折り合い

　待ちに待った編集さんからのメールが来た。前のメールよりは随分といい感じの反応だ。でも、指摘された内容については前回と違って自分の中で納得できない部分が多い。
　今回の改稿では悩みぬいて、練りに練って、今の自分の中からはこれ以上の展開は多分出てこないだろうというまで考えた展開なので、納得できないところは充分に議論を交わしたいと思う。

　「薔薇の紋章」の時に思ったが編集者の好みというのは相当に色濃く影響している。実際の話、編集さんの意向に沿って改稿した部分が、他の読者からえらい批判されたりもした。
　私は相当にマニアックなので自分の趣味が一般受けするとは思わない。だから出来る限り読み手の、特に担当編集者さんの好みに極力合わせて行こうとは思う。でも、自分の「らしさ」もやはり大切にしたい。特に今回の話は、ある意味物凄く私らしい話ではあると思う。それだけに、納得無しでは折り合いがつかないし、第一話が頭の中で動き出さない。

　編集さんに口答えするつもりも、喧嘩を売るつもりもないけれど、今回は粘ってみよう……。