この広い世界を。

可愛い歳月。
思ったことの記録。

モンスター。

2015-10-15 18:01:31 | ひとしずく。
(数年前の過去記事より再UPです)


以前、わたしはこの胸にモンスターを飼っていました。


モンスターの好物はしらない。

モンスターの名前もしらない。


自分の胸のなかをまじまじと見たことなんてなかったから、
そもそもこの胸の中にモンスターがいるってこともしらなかったんだ。



だけれど、ある日ふとした瞬間に、
自分の胸の中のモンスターの存在に気づき、
気づいたのと同時に、モンスターの名前を知ったのです。



あいつがわるい。

あれがわるい。

これがわるい。

せいじがわるい。

くにがわるい。

しゃかいがわるい。

かいしゃがわるい。

うんがわるい。

じだいがわるい。

きょういくがわるい。

なにもかもがわるい。



そんな心が大好物のモンスターの名前は『被害者意識』



あ、被害者意識。


そう気づいただけでモンスターは砂のように崩れおち、ばったりとたおれた。


モンスターはわたしの表層意識には住めないらしい。


でね、モンスターがたおれたあと、
ぶわっとすごい勢いで浄化の風が世界中にふいたのを確かに感じたんだ。


被害者意識という名のモンスターがたおれたあと、
目をあげてまわりを見わたしてみたら、
この世界は歓喜の声をあげたくなるほど豊かだったんだ。



ずっと目に見えていたのに、気づかなかった。


あの日からわたしの世界は可愛くて美しいのです。




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