何の予備知識も持たずに映画館入り。
スパイ、とあるのでサスペンスものかと思ってたが、大間違いで、シリアスな世界情勢下で正義を守ろうとする、一個人の苦闘の物語りでした。
トム・ハンクスは相変わらず名演だが、他の配役も見事。
すでに過去の出来事になったベルリンの壁が後半の重要なテーマになるが、民族を分断し、自由を奪っている状況が壁崩壊後もまだあることをエンドロールを見ながら重く思い返してました。

杉原千畝。祖国を守ろうとして戦時中の厄介な国際情勢下、命がけで情報収集した彼の努力は報われなかったが、ただひとつの教えを拠り所に紙切れ一枚に人々の生きる希望を託し、組織人としてではなく「人」としてのやるべきことに努力を惜しまなかった彼。
日本のシンドラー、6000人ものユダヤ人を救った人、死後にやっと名誉が回復された日本の歴史から消されかけた人・・・程度は知識はあったが、その動機、そしてビザを発給された人たちの逃避行を知らなかっただけに、最後までどきどきして見ていました。
娯楽作品の側面もあり、ストーリー的に?という展開もありましたが、戦後、彼が事実をすべて語っている訳ではないでしょうから、目くじらをたてる必要はないかな・・・とエンドロールを見てました。
ハルピン学院の無私の教え、今の世の中、いっそう大切なことです。
ジェームス・ブラウン Get on Up 最高の魂を持つ男
さすがに滋賀での上映館はなく(田舎なので)、6日京都に出撃。
ミック・ジャガーがプロデューサーに名を連ねているように、ロック、ソウルミュージックの隅々まで影響を及ぼしたキング・オブ・ファンクの伝記映画。マイケル・ジャクソンが師匠と崇め、プリンスがステージ共演でビビりまくった、というカリスマの生涯は凄まじい。
ロック大好きだった中二病おじさんである私のジェームス・ブラウンの記憶はLED ZEPの「聖なる館」に収録された「クランジ」(The Crunge)に遡る。
ライナー解説で歌詞の一部にジェームス・ブラウンの一節がうたわれている、とあったが、当時ぶっ飛んだのはボンゾがファンクビートをたたく!!というその一点。白人がファンクをやっても踊れない!というパロディーだったようだが・・・
映画の中でバンドの特訓シーンがあったが、JBのリズムのとり方にメンバーがついていけない。いらだつJB。ファンクは間だ!! すべての楽器はリズムを出せ。全部ドラムだ!! というようなシーンがあったが・・・・・
いまや世界で一番サンプリングされたドラマーとなったボンゾが「聖なる館」以降、タメとリズムの間を追及していくような流れになっていくのは、当時のJBのファンクの影響だったのか!!と一人映画館で納得してニヤニヤしてしまった・・・
当然、黒人差別との戦いはストーリー上必然であり、個人的にはキング牧師暗殺直後のコンサートで暴動になりかねない状況で黒人の若者達の心を掴んだエピソードのシーンは手に汗を握ってしまった。
映画ブルース・ブラザーズでジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが教会で啓示を受けるシーンのゴスペル牧師をJBが扮していたが、今回はダン・エイクロイドがJBのマネージャーで好演していたのも感動もの。
そして、相方のボビー・バードとの別れと再開・・・泣けました
ゲロッパ!