イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

七変化の秋!

2009-11-10 | 第一章「意識と知覚」

 岩手山は遠くてすぐに行くわけにはいかないが、近くの公園でも秋を堪能することはできるものだ。ちょうど今の季節は、葉の色が毎日微妙に変わり、また、美しい夕方であれば、光の関係で、ちょっとしたショウを見るようである。

 日が沈む前から、沈むころ。ゆっくりと過ごした。

 人生では、うつりゆく景色の変化をみるのも楽しいが、微妙にうつりゆく、時には1秒で変わる感情の流れを追い、思索し芸術を生み出す人もいる。

 啄木もその一人である。次の一節は、心理療法で著明なカール・ロジャーズのパーソナリティ理論の第一命題かと思えるような一節である。ちょっと長いが一部引用する。

 「人は誰でも、その時が過ぎてしまえば間もなく忘れるやうな、(省略)、内から外からの数限りなき感じを、後から後からと常に経験してゐる。多くの人はそれを軽蔑してゐる。軽蔑しないまでも殆ど無関心にエスケープしてゐる。しかしいのちを愛する者はそれを軽蔑することが出来ない。」

 「一生に二度とは帰って来ないいのちの一秒だ。おれはその一秒がいとしい。ただ逃がしてやりたくない。それを現すには、形が小さくて手間暇のいらない歌が一番便利なのだ。実際便利だからね。歌という詩形を持ってるということは、我々日本人の少ししか持たない幸福のうちの一つだよ。(間)おれはいのちを愛するから歌を作る。おれ自身が何よりも可愛いから歌を作る。」 (一利己主義者と友人との対話

 現代の臨床心理学は100年程度の歴史しかないようであるが、日本で愛されている短歌や俳句。その意義が良く判る。また、俳句療法などが現実に効果をあげていると教えていただいたU先生の言葉を改めて思い出した。

 これから、啄木の詩を、以上の観点からもう一度考え直して、楽しく旅をしてみたい。

(一握の砂 11/16)

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