丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

Who are you?!

2009年04月25日 | 四方山話
本当にあった不思議な話……。

 家に帰ると留守番電話がちかちかと点滅していた。再生ボタンをピッと押す。
「今着いたんやけど……。またタエコにも電話してみるわ」
 相当に年配と思われる女性の声が流れてきた。ちなみにタエコというのは実家の母の名前。肝心の電話の主の名前が入っていない。多分母方の親戚のおばちゃんだろうと思い、もう一度聴きなおしてみる。どうやら留守録のメッセージが流れている間に少し喋っていて、話の途中で録音が始まっているようだった。
「え~、誰やろ?」
 母方の親戚で私のところに電話をかけてくるおばちゃんはほとんどいない。心当たりのあるおばちゃんとは声が違うような気がする。それに「今着いた」ってなんや? 宅急便なんか送った覚えないし……。
 着信番号をチェックすると知らない番号が出てくる。それを控えて母に電話をした。母は今日は留守電を入れ忘れていて、日中の電話はわからないという。
「多分ウメ子おばちゃんやと思うんやけど、でもちょっと声が違うような気もするんやわ。ウメ子おばちゃんに宅急便とか送った?」
「いいや。そんなん送ってへんで? それに私が送った宅急便の事で、アンタんとこに電話するか?」
 怪訝な声を出す母に、留守電メッセージを聴かせた。母もう~んと唸る。
「ウメ子ちゃんの声とは違うような……。でも喋り方はあの辺の親戚の感じやなぁ。誰やろ?」
 なんともキツネにつままれたような気分だ。私はとりあえず控えた電話番号を母に伝えて電話を切った。

 翌朝、母から電話がかかってきた。
「あの電話やけどな、ウメ子ちゃんに電話してみたけど違うかったわ」
 ちょっと興奮気味の声。
「それにな、あの電話番号、ウメ子ちゃんとこと違うんよ。ウメ子ちゃんは大阪市内やろ? あの電話、豊中やねん」
「豊中?」
「豊中の北○さんって言う、個人の会社の電話番号やねん」
「はあ? 知ってる人?」
「いいや。全く知らん人。向こうにかけてみたんやけど、あちらさんも全くアンタのとこにかけた心当たりないって。それに会社の電話番号で、私用では使ってない電話やねんて」
「はあ???」
「一体どういう事でしょうか? って不思議がってはったで」
「……」

 一体誰がかけてきたのか? 「今着いたんやけど」って、「誰」が「何処」についたのか? それとも「誰」に「何」が着いたのか? 

 いまだにわからない。一体、誰?


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2 コメント

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世にも奇妙な話 (弥勒)
2009-04-26 22:22:51
何かようわからんけど、妙な方も世の中には
いらっしゃるもんですな。(自分のことは、棚に上げてます)

春だし、猫や人間だけじゃなくて、電話の回線も
どっかでおかしくなるのかもしれませんね。
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さて (ちえぞー)
2009-04-27 22:49:08
>弥勒さま
おおばあちゃんがそろそろ生まれ変わろうかな~と思って、「娑婆に着いたで~」と報告に来たとか(笑)。

不思議は不思議なままおいておきます。
その方が色んな妄想が湧いて出て面白いっす。
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