ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

鵜の木 福井珈琲

2009-11-20 17:12:22 | 大人のカフェ巡り


 前回のアップからこのブログのカテゴリーに新たに加えた『大人のカフェ巡り』。今回はその記念すべき第一回目ということで何処をご紹介しようか悩みましたが、“理想のカフェ”に欠かすことのできない条件の一つ目“家の近所にある”カフェということと、ネット上では恐らく私のこのアップがこちらのお店の誉ある初紹介(テレビ上ではかの名番組“ちい散歩”に抜かれていますが、私の知る限りでは)ではなかろうかという理由で、我が家の近所、東急多摩川線沿線の鵜の木にある『福井珈琲』さんのご紹介です。

 昔話からで恐縮ですが、私の珈琲原体験は“味”よりもまず“香り”からでした。私の父はたいそうな珈琲好きで、小さい頃は阿佐ヶ谷にあった父の従兄弟が経営していた『パンドラ』という喫茶店によく連れて行かれました。ただ私はまだ子供だったので珈琲よりはスパゲッティナポリタン(因みに子供の頃のオバマ大統領は鎌倉の大仏よりは抹茶アイスクリーム・・・この項には全く関係ありませんが汗)の方が好きでした。その後成人してからも特に珈琲好きになったという訳でもありませんでしたが、子供の頃その『パンドラ』で嗅いだサイフォン珈琲の香りは記憶の奥底に留まり、珈琲の香りはある種の郷愁を誘う私の好きな香りの一つです。

 『福井珈琲』さんに通うようになったのは“近所だったから”というスラムダンクの流川並みに単純な理由でしたが、その後も10年近く通い続けている理由はこちらの“ブルーマウンテンNO.1”の味に魅了されているからです。ご主人が特に拘って仕入れた特別なブルーマウンテンNO.1の豆は、これまたご主人拘りの、この高名な豆本来の味を最大限に引き出すための極々浅い煎り。その味は豆のほのかな甘みを充分に感じさせ、色は驚くほど薄く澄んでいて、初めていただいた時は“こりゃ紅茶かいな!”と思ったほど。“珈琲=苦い黒い”という珈琲ルンバ的先入観があった私にとってはまさに衝撃の出会いがこんなに近所にあったなんて~!という体験でした。特別な豆なのでお値段は少々お高いですが、その分ポットサービスでたっぷりの量が供されますのでゆっくり時間をかけて味わえますし、比べれば他店の名前だけ同じ銘柄の珈琲よりかなりリーズナブルな上、品質は全く似て非なるものです。

 という訳で、それ以来すっかり香りだけでなく珈琲の“旨さ”にも目覚めた私を魅了し続けている『福井珈琲』さんは、ご主人がリタイアされた後、ご夫婦で仲睦まじく営まれている6席程の小さな小さなお店で、メインターゲットであるご主人と同世代のご近所のお仲間が集って、寛ぎつつ世間話や昔話に花を咲かせている小さな町の大人の社交場です。