レ・ミゼラブル～新演出バージョン～ を観た！ ＊激辛＊

注意）激辛コメントです。滅多に来ないとは思いますが、もしあなたがレミゼの舞台関係者の方でしたら、この記事は読まない方が精神衛生上よろしいかと思います。また、当レビュウに関しての関係者からの苦情は受け付けませ～～～～ん。悪しからず。



　9月15日（日）夜の部
ジャン・バルジャン：キム・ジュンヒョン
ジャベール：吉原光夫
ファンテーヌ：知念里奈
エポニーヌ：昆夏美
コゼット：青山郁代
マリウス：原田優一
テナルディエ：KENTARO
マダム・テナルディエ：浦嶋りんこ
アンジョルラス：野島直人
ガブローシュ：加藤清史郎

　最初に一言叫ばせてください。

　レミゼファンを続けて25年。こんなに泣けなかった公演は初めてです。
どないなっとんねん！！！


　それでは反省会を始めましょう。

　まず新演出について。これについては実はあまり文句はありません。オリジナル名物とも言えた回り舞台は確かにありませんが、フェスティバルホールの奥行きをフルに使った場面転換のスピードは回り舞台に勝るとも劣らぬスピード感。大道具もオリジナル版よりもよりリアルかつディテールにこだわったモノですし、ヴィクトル・ユゴー直筆の挿絵を用いた巨大スクリーンの背景もレミゼの世界観をより時代に忠実なものに近付けていたように思います。
　目の前にオケピがあり、音響もさすがのフェスティバルホール！　って感じで、音楽性（歌を除く）全体としてはオリジナル版よりも上がっています。

　だがしか～～～～～し！

　肝心の歌が！　肝心の歌が！！　肝心の歌が！！！　まるで心に響いてこない～！！　なんだこれは？！？！

　二時間半を越えるレミゼラブルの舞台で、最初から最後までほとんど涙が出ないなんて、初めての事です。この前の映画の時は自分の涙で水死しそうになったというのに。いつもは開演5分で最初の涙がほろりとこぼれるというのに、今日はファンテーヌが死のうが、アンジョが死のうが、ピクリとも涙が出ん……。さすがにエポとガブの死ぬシーンではすこ～し泣きましたが、それでもいつもなら嗚咽状態なのに、今日は涙がじんわり程度。

　ありえない……。ありえない……。絶対にありえない……。

　バルジャン、不合格。喉がお疲れだったのでしょうか。声を張りまくっていて、ファルセットが聞けたもんじゃない。挙句にファルセットの高音部をおもいっきり音を外していました。せっかくの「彼を帰して」が台無し。
　ファンテーヌ、不合格。最初から最後まで地声で押しまくり。ただのヤンママ崩れのシングルマザーがやけっぱちで歌っている「夢破れて」。顔を洗って出直してこい！！　って感じです。
　テナルディエ、不合格。ガラガラ声の喚きっぱなしで、滑舌悪すぎ。聞き取れません。愛嬌もありません。マダム・テナルディエの恐妻ぶりを邪魔してます。
　ジャベール、まあまあ。歌は上手いです。が、やや狂気と神経質さに欠けます。
　エポニーヌ、合格。
　コゼット、良く出来ました。今までのコゼットの殻を破ったという感じはします。
　マリウス、合格。
　アンジョルラス、可もなく不可もなく、印象薄いです。エロエロビーム不足気味。
　マダム・テナルディエ：合格。亭主が亭主なので、もう少し可愛げがあっても良かったかも。
　ガブローシュ、良く出来ました。

　今回特に不合格をつけさせて頂きました方については、なんでしょうか、共通して歌の深みの無さを感じました。感情が平坦すぎる。「怒り」の感情は出せても、「葛藤」やら「迷い」やら「絶望」やらテンションの低いネガティブな感情を表現出来てないように感じました。だからちっとも琴線に触れないのですよ！！

　これ、演出なの？　演技指導した上で、この歌い方なの？？　それとも役者さんの技量のなせる技なの？？？　謎です。色んなミュージカルを観ましたが、ちょっと今日の出来はまずいんとちゃいますか。

　ちなみに昼の部を観た友人のメールを観る限り、こんなボロカスなコメントはなかったので、たまたま今日の夜の分の、キャストの皆さんの喉の具合が悪かったのだろうという事にしておいてあげましょうか。でも、ほんま、相当納得いかないというか、楽しみにしていた分がっかり感が100倍というか、欲求不満度200％って感じです。

　どうしたらいいんだべ、このもやもや……。