思い出のアルバム

　チビ子が保育園を卒園した。ゼロ歳児からお世話になっていたので、足掛け六年間通園した事になる。
　身長120センチ・体重21キロ・足のサイズ20センチ（デカ！）。赤ちゃんの時は肉まんみたいにコロコロしていたチビ子だが、今ではすっかりスリムになって妙に色気を感じさせるほどお姉ちゃんに成長した。すました顔で行進し、椅子に腰掛ける姿は我が子ながら凛々しく美しかった（ああ、親バカ全開）。

　「さよなら保育園」という歌を手話つきで歌い始める頃には、私の涙腺はすっかり水位が危険水位を越え、卒園証書授与ではついに決壊。大洪水状態だった。
　それも我が子のみならず、ゼロ歳児クラスから一緒だった子供達の姿を見ても「ああ、この子はいつも甘えたさんで、よく泣いていたね。」「この子は最初から一番しっかり者だったね。」と、色々な姿が思い出されてボロボロ涙が出てくる始末。
　スライド上映が始まると、暗くなるのをいいことにハンカチで顔を押さえての号泣（笑）。
　毎朝、私にくっついて離れたがらないチビ子。年中クラスになるまでずっと朝はゴネていた。用心深くてなかなか歩き出さなかったね。運動会の直前にようやく歩くようになって、グランドを歩く姿にウルウルした。打たれ弱くて、気が小さくて、生真面目で、神経質で、甘えん坊で、優しくて、私に似ず女の子っぽいものが大好きで・・・。
　ああ、もう。恥ずかしいったらないね、まったく。自分の卒業式では一度も泣いたことないのに・・・。


　式が終って皆で写真を撮ったりしていたのだが、一人のお母さんが「チビ子ちゃん、一緒に写真写ってあげて～。」とやって来た。大人しい可愛らしいAクン。お母さんがこっそり教えてくれた。「うちの子ね、チビ子ちゃんに憧れているみたいでね。『小学校、一緒と違うねん。でも中学校行ったら一緒になれるかなぁ・・・』ってずっと言ってるのよ。」
　おおおお、チビ子！やるな、お主。
　写真が終ると今度はチビ子が耳打ちしてくる。
「Aクン、チビ子の事好きやねんで。チビ子知ってるもん。他にもな、Hクンやろ、Nクンやろ、Tクンやろ、Eクンもチビ子の事好きやねんで～（笑）。」
・・・怖いわ！！悪い女やなぁ、チビ子よ。人生の黄金期をこんなに早くに無駄遣いしたらあきまへんで。

　でもね、我が子よ。日に日に大きく美しく成長するチビ子よ。貴女がどんな素敵なレディになっていくのか、母ちゃんはとても楽しみだよ。