皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

静かに担ぐ神輿

2017-04-17 21:26:55 | 神社と歴史
県道303号線の一部で、皿尾地区から上池守に伸びる一本道を長大道と呼びます。昭和58年現在の星宮小学校が移転するまで、この長大道の北端に小学校の校舎はありました。私も小学校四年生まで、ニキロ以上の道のりを毎日通っていました。一面に広がる田んぼ道で、風の吹く日は遮るものもなにもなく大変な思いをしたように覚えています。
現在は介護施設になっており、当地の体育館がわりに使われていた音楽室が今でも残されています。
この西側にたたずむのが村社である天神社です。明細帳によれば、創建は文永5年。鎌倉時代前期の1268年と伝えられています。本殿に安置される天神座像は雨乞いの神事の際には縄に縛り付け裏の川に投げ込まれたとされます。
社殿脇の湧水池に祀られる宇賀神社は明和7年(1777年)の造立で、この年は全国的な干ばつの飢饉の年で、この湧き水のお陰で生き延びた人の奉斎だと言われています。今でも元荒川水利組合の揚水機が境内にもうけられていて、水利に対する敬意が感じられます。
8月の夏祭りには八坂社の神輿が地区内を回るようですが、地区内の曲輪事に担ぎてが代わり、思いの外静かに担ぐとされています。理由として荒ぶる天神を鎮めるためといふ説と、御祭神菅原道真公が穏やかで、物静かな人柄だったとの説があるようです。
境内には文政期に寄贈された燈籠があります。また旧小学校脇には大きな鎮魂碑や星宮村合併祈念碑があり、星宮地区の歴史の多くを今に伝えています。
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