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猛暑到来。
今夏は日本各地で平年を上回る高い気温が記録されているそうだ。このブログの舞台・横浜も例外ではなく、馬車道を彩る赤レンガの舗装も強い陽射しに容赦なく炒り上げられている。
が、そこは港町。
海からの風が熱気を拡散させるのか、最近電車を降りるたび思うのだが、私の職場がある新宿に比べるとこの街の方が幾分過ごし易いような気がする。港の空が広いのもそう思わせる理由の一つかもしれない。横浜は人に優しい街だ。
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今日の屋外撮影は信濃屋さんの軒先の木陰を利用して。
このブログをご覧になっている皆さんは当然お気づきの方が多いと思われるが、ここ数週間で白井さんがお召しになる服に“白”が占める割合がぐぐっと増してきている。前回の“White linen suit”の現像写真をお渡しすると、
『やはり白も良いね。ま、年に1回くらいだけどね(笑)。』
と、やはりご自身も白の効用に活目されていた白井さんは・・・前回のエレガントな夏のタウンスーツ・スタイルから一転、今回はスポーティーな夏のカントリージャケット・スタイルをご披露してくださった。
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今回はタイトルを如何すべきかと些か考え込んでしまったが、白井さんのアドバイスを頂いて“Four pockets jacket & white linen pant”とした。
『この形で4ポケットはちょっと珍しいからね。』
と仰るジャケットは、以前何度か名前を伺った“ケッキーノ・フォンティコリ氏(伊)”の手によるもの。白井さんは、
『大人しいおじさんだったよ。』
とフォンティコリ氏の印象を思い出されていた。
『そういえば以前、小錦関がブリオーニで服を作る様子をテレビで放送していたけど、その時写ってたのを観たっけ。“あ!ケッキーノだ!”ってね(笑)。』
白井さんは普段あまり多くを語らない方。きっとフォンティコリ氏は著名であるが優秀な職人さんでもあるのだろう。老婆心ながら胸元チーフの位置にもご注目を。色鮮やかなブルー&ホワイトのレジメンタルタイはフランコ・バッシ(伊)。
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パンツはナチュラルのリネン。パンツ単体での登場は、このブログ内に限って言えば珍しい、セントアンドリュース(伊)。更に言えば、白井さんが殊更パンツに触れることもなかなか無いことなので、このパンツに上質の麻が使われていたのは間違いないであろう。作りの良さも当然言わずもがな、であろう。
今日のホワイトバックスはキャップトウ。詳細はうっかり伺い忘れてしまった(汗)。機会があれば後日。
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以下は本日の特別編です。
『白井さんがいつも言ってる“組み合わせが大切”って言葉。あの言葉の意味が本当に判かる人が本当にお洒落な人だと僕は思うよ。』
『組み合わせって色のことだけじゃないからね。例えば上半身が軽い感じのブレザーなら下も軽い感じの、例えばコットンのパンツを合わせる。それなら靴も軽い、例えばスリップオンにする。上下のバランスの組み合わせもあるんだよね。』
『“上下”だけじゃないよ“横”のバランスだってある。ジャケットの肩幅、ラペル幅、パンツの裾幅、つまり横のバランスだね。“素材感”や“柄”だって組み合わせの要素。他にもたくさんあるよね。“着こなし”“組み合わせ”・・・無数にあるけど、でもやっぱり“基本”ってあると思うんだ。どんなにカッコいい靴であってもそれが重たい表革のフルブローグならさっき言ったブレザー&コットンパンツには合わせないほうが良い。やっぱり白井さんならそんな合わせ方はまずしないよね。そういう重い靴の時はやっぱり上に着る服もカチッとしたスーツを着るし、ツイードジャケットならスウェードを履くとか、コンビネーションならストライプのスーツとかって、やっぱり抑えるところはちゃんと抑えてらっしゃるんだよね。“着こなしの妙”っていうのはそういう基本の上に乗っかってるものなんだよ。』
『個々の品のディティールにばかり囚われていると一番大切な全体のバランスが見えなくなってしまう。そうならないために“着こなしの基本”があるんだよね。僕らの世代は皆その基本を“IVY”に学んだんですよ。“穂積和夫の『アイビーボーイ図鑑』”なんてまさに僕の“バイブル”(笑)。白井さんの世代は“アメリカそのもの”から学んでいるけどね(笑)。なんたってまだ戦後だったんだから白井さんの頃は(笑)。でも、今の若い人たちはそういうのが無いから。』
以上は全て、白井さんの取材をする私のそばでいつも笑顔で冗談ばかり言っていた牧島さんの言葉です。丁度白井さんが席を外された時、一息で一気に話されたので私の記憶に間違いがあるかもしれませんが、概ね上記のようなお話だったはずです。
牧島さんらしく笑顔でお話されていましたが、牧島さんの目はお話同様真剣そのものでした。以下は白井さんが以前私に仰っていた言葉です。
『牧島は基本ができているんだよ。根っから服が好きだからね。』