあるとすれば、それが“箪笥の肥やし”になるくらいなら白井さんは躊躇無く他の人に差し上げてしまいます。

 『捨てることはまず無いね。』

 とも仰っています。実はこの“捨てない”ことも非常に大きな命題だと思っていますが、今日は触れないでおきます(苦笑)。

    

 次に選ばれたのは恐らく“ネクタイ”。ジャケットが無地ですので最初の選択肢は当然ながら“縞”や“格子”などの柄もののネクタイということになったのではないかと推察されます。

 白井さんはワードローブのネクタイは『縞』『ジャガード』『プリント』・・・といった具合に柄や素材別に、当然“全て見える”ように、分けて並べて管理されているそうです。この“ひと手間”によって毎朝のコーディネートは極めて効率的でロジカルな進行が可能になり、最終的な閃きを生むための時間と心のゆとりも作り出せるのだと思います。もちろん、白井さんは100を越える数のネクタイを所有されていますので“管理の必要上”ということがあるのは当然だとも思われますが、私などは以前このお話を伺ったときはまさに“目から鱗が落ちる”心境でした。

 ベージュから濃茶まで複数の“茶”で彩られたグレンチェックのネクタイはジャン二・カンパーニャ(伊)のもの。

 シャツにも茶の縞を使い、着こなしに更なる遊び心を加えて。オックスフォードBDはルチアーノ・バルベラ(伊)。今回、白井さんがバルベラのBDを気に入られている理由をもう一点伺いました。

 『見頃がたっぷりしているところが良いよね。襟腰も低くて襟の形も良い。特にBD(ボタンダウン)は襟腰が低くないとね。バルベラはアメリカにも進出しているから、やはりBD(ボタンダウン)はブルックス・ブラザースあたりを意識して作っているんだと思うよ。』

 とのことでした。

 

 胸元のチーフ、そして靴を決められたのはかなり最後の方ではないかな?と推察します。

 靴はジャケットの色との相性を重視して選ばれたとのこと。同じような明るい色のUティップも視野に入れたそうですが、ライトタンのキャップトウをほぼ瞬時に選ばれたようです。やはり、選ぶ靴は着る服との相性によって決まる部分が多い、と仰っていました。

 チーフについて白井さんは、

 『色が綺麗でしょ。ミラノのティンカーティで見つけたんだよ。“あ、これいいね”ってね(笑)。』

 と仰っていました。白井さんはチーフの選び方に関しては、挿し方もそうなんですが、

 『あ、こんなの適当だよ、適当。』

 と仰る場合が殆ど。そして私は、その言葉はほぼ額面通り受け取って良いと思っています。何故なら、“適当”という言葉を別の言い方に換えるならば“感覚”なのではないかな、と思っているからです。着こなしの最後を飾る“一花”=ポケットカチーフ、それすらもグズグズと考えあぐねるのは無粋の極み。感覚で挿せないなら寧ろ潔く“白”を選ぶかさもなくば何もしない方が余程マシ、と・・・こちらは白井さんがそう仰った訳ではないのですが、白井さんと接していると何となくそう感じるのです。

  

 今日の着こなしの最大のポイントはインナーにお召しになられた前開きのニットヴェストではないかな?と推察しています。柔らかい色合いの黄色いカシミアのヴェストはフェデリー(国名?)。

 『白井さんはまず人前で上着は脱がないね~“上着は人前で無闇に脱ぐもんじゃないんだよ”って(笑)。脱ぐのは別の服を試着する時とか、ボタンが取れちゃって、急いで繕ってもらわなきゃならない時に仕方なく、って時くらいじゃないかなぁ~。』と以前牧島さんが私に教えてくれました。

 そんな白井さんに、今日は上着を脱いでいただきヴェストを見せていただきました!

 昨年末にこのブログ“白井さん”を始めた当初の約3ヶ月の間、白井さんの着こなしで一番驚いたことの一つは、ジャケットスタイルの時のインナーにニットを多く用いられていて、それが何とも言えないくらいお洒落に見えたことでした。その全ては色鮮やかで、そしてそのすべてがカシミアのニットでした。

 私にとって高価なカシミアのニットは簡単には買えない品物ですが、昨冬の白井さんの着こなしが忘れられなくて、今年は安価でもなるべく色の綺麗なニットを何種類か揃えて日々のコーディネートに取り入れています。

 そんな折でもあったので、今シーズン初のニットヴェストの登場に私は余程興奮していたのでしょう、

 『ああ!ニットヴェスト撮らせて下さい!』

 と叫んでしまい、白井さんも思わずもろ肌を脱いでくださる容となりました。大変記念すべき一枚です(笑)。

 おっと!忘れてはいけません(笑)。黄色のホーズはもちろんヴェストに合わせて。靴下へのこだわりは“白井流”の大事なポイントの一つです。

   

 お帰りは濃茶のシルクマフラーで襟元を引き締めて。

 手袋は“ペッカリー”。

 『もっと黄色いのでもよかったんだけど、今日はこれ。』

 と、色を変えて数種類お持ちのペッカリーの中から今回はこちらをチョイスされたとのことでした。その手にはお馴染みのステッキを携えられて。

 ・・・いつものように完璧な着こなし~かっこいい・・・(溜息)。結局、最後の締めはいつものこの言葉になってしまいました(汗)。

 今日は私のようなド素人の意見などをダラダラと書いてしまい申し訳ありませんでした。明日また白井さんに怒られなければ良いのですが・・・(汗)。ただ、口幅ったい物言いですが、一年前では考えられないくらい、今では白井さんの着こなしから多くのことを感じられるようになったような気もして、ちょっぴり嬉しくもあるのです(笑)。
 


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