丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

校正終了!!

2009年04月27日 | 趣味
 二回目の著者校正が終わって原稿を出版社に送り出した。これで私の仕事のほとんどが終了したことになる。

 校正作業というのは、言ってみれば間違い探しだ。ゲラ(本の段組に印刷された原稿)に編集者が訂正箇所(誤字、脱字、文脈のおかしいところなど)をチェックしたものが送られてくる。それを一つ一つ著者が目を通して、赤ペンでチェックやら訂正やらを書き込んでいくのだ。その他にも自分で気がついた間違いや、どうしても修正したい文章なんかもチェックしていく。通常、校正作業は二回ある。
 締切りがかなりタイトなのもさることながら、何がしんどいって自分の書いたものをそれこそ一言一句見逃さないよう、丁寧に読み込んでいかなかければならないのが、想像以上に大変なのだ。普通に本を読むように流して読めない。ペンで文章を辿りながら、行きつ戻りつしながら、ぶつぶつ声に出しながら、舐めるように原稿をチェックしていく。そんな事を長時間続けていくと、だんだん何がおかしくて、何が良いのかわからなくなってくるのだ。しまいには文章全部がおかしなことに見えてくる。それは平仮名とかカタカナをじっと見ているうちに、意味を持たない記号に見えてくる現象、ゲシュタルト崩壊!にも似通っている。原稿と向き合って三日もたつと、
「うお~、この話、ホンマにこれでエエんか?!」
 と、頭を掻きむしって身もだえしたりして……。

 だいたい、自分の書いた物を何度も何度も読み返すというのは特別な状況で無い限り普段はあまりないのではないか? 少なくとも私は自分の書いた物を推敲はするが、そうそう何度も読み返す事はない。過去にはこだわらない女なのだ(笑)。
 それにしても編集者という職業は凄い。他人の原稿をこれほどじっくり読み込んで、それこそ重箱の隅を突くようなチェックを入れていく。地味で細かい作業、その割には表に出てこない仕事。その仕事っぷりを間近で見ていると(というか、メールを通してだけど)とうてい私には出来ない仕事だと思う。本を作るという作業に対する愛情と執念をひしひしと感じる……。

 そんな編集さんとの二人三脚の作業を経て、本が誕生する。つくづく、いい経験をさせてもらっていると思う。感謝感謝。

 


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1 コメント

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おつかれさまでした (弥勒)
2009-04-29 16:54:18
 いやぁ、よかった、よかった!何はともあれ、ひと段落ですね。

 「ゲシュタルト崩壊」って、いうのですね。なるほど、勉強になります。 編集の仕事してた頃は、よくそうなってました(笑)


>つくづく、いい経験をさせてもらってると思う。感謝、感謝。
ええことですね。ちえぞーさんらしく、読者をあっと言わせる作品、これからも楽しみにしております。

PS:お互いに、夢にむかって、ぼちぼちと精進してまいりましょうね
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