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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

アースダイバー!(時の旅① 5/10)

2013-10-04 | 第七章「光と復活体」

 縄文や古墳時代などに興味をもつきっかけになったのは、中沢新一氏の書かれた「アースダイバー」(講談社)を読んでからであった。その懐かしい本を久しぶりに、パラパラめくっていたら、もう忘れていた「アースダイバー」の神話のことが書かれていた。新たに眼にしてとても感動したので、ちょっと長いが引用してみよう。

 「はじめ世界には陸地がなかった。地上は一面の水に覆われていたのである。そこで勇敢な動物たちがつぎつぎと、水中に潜って陸地をつくる材料を探してくる困難な任務に挑んだ。ビーバーやカモメが挑戦しては失敗した。こうしてみんなが失敗したあと、最後にカイツブリ(一説にはアビ)が勢いよく水に潜っていった。水はとても深かったので、カイツブリは苦しかった。それでも水かきにこめる力をふりしぼって潜って、ようやく水底にたどり着いた。そこで一握りの泥をつかむと、一息で浮上した。このとき勇敢なカイツブリが水かきの間にはさんで持ってきた一握りの泥を材料にして、私たちの住む陸地はつくられた。

 実は、先月多摩動物公園でこのカイツブリの動画を撮った。カイツブリの赤ちゃんが可愛かったからであったが、その時はアースダイバーとは繋がっていなかった。しかし、この天地創造の素晴らしい神話を読むとなんとも優しい気持ちになる。私が小学生のときに一年南西アラスカに住んだ経験も大きいのかもしれない。その土地にはクリンギット族とかハイダ族の先住民の方も多く、水と縁の深い土地であった。

 そして、今遺伝子の研究関係の本を読んでいて、時々ぶつかるルーツの話でも、アメリカ先住民と日本人のルーツとの関係もでてくる。自分の血の中に、こうした神話は生きているのかもしれないと感じてしまう。

 中沢新一氏の書かれた、このアースダイバーにでてくる泥は、ご本の中では無意識の象徴であった。今振り返ると、バリバリと仕事をしていた中年のある時期などはまさに意識の世界が100%のように生きていたように思う。しかし、今考えると、そういう意識の世界は無意識の世界に比べれば小さく偏狭しているように見える。五感や感情の世界は、意識からだけでなく、無意識の世界の影響も大きいことを知るようになったからかもしれない。

 嫌いな人を好きになる方法。何となく違和感が大きくなってきた祖国を好きになる方法。自分を好きになる方法。心理学、歴史、哲学・宗教などに興味を持つのは、そんな無意識の発見(意識化)への期待があるのだろう。

時の旅① 5/10

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