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もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし
大僧正行尊
桜の便りが続いている。昨年同様不自由を伴う花見の季節。奈良時代に貴族が梅を見て始まった花見は平安時代になって桜へと移り変わったそうだ。大勢で花を愛でながら和むといった風習も良いが、時には一人自分自身の内面に向き合いながら、孤独を桜と分かち合うのも良いのではないか。
山桜よ私がお前を懐かしく思うように、お前も私を懐かしくおもってほしい。この山奥では花よ、お前の他に私の心を知ってくれる友はいないのだから。
大僧正行尊は三条天皇の曾孫にあたり、修験者として名高い。
時に孤独は花をも友として見る心のあり方を導いてくれる。
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