もう20数年も前のことだから
記憶も曖昧かもしれない
親元を離れての一人暮らし
実家への連絡といえば
携帯電話など無いし
テレホンカードも存在してないし
公衆電話をよく利用した
店先の赤電話では10円玉しか使えず
ガチャン、ガチャン、ガチャン‥(硬貨が落ちる音)
ピーッと通話時間がもう終わりだよとなってきれてしまう
寅さんが実家に連絡する時は
いつもこのパターンで小銭をいっぱい用意しても途中できれてしまう
「まあっ~いいか~!」
100円玉が使える黄色や青色の公衆電話では
少し長く話せるけれどお釣りが出てこない
それにそれほど長電話にお世話になることもない
せいぜい〝教科書代〟とか〝ゼミ費用〟とかと
称して仕送りを頼むだけだったと思う
そんな時に〝コレクトコール〟を利用した
今もあるようだが〝通話料金着信払い〟のこと
自分の名前と先方の名前、電話番号を述べてつないでもらったと思う
つながった時には何となくうれしかった
通話料金も負担できない〝バカ息子〟に
親は味噌をなめて仕送りを工面してくれたのかもしれない
時代は変わって
〝バカ息子〟は親になったけど
はたして味噌をなめて仕送りを工面できるだろうか
(あっはっはっはっ‥)
味噌そのものを買うことができるだろうか
(その時はその時で何とかなるものさ‥)