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琳派と秋の彩り。

2015-10-23 12:58:26 | おでかけ。
@山種美術館。

琳派ってよくわからないのですが、
琳派とよばれる美術品はなんだか好きなものが多い。

今回の特別展のポスターになっている酒井抱一の「秋草鶉(うずら)図」にグッときて、
これは見にいかねばとひさしぶりに美術館へ。


ね?美しいでしょう?
お月さまのかたちが満月でも三日月でもなくて、
下弦でも上弦でもない、アーモンドみたいなかたちなのが秀逸。たまらない。



会場にはいって一枚目の絵からほんとうに美しくて、
泣きそうになるくらい来てよかったと思いました。


働いているお店がびっくりするくらい忙しくて、土日など息つく間もないくらい全力で走りぬけるような一日で、
そんな毎日のなかで、わたしの中からなにかがこぼれ落ちてしまっていたようでした。

わたしはそれをどうしても失いたくはなくて、
しっかりと掴まえていたつもりだったのだけど、いつのまにか渇いてしまっていたようで、
一枚目の絵から、心がしっとりとかぐわしいお水のようなもので潤ってゆくのがわかりました。

それは一枚、一枚と見てゆく絵を重ねてゆくたびにどんどんと潤って、
ああほんとうに来てよかったなと思ったのです。


美しいものを美しいと思う心。

それに感動していたい。

慣れてなんてしまいたくない。

そしてそれに見合うわたしでありたい。


それをわたしは失いたくはないなって思うのです。


それでやっぱりわたしは酒井抱一の絵が好き。

経年でしか得られない色が好き。

自分の好きを思いだせる。

それは幸せなことだ。


ほんとうに来てよかったな。

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