ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

信濃屋オリジナル・Uチップ“Douglas MacArthur”

2009-11-16 17:34:35 | お気に入り


 一昨日信濃屋さんから、注文していた今期の信濃屋オリジナルシューズが出来上がってきたとお電話があり、昨日久しぶりに横浜に行ってきました。

 

 モデル名は“Douglas MacArthur”ブラウンカーフでUチップのバルモラル。今期あがった4型の中で特に白井さんお薦めの型で、やはり白井さんご自身も購入されたとか。一昨日はお客様に臨時靴磨き教室を開きつつ早速この靴を例の業で磨いていたそうで、私も先ほどのお電話でお誘い頂いたのですが、残念ながら仕事がまだ終わっていなかったので止む無く断念涙。なんだかとっても良く光る革だそうで、磨き甲斐のある革だな~とご満悦だったそうです笑。因みに色味は赤みを抑えた渋い“スリークォーター茶”といったところです。

 

 よくエドワードグリーンのドーヴァーのような型を“Uチップ”と言う人がいますがあの型はUチップではありません。ドーヴァーのような型は正式には“オーバーレイプラグ”と言い、こちらが本当の“Uチップ”です!!(一度言ってみたかったこのセリフ笑)ミッドセンチュリーのアメリカ靴によく見られた型を復刻させた靴だそうです。



 正直に言うと、最初サンプルを見せて頂いた時は『白井さんイチ押し!』とお薦めいただきつつも、最近はラッタンジやスウェードのフルブローグなどの印象華やかな靴に目が慣れてきていたせいか、パーフォレーションが無く比較的ツルッとした表情に『なんか地味~汗』とあまり良い印象がなかったというのが本音でした。

  

 でも2度目に見た時、もう一度よく巨細に眺めてその考えが変りました。やはり最大のチャームポイントは、アッパーの各パーツ(これらそれぞれの名称は何というのかわかりませんが)をなんと大胆にも4重に施されたステッチが縁取りそれぞれが調和しつつ優美な曲線を描いているという大向こうを唸らせるデザイン。その後翻意して購入を決めたポイントがココでした!恐らくどこに行ってもおいそれと見られるモノではないのでは、と思われる希少性がありながらもオーソドックスな全体の印象は着こなしの幅が広そうなこともポイントでした。白井さんの哲学が反映された繊細且つ大胆にして普遍的でありながら特別な存在感を放つ靴ではないでしょうか(大袈裟ですが)。

 

 他にも、万能のラウンドトゥ、6穴鳩目、コバの張り出した無骨なダブルソール、360度のウェルトステッチの色は私が予ねて憧れていた初の“白”、と信濃屋流てんこ盛りな靴なんですが、白井さん・・・先の靴磨きのときにこのステッチを敢えて黒く塗っちゃったそうです汗。“直感!”・・・だそうです汗。

 さてさて、では私もKIWIでがっつり磨くかな笑。

 

 

 

理想のカフェ

2009-11-16 17:28:05 | 大人のカフェ巡り
理想のカフェ・・・それは、

 
 家の近所にあります。

 毎朝お年寄りが犬の散歩帰りに立ち寄れるよう早くから営業しています。

 英字新聞も置いてあるのでオバマも安心。

 化粧室は広く清潔です。

 壁に大きな油彩の良い静物画が掛けてあります。

 おしぼりが出てきます。

 クロワッサンは美味しいです。

 いつも店の中から珈琲の馥郁とした香りが立ちこめています。

 街角にあるので通りを行く人を眺めていると退屈しません。

 珈琲は美味しいです。

 ランチセットはありません。

 お支払いは現金のみです。

 HPはありません。

 テーブルにはクロスが掛けられています。

 喫煙席は透明のアクリル板で囲われていません。

 季節の移ろいを感じ、天気の良い日は日がなそこで過ごせるテラス席もあります。

 時計はありません。

 テーブルには季節の花が一輪飾ってあります。

 ボウタイ姿のギャルソンがいます。

 座り心地の良い椅子です。

 店主は毎朝店先と両隣もまた同様に掃除します。

 美味しいボロネーゼが食べられます。

 美味しいハウスワインが飲めます。

 BGMは選曲が確かで音量は適量で会話の邪魔をしません。

 店主はユニフォームは言うに及ばず、店の行き返りの服装にもさりげなく気を使っています。

 店内、食器、グラスはいつもピカピカに磨きこまれています。

 メニューに驚くほど分厚いビーフステーキもあります。

 料理は美味しく寛いで食べられます。

 店の床木は“そこだけは”と店主が自分で張ったそうです。

 銘酒好きも仕事帰りに一杯ひっかけに立ち寄れるように木の磨きこまれたカウンターがありますが、残念ながらあまり遅くまでは営業していません。

 店の裏に小さな菜園があって、簡単な野菜やハーブの類は自家栽培しています。

 明るい日差しが差し込み水周りが整備された清潔で使い勝手の良い厨房では整理整頓された充分な調理器具と良いコックが働いています。

 内装や調度品は寂し過ぎず飾り過ぎず、ベーシックなフォルムの、作った職人の温もりも感じられ、何よりも働く人が長く愛着を持って使えるものが置いてあります。

 食材は店主が毎朝市場まで足を運び吟味しています。

 コートラックに帽子が掛けられます。

 ナイフ、フォークが苦手な方のためにはお箸(割り箸ではないもの)をお出しします。

 テレビは普段は蓋が閉じられた木の箱の中にあり、滅多なことではその蓋は開かない・・・何故置いてあるのかと店主に問うと“いつか日本がワールドカップの決勝を戦う姿を観るため”と笑います。

 其処ここにセピア色の思い出の写真が控えめに飾ってあります。

 あまり種類は多くないけれど甘くて素朴なお菓子があります。

 あまり種類は多くないけれど旬の食材を使った料理がその日のおすすめで黒板に書いてあります。

 お父さんもそのまたお父さんもその店でお母さんにプロポーズをしたんだよ、と親子3代続けて通う常連客もいます。

 そして店主は『ありがとうございます。それもこれも皆様のご贔屓で続けてこられたお陰様でございます。』と、控えめ(ちょっと古風に芝居掛かってはいるけど)に言うのです。


そんな店です。

 

 なんて、これはもちろんおとぎの国の話ですが照、このブログの“カテゴリー”に『大人のカフェ巡り』と題して新しい項目を加えました。もちろん超マイペースで更新していきたいと思います笑。